コラム:妊娠中の便秘を薬に頼らずに解消するには?

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数日間排便がなく、お腹の張りや肌荒れで悩む方は多いものです。特に女性は体の構造上、男性より便秘になりやすいといわれていますが、妊娠中はさらに悪化することがあります。
妊娠中は薬の服用をはじめとする様々な行動が制限されるため、どのような方法で便秘を解消したらよいのか頭を悩ませている妊婦さんも多いのではないでしょうか?

ここでは、薬に頼らず妊娠中の便秘を解消する方法をいくつか解説しますので、体調が許す範囲で少しずつ実践してみましょう。

便秘の悩み、女性に多いのはなぜ?

本来、毎日きちんと食事をとっていれば便は自然に排出されますが、体質や日々の生活習慣、体調などにより、今まで排便に問題がなかった場合でも急に便秘になってしまうことがあります。
さらに、女性は次のような理由から男性より便秘になりやすいといわれています。

男性と比べて腹筋が弱い

腹筋は腸の中の便を動かすためには必要不可欠な要素です。したがって、快便にするにはある程度の腹筋量と強度が必要になりますが、一般的に、女性は男性に比べてこれらが少ない傾向にあるため、便秘になりやすいといわれています。

食べる量が少ない

今も昔も美容のためにダイエットに励む女性は多いですが、食事の量が少ないと腸の蠕動(ぜんどう)運動が起きづらくなるため、便が排出されにくくなってしまいます。
もちろん、野菜、肉や魚のたんぱく質、主食の種類や量など食事の内容も排便の頻度や量に影響します。

女性ホルモンが腸の動きを抑制

女性の卵巣からは女性ホルモンが分泌されますが、この女性ホルモンは腸の蠕動運動を抑制する作用があります。女性ホルモンの分泌量は月経前に増えますが、月経前の便秘を経験する女性が多いのはこのためです。
妊娠継続のために女性ホルモンの分泌量が通常時より増える妊娠中も、これと同様の理由で便秘になりやすくなります。

そのほかには、生活環境や仕事などによるお手洗いへ行く頻度の制限、精神的なストレスなども便秘の原因になることがあります。

妊娠中に分泌が増える女性ホルモンの大切な役割

上記の通り、妊娠中は女性ホルモンが多く分泌されるため便秘になりやすく、妊娠初期からお腹の張りが気になる妊婦さんもいらっしゃいます。

しかし、妊娠が継続している限り便秘の原因である女性ホルモンを減らすことはできません。女性ホルモンが多く分泌されるそもそもの理由は、胎児を流産から守るために子宮の動きを抑える必要があるからで、妊娠中であればまずは多少の便秘は仕方がないと心に留めておきましょう。
また、非妊娠時に服用していた便秘薬で解消を試みようとする妊婦さんもいらっしゃいますが、妊娠中はどんな薬にも慎重になるべきで、基本的には医師の指導・処方のもとで服用することが基本です。

とはいうものの、便秘が続けばストレスは溜まる一方で、これでは赤ちゃんのためにもよくありません。
次に解説する方法は便秘薬ほど短時間で効果が出るものではありませんが、妊婦さんでも比較的安全に行えるものなので、ぜひ参考になさってください。

妊娠中の便秘を薬に頼らず解消する方法

適度な運動をする

「久しぶりに長めの散歩にでかけたらトイレに行きたくなった」というような体験がある方は多いことでしょう。
適度な運動は腸の動きを活性化させてくれます。つわりで起き上がるのもつらい、といった状況でなければ、ウォーキングを生活習慣に取り入れることも便秘の解消につながります。ただし、医師から安静の指示が出ている場合は控えましょう。

食事内容を見直す

食事の内容は妊娠中・非妊娠時を問わず排便に影響します。食物繊維は排便をスムーズにしてくれることで有名ですが、妊娠中も同じです。食物繊維を豊富に含む野菜やフルーツをなるべく食事の中に取り入れて、健康的に便秘を解消しましょう。
サツマイモ、きのこ、玄米、豆類、ごぼう、バナナ、グレープフルーツ、みかんなどは食物繊維を多く含んでいます。
このほか、腸内の細菌バランスを整える働きがあるオリゴ糖やヨーグルトを食事に組み込むことも有効です。

規則正しい生活を心がける

規則正しい生活は排便をつかさどる自律神経を整えることにつながります。つわりや体の急激な変化で生活リズムが崩れがちになっても、少しずつでいいので規則正しい生活に戻すようにしましょう。

ストレスケアをする

ストレスによる自律神経の乱れは排便に大きな影響を与えます。妊婦さんは体調の変化や出産への不安、家事や仕事でのプレッシャーなど多くのストレスに晒されがちなので、いつも以上にストレスケアが重要になります。
自由に好きなことをする時間を設けたり、恐怖や不安などの正直な気持ちを信頼できる人に話してみたりして、ストレスがたまらないようにしましょう。また、軽い運動もストレス緩和が期待できます。

便秘の解消は普段からの生活習慣が鍵

妊娠中の便秘を解消するには、実は運動や食事など、普段からの生活習慣に気をつけることが一番の近道であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
「いつも便秘薬が手放せなかった」という方も妊娠を機に、生活習慣の見直しから便秘解消を目指してみましょう。

しかしながら、自分なりに改善を試みても便秘の状態が続くことがあります。そんなときは無理をせず、医師の診察を受けてください。

当院でも、妊娠中の便秘に関するアドバイスや指導を行なっていますので、ぜひお気軽にご相談ください。