更年期障害は「女性ホルモン」と「自律神経」のバランスが崩れることによって引き起こされる症状です。
エストロゲンという女性ホルモンが減少するとホルモンのバランスが乱れ、視床下部にある自律神経を刺激し、発汗やほてりなどの症状が現れます。
女性ホルモンの減少を最小限にすることは自律神経の安定に繋がりますので、緩和させる栄養素の入った食事を摂ることは、自律神経の安定に有効な手段と言えます。

神経が休まらない時は

白湯を飲む

朝起きたら、1杯の白湯を一口飲むのがおすすめです。
朝に白湯を飲むことで胃腸が活発になり、自律神経も活性化します。
過敏性胃腸炎に良いと言われるほど、毒素を出すデトックス効果もあります。

食物繊維が多い食べ物

玄米、海藻、きのこ類、ゴボウなど。
食物繊維を多く含む食べ物は、腸の中をゆっくり進みます。
腸の中を食べ物が進むときは副交感神経になるため、神経を休めるのに効果的です。

発酵食品を食べる

ヨーグルト、納豆、お味噌など。
発酵食品は腸内環境を整え、免疫力アップに効果があります。
また、酵素が多く含まれているので新陳代謝や身体の回復も促進します。

自立神経を安定させる入浴方法

より質の良い食事や睡眠を取るには、リラックスすることが大事です。
リラックス効果を高める手段として有効なのが「入浴」です。
「明日は何をしようか」「今日は楽しかったな」など、ポジティブな気持ちで過ごすとお風呂の時間もリラックスでき、心地よい睡眠が取れます。

お風呂の温度

アロマオイルや入浴剤などを入れたりして、38度〜40度ほどのリラックスできる少しぬるいと感じる温度で入りましょう。

入浴の時間

長風呂は身体に負担がかかります。長く浸かることが苦手な人は、2〜3回に分けて入ると良いでしょう。

入浴のタイミング

入浴のタイミングは、「食後1時間以上経過した後」もしくは「寝る1時間くらい前」が良いでしょう。食後すぐにお風呂に入るのは身体に負担がかかりますので、できるだけ避けてください。入浴後1時間以内に睡眠に入ると、副交感神経が高まり安眠に繋がります。

友人や家族の思いやりが自律神経の緩和に繋がる

更年期障害の症状は、身体と心がバラバラになる感覚が生じるため、ついマイナス思考になりがちです。症状が重く動けない人や、ぼーっとして物事を迅速に考えられなくなる人もいます。
そのため、友人の声かけや家族の温かい見守りは、本人の負担を大きく軽減させます。
更年期障害は終わりがある病気です。周囲が一時的なものだからと受け止め、失敗しても責めずに焦らせず、リフレッシュできる場へ連れ出すなど、色々と工夫をしてみてください。食事を一緒に作って食べたり、外に出かけたり、家族の話や世間話をしたりして、自律神経の緩和に繋がる対応を心掛けて、ストレスを溜め込まないようにしてあげてください。

更年期障害を受け止める

更年期障害と聞くと「老い」を誰でも感じます。でもそれを拒絶する必要はありません。
人間誰しも年をとります。
更年期障害に関わらず、誰でも病気にかかった時は驚くものです。
簡単な事では無いかもしれませんが、更年期障害を受け止めて、向き合えるようになることはとても重要です。それでだけで自律神経が緩和して、少し楽になることもあります。
不安な気持ちや不快な症状は、身近な人たちや当院のような医療機関にも是非お話しください。