厚生労働省から2017年9月15日に発表された「平成28年(2016)人口動態統計(確定数)」によると、日本人の死亡原因第1位は「悪性新生物(がん)」でした。(2位は心疾患、3位肺炎、4位脳血管疾患、5位老衰)

また、2017年12月8日に国立がん研究センターによって発表された情報によると、女性の死因となった悪性新生物のうちがんの種類別の統計を見ると、女性特有のがんである乳がんは5位、子宮がんは8位、卵巣がんは11位と、決して看過できない順位に位置しています。
がんは早期発見が肝心であることは、今や周知の事実。
がんを初期段階で発見することが早期治療へとつながります。そのためにも積極的ながん検診受診が推奨されています。

がん検診を受ける方法とは?

自分の体のことだから、定期的にチェックをして安心して健やかな生活を送りたいもの。
そのためにも、がん検診は積極的に受けておきたいですよね。

がん検診を受けるには、大きく分けてふたつの方法があります。

1)市区町村のがん検診
住民登録のある市区町村が実施しているがん検診に申し込む

2)職場での健康診断 職場で実施している年1回の定期健康診断とあわせてがん検診を受ける
(ただし、職場によってはがん検診を実施していない場合もあるため、その場合は市区町村のがん検診を受診)

市区町村で行われるがん検診は、対象者はお知らせが郵送されてくる場合もありますが、公報誌や市区町村のホームページなどを自ら確認しないと検診を受けられない場合もあります。
まずはお住まいの市区町村でがん検診について確認してみることから始めましょう。

多くの自治体で発行している乳がん・子宮頸がん検診無料クーポン

女性は誰しも一度は「乳がん」「子宮頸がん」について、がんの中でも特別な思いを感じたことがあるのではないでしょうか。
がんが進行すると乳房や子宮などの摘出をする必要があるなど、女性としては精神的にも負担が大きく、死亡率も決して低いとは言えない怖いものです。

これらのがんの早期発見につなげるため、現在多くの自治体で一定年齢以上の女性を対象に、がん検診無料クーポンの送付が行われています。

例えば当院のある埼玉県新座市では、職場等で検診を受ける機会のない新座市に住民登録がある女性を対象に、乳がん検診は30歳以上、子宮頸がん検診は20歳以上の女性に検診費用無料クーポンを配布しています。

検診費用無料クーポンの発行条件、検診日時、場所、申し込み方法等は各市区町村によって異なります。詳しくはお住まいの市区町村のがん検診担当窓口へお問い合わせください。

クーポンには使用期限が定められている場合がほとんどですので、使用期限間近になると病院の予約も取りにくくなります。
がん検診無料クーポンを手にした際は、早めの検査をおすすめいたします。

がん検診はどんな検査を行うの?

実際にがん検診ではどのようなことを行うのでしょうか?
「乳がん」「子宮頸がん」それぞれの検診内容をご紹介いたします。

乳がん検診

問診のあと、乳房にくぼみや腫れ、しこりやひきつれ、色の変化や分泌物等がないか、医師が乳房と脇の下を触って確認する視触診検査と、乳房を専用の機械で圧迫しレントゲン撮影を行うマンモグラフィ検査を行います。
マンモグラフィ検査は、しこりになる前の石灰化した小さな乳がんを発見することができます。
人によっては若干の痛みを伴うこともありますが、がんの早期発見に有効とされています。

子宮頸がん検診

問診のあと、視診とともに子宮の入り口である子宮膣部、頸部の細胞を採取して検査を行います。
検診後出血を伴うことがあるため、ナプキンを持参すると良いでしょう。
また、生理中は正確な検査ができないため、日を改める必要があります。

初めてがん検診を行う場合は緊張されるかもしれませんが、医師や看護師の指示に従いリラックスした状態で検査を受けて欲しいと思います。

2年に1度、自分の体と向き合う時間を

当院でも、子宮頸がん検診対象施設となっております。
無料クーポンをご利用される際は、まずはお電話で「新座市の子宮頸がん検診を受けたい」とお申し付けください。

乳がん検診、子宮頸がん検診ともに2年に1回は受診が推奨されています。
自分の体と向き合う時間を作ることはとても大切なこと。ぜひ意識して定期的ながん検診を行なってください。