コラム:妊娠中のインフルエンザの予防接種について

インフルエンザは、妊娠中にかかると危険な病気の一つです。妊娠中にインフルエンザにかかると、妊娠していない人よりも重篤化するケースが多いと海外でも事例が報告されています。
妊娠中は体力が低下しやすいため、一般的に感染症にかかりやすいと言われています。しかも自分の身体だけでなく、赤ちゃんも危険となるため、その点でも注意が必要です。
もしかかってしまったことも考え、予めどのように対処するか決めておくのも良いかもしれません。

妊娠中にインフルエンザワクチンを接種しても大丈夫か?

インフルエンザワクチンは、生ワクチンではなく不活化ワクチンを使用していますので、直接の毒性はありません。
「本当に打って大丈夫なの?」と疑ってしまう方も少なくないと思いますが、インフルエンザワクチン接種は母体だけでなく、生まれてくる胎児にも予防効果があります。
WHO(世界保健機関)でも、インフルエンザワクチンを優先的に妊婦さんに接種する様推奨しています。

接種した人に見られる副作用として・・・

  • 注射した部位が「腫れる」「熱を持つ」「赤くなる」「痛くなる」
    (10人に1〜2人くらいの程度で起こりますが、ほとんどは2〜3日で消失します)
  • 「発熱」「寒気」「頭痛」「倦怠感」
    (10人に1人くらいの程度)
  • まれにアナフィラキシーショックを起こすことがあります。

※これらは妊娠していない人でも起こる症状ですが、妊婦さんに起こりやすい副作用とまでは言えません。

インフルエンザワクチンは、妊娠の全期間において接種可能とされていますが、妊娠初期は自然流産の起こりやすい時期で、かつ赤ちゃんの発育にも大事な時期ですので、ワクチン接種に限らず事前に副作用のことも含めて医師に相談するのが良いでしょう。

妊娠中のインフルエンザワクチンの効果は?

残念ながらインフルエンザワクチンを接種しても、結果的に感染することはあります。
しかしながらインフルエンザは、稀に重症化し脳炎を起こす場合があるため、重症化を予防するためにも予防接種を推奨しています。
インフルエンザワクチンは、接種してから効果が表れるまでおよそ2週間かかると言われています。そしてその効果は5ヶ月ほど続きますので、流行する前に接種しておくことをお勧めしています。

少なくとも免疫力を落とさない・重篤化させないという点では十分効果があるとみてよいと思います。

予防接種を受けた方が良い妊婦の方へのアドバイス

家に小さなお子さんがいる方

小学校、保育園、幼稚園で感染する危険性は高いので、十分な予防をした方が良いでしょう。一緒にお家へ戻ったら、手洗い・うがいも併せて出来ると良いですね。

インフルエンザ患者に接する機会がある方

看護や介護の現場、クリニック・病院などで働いている方は一般の人より免疫力が高いと言われていますが、軽視してはいけません。十分な予防が必要です。

普段から風邪を引きやすく、長引いたり高熱が出たりしやすい方

定期的に風邪を引きやすい人や高熱を出す人は、そうでない人より免疫力が低いと推察されます。
普段の生活習慣の見直しや予防はもちろんですが、その対処法を医師とよく相談してください。

呼吸器系の疾患や糖尿病などの持病がある方

喘息などで咳が続くとそれだけで体力が消耗されてしまいます。
母子ともに影響が大きい上に、インフルエンザにかかると更にリスクが高くなります。
妊娠糖尿病の方は、一時的なものとはいえ妊娠中の高血糖状態は思いのほか赤ちゃんにも負担をかけています。発育不全や奇形、巨大児などが例としてあげられます。
インフルエンザにかかると更にリスクは上がります。

生活を共にしている家族に妊婦さんがいる方

どれだけ妊婦さんが自己ケアを一生懸命していても、外からの感染には勝てない場合があります。
一緒に住んでいるご家族が手洗いやうがいなど気を付けると共に、予防接種を受けていると妊婦さんは安心して生活が送れるため、母体にも良い影響になると考えられます。