妊娠後期とは、妊娠8ヶ月~10ヶ月(妊娠28~39週)のことを言います。
「妊娠末期」とも呼ばれ、出産も近い時期になります。

赤ちゃんは臓器の機能が充実して聴覚も発達し、新生児の姿に近づいてきます。
妊娠中期よりもお腹はますます大きくなり、張りを感じることも増え、胎児の動きも活発で胎動も強く感じます。
胎児の成長と共に子宮も大きくなるため、胃が押されたように感じる方も多いでしょう。

出産までもう少しです。
少しでも不安無く妊娠生活を送っていただけるよう、妊娠「後期」の過ごし方についてまとめましたので参考にしてください。

妊娠後期に見られる兆候

精神面

  • 赤ちゃんにもうすぐ会える喜びと出産に対する不安などから、気持ちが不安定になる。
  • イライラしたりちょっとしたことが気になり、ストレスを感じることが増える。

出産が近くなると「無気力になる」「涙が止まらない」「感情のコントロールが利かない」など、精神面で様々な兆候があらわれる場合があります。
初産の方も出産経験のある方も、この時期は出産を無事終えることができるのか不安や緊張感が高まるものです。

肉体面

  • ホルモンの分泌量が増えるため、眠気が増したり、便秘気味になる。
  • 身体が疲れやすく、熟睡できない。

妊娠すると、エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンが活発に分泌されます。
妊娠後期になるとこれらの分泌量がさらに増え、プロゲステロンの作用で強い眠気が引き起こされることもあります。

便秘が気になる方は、オリゴ糖を摂取することをおすすめいたします。
オリゴ糖は多くが天然成分から作られているので、妊娠中に口にしてもお腹の赤ちゃんに悪影響を与えることはありません。

また、お腹が大きくせり出すことで、日常の動作にもより不便さを感じてくるでしょう。
精神面と併せて全身に疲れが出やすくもなります。

妊娠後期に気を付けること

1.カフェインを多く含むコーヒーやお茶は控えましょう

カフェインを多く摂りすぎると、胃が荒れたり貧血を起こしやすくなります。
強度の貧血はお腹の赤ちゃんへの血流が悪くなり、胃が荒れてしまうと免疫力が低下してしまうため、様々な病気にかかりやすくなります。

1日1杯~2杯程度でしたら問題ありませんが、極力控えましょう。

2.身体を冷やさないよう注意しましょう

お腹の赤ちゃんを守るため、妊婦さんの免疫力は一定期間低下します。
免疫力が低下して身体が冷えると、胎児に栄養が行き渡りにくくなり、早産や死産につながる危険性が上がります。

赤ちゃんは温かいところを求めて動き回る習性があるため、身体を冷やし過ぎると逆子になるリスクも上がりますので、注意しましょう。

3.長時間の運転は控えましょう

お腹が大きくなると、どうしても運転がしづらくなります。
そして、同じ姿勢をキープすると腹圧がかかりやすく、早産の原因になる可能性があります。

また、ホルモンのバランスが崩れやすくなっているため、急な眠気を催すことも考えられますので、運転が必要な場合は家族や知り合いにお願いするか、タクシーやバスなどを利用するようにしてください。

どうしてもご自身で運転する必要がある場合は、長時間の運転は避け、夜間ではなく日中に運転するようにして、極力体に負担を掛けないように心掛けてください。

4.アルコールは控えましょう

妊娠中の飲酒は、胎児の発達の遅れや中枢神経障害を引き起こす原因につながり、「胎児性アルコール症候群」の発症リスクが高まるとも言われているため、基本的に飲酒(アルコール摂取)は控えましょう。

妊娠後期にやっておくべきこと

1.入院生活品の準備

いつ入院しても大丈夫なように、パジャマや下着、退院時の赤ちゃんの服、その他病院から案内のある入院生活に必要なものを一つにまとめて、バッグなどを含めて準備しておきましょう。

2.出産後の申請に必要な書類の確認

出産後の申請・提出書類はたくさんありますが、その中でも以下の5つはすべての方が必ず申請する必要があります。
出生届は、産後14日以内に役所・役場に提出しなければなりませんので、各申請に必要な書類や申請方法を事前に確認しておきましょう。

  • 出生届(出産をする施設で発行します)
  • 乳幼児医療費助成
  • 健康保険への加入
  • 児童手当
  • 出産育児一時金(直接支払制度を利用しない場合は、ご自身での手続きが必要です)