婦人科用語集

婦人科で耳にする用語を解説しています。

単語 意味・解説
プロゲステロン プロゲステロン(黄体ホルモン)は女性ホルモンの一種です。妊娠の準備をするために子宮内膜をやわらかくして整えたり、基礎体温を上げるはたらきがあります。
エストロゲン エストロゲン(卵胞ホルモン)は、卵巣から分泌される女性ホルモンです。乳房や子宮などの発育を促し、女性らしいからだを作る役割を持ったホルモンです。また、生理にも密接に関わっています。
おりもの おりものは、膣から出る酸性の分泌物です。ねばり気があり、膣の中をおりもので潤すことによって子宮の粘膜を守ったり、汚れを排出したりするほかに、妊娠しやすい状態を作る役目があります。
不正出血 不正出血は、月経(生理)以外のときに性器が出血する症状のことをいいます。なんらかの病気が原因になっていることもありますので、自己判断せず婦人科に相談しましょう。
月経不順 通常30日前後のサイクルで繰り返される月経(生理)の周期が崩れている状態を月経不順(生理不順)といいます。主に日頃のストレスの影響を受けやすい卵巣ホルモンの分泌の乱れが原因となります。
カンジダ膣炎 カンジダ膣炎は、カンジダ・アルビカンスという真菌(カビ)の一種が原因となって発症します。普段から体の至る所に存在している常在菌ですが、体調不良などが重なると膣内で異常繁殖し、強いかゆみなどを起こすことがあります。
PMS 月経(生理)前になると頭痛や腹痛、イライラするなどの症状が起こり、日常生活に支障をきたすことをPMS(生理前症候群)といいます。女性ホルモンの影響で症状が起こる場合があります。
子宮筋腫 子宮筋腫とは、子宮内にできる良性の腫瘍です。小さなものを含めると成人女性の4人に1人が持っているといわれています。悪性の腫瘍ではありませんが、大きくなると痛みや貧血などの症状の原因となります。
子宮線筋症 子宮線筋症は、本来は子宮の内側にある子宮内膜が筋層内に入り込む病気です。子宮内膜が筋層内に入り込むと子宮全体が大きくなり、月経(生理)時に強い痛みや貧血を起こすことがあります。
子宮内膜症 子宮内膜症は、本来は子宮の内側にある子宮内膜が、子宮の内側以外のところにできてしまう病気です。子宮内膜と同じように女性ホルモンの影響を受けて、月経(生理)と同じサイクルで痛みや出血が起こります。
卵巣腫瘍・
卵巣嚢腫
卵巣腫瘍とは、卵巣に腫瘍が発生した状態のことをいいます。腫瘍は悪性と良性に分けられ、悪性の場合は卵巣がんとなります。一方、卵巣嚢腫は良性に分類され、良性腫瘍の中でも比較的生じやすいとされています。
トリコモナス
膣炎
トリコモナス膣炎とは、膣トリコモナスという原虫が膣内で感染して起こる病気です。性行為による感染がほとんどといわれていますが、浴場やプールでも感染することがあります。
子宮頸がん 子宮頸がんとは、子宮の入り口付近にヒトパピローマ(HPV)というウイルスが感染してできるがんです。最近では20代後半〜30代の女性の発症率が増加傾向にあり、定期的な検診が大切です。
子宮体がん 子宮体がんとは、別名で子宮内膜がんとも呼ばれ、女性ホルモンの影響を受けて子宮の内膜にできるがんです。子宮体がんの症状は、月経とは無関係な不正出血が最も多く見られ、早めに婦人科を受診することが大切です。
乳がん 乳がんとは、乳房にできる悪性の腫瘍です。母乳を乳頭まで運ぶ「乳管」と呼ばれる管にがんが発生します。近年は女性がかかりやすいがんの1位になっています。若くしてかかる方も多く、30歳代以降はさらに増加する傾向にありますので定期的な検診をおすすめします。
多嚢胞性
卵巣症候群
多嚢胞性卵巣症候群とは女性ホルモンのバランスが崩れ、卵巣にたくさんの卵胞が詰まり排卵しにくくなる病気です。主な症状には無月経、月経不順、にきび、多毛、肥満などがあります。また、不妊の原因になることがあります。
淋菌感染症 淋菌感染症とは、主に性交渉によって淋菌という病原菌に感染して起こる病気です。男性に比べて女性は無症状な場合が多いといわれていますが、おりものに異常が見られたり下腹部痛を起こすことがあります。
梅毒 梅毒とは、梅毒トレポネーマという病原菌による感染症です。主に性交渉によって感染し、全身に症状が現れます。特に20代女性の患者さんが多く、妊娠・出産時に子供に感染することもあるため注意が必要です。
性器クラミジア 性器クラミジアは、クラミジア・トラコマチスという細菌によって発症する性感染症です。性交渉によって起こる性感染症の原因の半数を占めるといわれ、特に10代〜20代の男女に多く見られることが特徴です。
性器ヘルペス 性器ヘルペスは、性器に単純ヘルペスウイルスが感染して起こる性感染症です。主に性交渉が原因となり、性器や周辺部に水疱やただれができます。また、ヘルペスは再発を繰り返すことが大きな特徴です。
尖型コンジローマ 尖型コンジローマは、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスが原因となって起こる性感染症です。主に性交渉によって感染し、性器や肛門のまわりにイボ状のできものができて痛みや痒みを感じることがあります。
B型肝炎 B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)というDNA型ウイルスが肝臓に感染して炎症が起こる病気です。肝炎が持続すると、肝硬変や肝臓がんを起こす原因となることがあります。現在、全世界で約4億人が感染しているといわれています。
C型肝炎 C型肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって起こる肝臓の病気です。感染していると肝硬変や肝臓がんの原因となる場合がありますが、自覚症状がないまま病気が進むことが多いため定期的な検査が必要です。
HIV(エイズ) HIV(エイズ)とは、主に性交渉によってヒト型免疫不全ウイルスが免疫細胞に感染し、後天性免疫不全症候群という体の免疫力が低下する疾患を起こす性感染症です。免疫力が低下することで普段は感染しない病原体にも感染し、さまざまな病気を引き起こす恐れがあります。
膣トリコモナス症 膣トリコモナス症とは、膣トリコモナスという原虫が性器に感染して起こる性感染症です。ほとんどが性交渉によって感染し膣内で炎症を起こして痒みや痛みを感じたり、生臭いおりものが出るなどの症状が生じることがあります。
毛じらみ 毛じらみとは、吸血昆虫であるシラミの一種が陰毛に寄生することによって痒みを起こす性感染症です。性交渉が感染の原因となる場合が多く、陰部を清潔にしてシラミ駆除に効果がある医薬品を用いて治療します。
黄体期 黄体期とは、排卵後から次の月経まで時期のことを指します。黄体期はプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が活発になり、個人差がありますが心身にさまざまな不快な症状があらわれることがあります。ストレスを感じやすい時期ですので、無理せずリラックスして過ごすことが大切です。
ピル(経口避妊薬) ピル(経口避妊薬)とは、主に避妊に用いられる女性ホルモン剤です。黄体ホルモンと卵胞ホルモンが含まれており、排卵を抑制するなどの効果があります。きちんと服用することで高い避妊効果を発揮します。
チョコレート嚢胞 チョコレート嚢胞とは、子宮以外の箇所に子宮内膜組織が存在する「子宮内膜症」によって卵巣の中に古い血液がたまってできたものを指します。稀にガン化する恐れがありますので、定期的な検査が必要です。
無月経 無月経とは月経(生理)がない状態のこといいます。一般的に3ヶ月以上月経がない状態を指し、妊娠や授乳などの理由で起こる場合は問題ありませんが、ストレスや無理なダイエット、または何らかの病気が原因となっている場合がありますので、早めに検査を行なうことをオススメします。
無排卵症 無排卵症とは、通常およそ1ヶ月に1回行われる排卵が起こらない状態のこと指します。あらゆるホルモン障害やホルモン分泌の異常で無排卵症になることがあり、原因は多岐に渡りますが、不妊の原因にもなるため早めのケアが必要です。
無排卵性月経 無排卵性月経とは、月経(生理)があっても排卵が起こっていない状態を指します。主にストレスが原因となることが多く、月経時の出血の量が少ない・月経がだらだらと長く続くなどの症状がみられます。症状が長引くと妊娠がうまくいかなくなる原因にもなりますので注意が必要です。
月経困難症 月経困難症とは、日常生活に支障をきたすほどの強い月経痛が起こる状態を指します。症状は痛みだけでなく、頭痛や嘔吐、下痢などを伴うことがあります。症状が起こる原因により、2種類に分かれており、明らかな原因となる病気がある「器質性月経困難症」と明らかな原因がない「機能性月経困難症」があります。
機能性月経困難症 機能性月経困難症は子宮や卵巣に異常がなく、ストレスなどが原因となって強い月経痛が起こる症状です。一般的には思春期に多いとされており、加齢と共に症状も軽くなっていくといわれています。
器質性月経困難症 器質性月経困難症は、子宮や卵巣の病気などなんらかの異常が原因となって強い月経痛が起こる症状です。主に子宮内膜症や子宮筋腫などにかかっている場合が多く、不妊症の原因にもなりますので早めの治療が必要です。
ヒトパピローマウイルス ヒトパピローマウイルスは約200種類以上もの型があるウイルスとして知られており、ほとんどの大人が感染しているといわれています。そのうちのいくつかの種類が主に性交渉によって感染し、子宮頸がんなどの原因となる「HPV(ヒトパピローマウイルス)感染症」という性感染症を引き起こす恐れがあります。
HPV感染症 HPV(ヒトパピローマウイルス)感染症とは、ヒトパピローマウイルスが感染した部位によって子宮頸がんや腟がん、肛門がんなどのがんや尖形コンジローマなどを引き起こす恐れがある性感染症です。ほとんどの人は感染しても自然とウイルスが消えていきますが、日頃から定期的な検診や子宮頸がんの予防接種を受けておくことが大切です。
マンモグラフィ マンモグラフィは乳房専用のレントゲン装置です。マンモグラフィ検査によって通常の診察では分からない乳がんの初期症状などを画像で捉えることができます。乳がんの早期発見に欠かせない検査ですので、定期的に検診を受けるようにしましょう。
月経(生理)痛 月経(生理)痛とは、子宮内膜が剥がれ落ち出血をともなって体外へ排出される月経(生理)中に起こる痛みのことをいいます。痛みの程度や症状には個人差がありますので、日常生活に支障をきたす場合は医師の診察を受けましょう。
クラミジア感染症 クラミジア感染症とは、クラミジア・トラコマチスという細菌によって起こる性感染症です。主に性行為によって感染し、性交時や排尿時に痛みを感じたり、不正出血などが起こることがあります。最も感染することが多い性感染症ともいわれており、不妊症などに繋がる恐れもあるため注意が必要です。
がん検診 婦人科で行なわれるがん検診は、子宮がん・卵巣がんが主体で、施設によっては乳がんも行ないます。がんは早期発見できれば治る可能性も高い病気ですが、自覚症状がほとんどないものもありますので、1年に1度は必ず検診を受けるようにしましょう。
性感染症 性感染症とは、性行為などによって感染する病気です。主にクラミジアやヘルペス、HIVなどが挙げられ、必ずしも自覚症状があるとは限らない病気に感染している場合もあります。妊娠中に感染すると赤ちゃんへ影響が出ることもありますので、正しい知識を持って早期発見することが大切です。
不妊症 不妊症とは、一般的に妊娠を望むカップルが避妊をせずに1年以上にわたって性生活を営んでも妊娠が成立しない症状です。生殖機能に何らかの原因があることが考えられますが、加齢などが原因となって起こることもあり、近年の晩婚化にともない不妊に悩む方が増加しています。
不妊治療 不妊治療とは、なんらかの理由により自然妊娠に至らない不妊症を改善するための治療です。不妊治療は一般的にはタイミング法、人工授精、体外受精の3種類の治療法があり、検査を行ないながら治療に取り組んでいきます。
アッシャーマン症候群 アッシャーマン症候群は子宮内膜が炎症を起こして子宮内の組織同士がくっついてしまう状態(癒着)のことをいいます。分娩後の処置や帝王切開など子宮に対する手術が原因となって起こることがあります。子宮内が癒着すると不妊の原因にもなるため早期の治療が大切です。
偽妊娠療法 偽妊娠療法とは、低用量ピルを服用し体を妊娠時と同じホルモン状態にすることで月経痛などの症状を改善させる治療法です。低用量ピルは副作用が少ないことで知られていますが、全く起こらないわけではありませんので医師の指示に従って正しく服用しましょう。
月経前緊張症 月経前緊張症(月経前症候群)は、月経が始まる3〜10日ほど前から起こる頭痛や腹痛、イライラ、めまい、食欲不振、倦怠感などの様々な不快症状のことです。排卵後の女性ホルモンの変化が関係していると考えられており、月経開始とともに症状は治まるのが特徴です。
原発性不妊 原発性不妊とは、正常な性生活を営んでいるにも関わらず1年以上妊娠が成立しない不妊症のうち、過去に一度も妊娠したことがない場合のことをいいます。男女どちらかの生殖機能に何らかの問題があることが考えられ、10組のカップルのうち1組の割合で起こることがあります。
続発性不妊 続発性不妊は、正常な性生活を営んでいるにも関わらず1年以上妊娠が成立しない不妊症のうち、過去に一度以上妊娠もしくは出産経験がある方が、その後妊娠しない状態になった場合のことをいいます。二人目不妊とも呼ばれ、第一子出産後に何らかの原因によって不妊となるケースが多くみられます。
原発性無月経 原発性無月経とは、通常はおよそ15歳くらいまでには迎える初めての月経が満18歳を過ぎても起こらない状態を指します。原因には遺伝的な要因をはじめ、ホルモンや性器などになんらかの問題がある場合が考えられますので、16歳になっても無月経ならば早めに婦人科に相談するようにしましょう。
外陰炎 外陰炎とは、腟の入り口周辺(いわゆる外陰部)に炎症が起き、痛みやかゆみが出てきてしまう状態のことを指します。炎症が起きる原因には下着や生理用品との皮膚の摩擦のほか、クラミジアや淋菌といった性感染症によることもあります。慢性化すると皮膚が厚くなったり変色したりする上、かゆみも続いてしまいます。
細菌性腟炎 細菌性腟炎とは、大腸菌やブドウ球菌など腟内にある常在菌が増えて、おりものから異臭がしたり、外陰部にかゆみが出たりする症状のことを指します。原因は過労やストレス、不規則な生活で体の抵抗力が落ち、本来備わっている腟の自浄作用力が低下してしまうことなどが挙げられます。
子宮頸管炎 子宮頸管炎とは、子宮頸部に炎症が起きる症状のことを指します。原因は大腸菌、クラミジア、梅毒、淋菌などの細菌やヒトパピローマウイルスなどへの感染、または加齢による萎縮や物理的な刺激など様々です。症状はおりものの増加など比較的軽微であるため自覚症状が乏しく、子宮上部に進行するまで気付かないことがあります。クラミジアなどによる感染性の子宮頸管炎は、治療せずにいると不妊の原因となるので注意が必要です。
骨盤腹膜炎 骨盤腹膜炎とは、骨盤内にある臓器を覆っている膜(腹膜)に炎症が起き、発熱や吐き気、激しい腹痛などの症状が現れる状態のことを指します。原因は大腸菌、ブドウ球菌、淋菌などへの感染ですが、最近はクラミジアが原因であることが多くなっています。これは若い女性にクラミジアの罹患者が多いことが背景にあります。
子宮内膜炎 子宮内膜炎とは、子宮内部を覆っている子宮内膜に炎症が起きてしまう症状のことを指します。原因は大腸菌、ブドウ球菌などの一般細菌のほか、淋菌やクラミジアといった性感染症への感染など様々です。発症すると腹痛、発熱、吐き気、不正出血、排尿痛などの症状が現れます。
子宮頸管ポリープ 子宮頸管ポリープとは、子宮頸管の細胞が増殖し、イボのような隆起(ふくらみ)ができている状態のことを指します。原因は物理的な刺激や女性ホルモンが影響しているといわれていますが、はっきりとしたことはわかっていません。時に不正出血の原因となる場合もあります。
子宮腺筋症 子宮腺筋症とは、子宮内膜症の一種で、子宮筋層の中に子宮内膜と似たような組織が増殖してしまう症状のことを指します。主な症状には痛みの強い生理痛、経血の過多、貧血などが挙げられます。子宮筋層内で組織の増殖が繰り返されるため筋層が厚くなり、これに伴って子宮も大きくなる傾向が見られます。
子宮膣部びらん 子宮膣部びらんとは、子宮の入り口あたりが赤くただれたように見える状態のことを指します。原因は生理用品や避妊具などによる物理的刺激ですが、実際にただれていることは少なく、治療の必要がない場合がほとんどです。
絨毛がん 絨毛がんとは、子宮内部の壁にある突起(絨毛)に生じるがんのことを指します。絨毛がんの多くは、胞状奇胎(子宮内で受精卵が異常増殖する)になったことを機に発生し、転移しやすいのが特徴です。非常に稀ながんで、症状としては不正出血、腹痛などが挙げられますが、時に咳や頭痛といった症状もあります。
子宮脱 子宮脱とは、子宮の一部または全部が膣口から露出してしまう状態のことを指します。原因は子宮を支える筋肉の衰えで、子宮脱の状態になると下腹部に違和感や排尿困難などの症状が現れます。膣口まで下がった子宮は自然に元の位置に戻ることはないため、何らかの処置が必要になります。
子宮内膜 子宮内膜とは、子宮内部を覆っている上皮組織のことをいい、受精卵がこの子宮内膜に着床することで妊娠が成立します。性成熟期の女性であれば、毎月の生理の際に古い子宮内膜が剥がれ落ちて経血と一緒に外に排出され、新しい子宮内膜が作られます。
子宮内膜増殖症 子宮内膜増殖症とは、子宮内膜が増えて厚くなってしまう病気です。生理の際に出血量が多くなり、人によっては黒っぽい血の塊が出ることがあります。原因はホルモンバランスの乱れによって古い子宮内膜が剥がれ落ちず、蓄積してしまうことにありますが、月経不順や肥満、糖尿病も子宮内膜の増殖を招く原因になります。また、異型子宮内膜増殖症は、子宮体癌の初期と判断されています。
フィッツ・ヒュー・カーティス症候群 フィッツ・ヒュー・カーティス症候群とは、女性器から入った何らかの病原体が腹部にまで到達し、骨盤腹膜炎や肝周囲炎などを発症するものをいいます。主な症状は腹痛で、若い女性が性感染症であるクラミジアや淋菌に感染して発症することが多く、治療せずに放置すると不妊の原因になることがあります。
膣欠損 膣欠損とは、膣の一部または全部が先天的に欠損していることをいい、人によっては子宮も欠損していることがあります。思春期に生理痛らしき腹痛があるにもかかわらず、出血しない(生理がない)といった理由で婦人科を受診して判明することが多く、正常な状態にするためには造腟手術が必要になります。
子宮頸部異形成 子宮頸部異形成とは、正常組織と子宮頸がんの初期癌の間にある病態のことをいい、軽度・中等度・高度に分類されます。子宮頸がん検査で子宮頸部の細胞に病変が認められたことで判明しますが、全てががんに進行するわけではないため、高度のもの以外はその後は定期的な経過観察となることが多いです。
卵巣嚢腫茎捻転 卵巣嚢腫茎捻転とは、嚢腫で卵巣が重くなったことで卵巣と子宮をつないでいる部分(茎)がねじれ、激しい腹痛を引き起こしてしまう病気です。茎がねじれることで卵巣に血液が行き届かなくなり、卵巣が壊死してしまうこともあるため、卵巣嚢腫茎捻転が疑われる場合は早急に治療(手術)する必要があります。
前がん病変 前がん病変とは、本格的にがんに進行する手前の状態のことをいい、子宮頸部高度異形成(子宮頸部異形成の中でも異形成が最も進んでいる状態)などはこれに該当します。前がん病変が認められた場合は早い段階で何らかの処置を行い、がんへの進行を防ぐことが大切です。
子宮後屈 子宮後屈とは、子宮が後方に傾いた状態になっていることをいいます。通常、子宮は前方(腹部側)に向いていますが、子宮内膜症や骨盤内腹膜炎といった病気のほか、妊娠・出産が原因で子宮後転となることがあり、腰痛や性交痛などを引き起こすことがあります。
卵巣出血 卵巣出血とは、何らかの刺激により卵巣から出血することをいいます。排卵期に見られる排卵出血はこの代表的な例ですが、なかには子宮内膜症や性交渉が出血の引き金となっているものもあります。
腟がん 腟がんとは、腟にできるがんのことをいいます。がんの中でも発症する確率が極めて少ないものですが、進行すれば肺や骨に転移することは他のがんと変わりありません。一般的には高年齢に差し掛かる層の女性に見られ、主な症状は性器からの出血や下腹部痛などです。腟がんは腟の内側の表面内膜にできるものと腺組織にできるものに大別されます。
腹膜偽粘液腫 腹膜偽粘液腫とは、腹部で粘液を出す腫瘍細胞が増殖し、腹腔内に多量の粘液が溜まってしまう病気です。原因となる腫瘍細胞は卵巣や虫垂から腹腔に散らばることが多く、女性に多く発症する傾向が見られます。悪性腫瘍の一つであり、溜まった粘液で他の臓器を圧迫して重篤な状態を引き起こすことがあります。発症は100万人に1人という希少な病気であり、発症原因やメカニズムは解明されていません。
卵管水腫 卵管水腫とは、卵管に炎症が起こって卵管の先端が閉塞し、血液や膿などの分泌液が溜まってしまう病気です。卵管が閉じて卵子と精子が出会うことができないため不妊の原因になります。炎症が起きてしまう主な原因には細菌感染や手術などが挙げられますが、最近ではクラミジア感染症が原因となっていることが多く、赤ちゃんを望む場合は男女ともに出来れば感染しないように注意する必要があります。
ペッサリー ペッサリーとは、腟に挿入して使用する医療器具のことをいいます。昔は避妊目的で使用されることも多かったですが、現在では性器脱の治療として使われることがほとんどです。装着し続けると腟の粘膜が傷ついたり、感染症による炎症を引き起こしてしまう可能性があるため、遅くとも1年に1回は交換する必要があります。
鎖陰 鎖陰(さいん)とは、腟や子宮頸管が閉じていることをいい、性器閉鎖症との呼び方もあります。鎖陰の状態のままでは生理時に経血が排出できないため、生理痛らしき腹痛があるにもかかわらず生理が来ないと思い婦人科を診察し、そこで初めて鎖陰だと判明することがあります。
腟中隔 腟中隔(ちつちゅうかく)とは、腟内を縦二つに隔てるような壁ができている状態をいいます。通常は腟内を見る機会がほとんどないため婦人科検診や妊婦検診を機に初めて壁の存在を知ることもあります。治療には壁を手術で除去する方法がありますが、日常生活で特段不便を感じなければ無理に治療をする必要はなく、状況によっては経過観察だけで済むこともあります。
子宮鏡検査 子宮鏡検査とは、子宮口から内視鏡を入れて子宮内部を観察する検査のことをいいます。一般的に痛みは少ないですが状況によっては静脈麻酔が使われる場合もあり、人それぞれ個人差があります。子宮鏡検査は子宮内の異常や不妊などが疑われる場合に医師からすすめられることがあります。
膀胱瘤 膀胱瘤とは、骨盤底筋が出産や加齢で衰えたことで膀胱の位置が下がり、腟から飛び出してしまうことをいいます。治療法には手術や腟内医療器具の使用などがありますが、普段から骨盤底筋が衰えないようにトレーニングすることも効果的です。なお、膀胱瘤は高齢の方だけではなく、出産経験がある比較的若い女性にも見られます。
月経前不快気分障害(PMDD) 月経前不快気分障害(PMDD)とは、生理2週間~1週間前あたりから現れる心身の不快な症状(月経前症候群、PMS)のうち、特に精神的な症状が強く出る症状のことをいいます。気力や集中力が落ちたり、不安や悲しみなどのマイナスの感情に支配されて激しく落ち込むなどの症状が強く出るのが特徴です。
子宮肉腫 子宮肉腫とは、子宮体部の筋肉や結合組織から発生する悪性腫瘍のことをいいます。好発年齢層は50代から60代で、子宮体部にできる悪性腫瘍の中ではそれほど多く見られる病気ではありません。しかし進行すると他の臓器に転移する可能性があるため、発見された場合は早期の治療が望まれます。主な症状は不正出血や下腹部痛、腹部の膨満感などですが、自覚症状が現れる頃には病気が進行していることが多いため注意が必要です。また、子宮筋腫との判別がつきにくいという特徴もあります。
早発閉経 早発閉経とは、比較的若い年齢で卵巣機能が低下することで、月経が止まってしまうことをいいます。具体的には43歳未満で月経が止まった女性がこれに該当しますが、なかには20代で閉経してしまう方もいらっしゃいます。原因は不明のことが多いです。 閉経している以上、そのままの状態では妊娠できませんが、ホルモン補充療法や排卵誘発剤などを使用する不妊治療で妊娠・出産が可能になることもあります。
筋層内筋腫 筋層内筋腫とは、子宮内の筋肉にできる筋腫のことをいいます。(子宮筋腫の一種) 子宮筋腫は腫瘍(こぶのようなもの)が子宮のどの辺りにできるかによって症状に違いがありますが、筋層内筋腫は子宮内の筋肉にできるため、大きさによっては不妊や経血量増加の原因になることがあります。しかし、小さいものであれば無症状であることも多いです。
漿膜下筋腫 漿膜下筋腫とは、子宮の外部にできる筋腫のことをいいます。(子宮筋腫の一種) 子宮筋腫は腫瘍(こぶのようなもの)が子宮のどの辺りにできるかによって症状に違いがありますが、漿膜下筋腫は子宮の外側にできるため、かなり大きくなるまでは症状が現れにくいという特徴があります。 しかし、腫瘍が子宮本体と茎でつながっている有茎漿膜下筋腫の場合は茎が捻じれて激しい腹痛や発熱が起き、緊急の手術が必要になることもあります。
粘膜下筋腫 粘膜下筋腫とは、子宮内膜の内側にできる筋腫のことをいいます。(子宮筋腫の一種) 子宮筋腫は腫瘍(こぶのようなもの)が子宮のどの辺りにできるかによって症状に違いがありますが、粘膜下筋腫は子宮の内部にできるため、小さい腫瘍でも月経量の増加や激しい生理痛、不妊の原因となることがあります。 また、子宮が腫瘍を異物とみなして排出しようとすると、腫瘍が子宮口から飛び出ることもあります。そして、粘膜下筋腫にも有茎のものがあり、茎が捻じれて激しい腹痛や発熱が起きることがあるため注意が必要です。
子宮筋炎 子宮筋炎とは、子宮壁の深部に該当する子宮筋層に炎症が生じてしまう病気のことをいいます。原因はブドウ球菌や淋菌、クラミジアなどの細菌感染で、帝王切開での出産や中絶手術、流産、性交渉がきっかけとなって感染・発症し、下腹部痛や発熱、おりものの増加などの症状が現れます。 炎症の程度によっては手術が必要になるほど重症化することもあるため、出産後や流産後など子宮に大きな負担がかかった後に異変を感じた場合はすみやかに医師の診察を受けましょう。
外陰がん 外陰がんとは、外陰部(腟の入り口付近)表面にできる皮膚がんのことをいいます。 発症すると外陰部にしこりや痒み、出血、皮膚が引きつる痛みなどの症状が現れ、進行すると鼠径リンパ節や骨盤リンパ節へ転移することがあります。 はっきりとした原因は判明していませんが、最近の研究でHPV(ヒトパピローマウイルス)との関連が指摘されています。
乳腺線維腺腫 乳腺線維腺腫とは乳腺(母乳を作る組織の総称)にできる良性の腫瘍の1つです。 10代~20代の若い女性に多く見られ、触ると動くしこりの感触があるのが特徴です。 腫瘍が大きくなっても特に症状がないようであれば経過観察で済むことが多いですが、乳腺線維腺腫は乳がんとの区別がつきにくいため、病院での検査で治療が必要なものか否かをはっきりさせておく必要があります。 なお、原因は明らかになっていないものの、ホルモンバランス崩れが大きく影響しているのではないかとの指摘があります。
バルトリン腺嚢胞 バルトリン腺嚢胞とは、何らかの原因でバルトリン腺(腟口の下両側にあるバルトリン腺液を出す器官)が詰まり、粘液が溜まってできたしこりがバルトリン腺の開口部に生じる病気です。 放置しても問題はありませんが、しこりが大きくなって歩く・座るといった動作に支障が出てきた場合は、しこり内部の粘液を吸引する治療をすすめられることがあります。
避妊リング 避妊リング(IUD)とは、子宮内部に装着する避妊器具です。避妊リングには銅イオンを放出させて妊娠を防ぐ「銅付加リング」や、黄体ホルモンを放出させて妊娠を防ぐ「黄体ホルモン付加リング」の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。 避妊リングは一度装着すれば数年間は避妊効果が持続する上、ピルのように服用し忘れる心配がないため、しばらくの間妊娠を望まない方には適している避妊方法と言えるでしょう。 また、「黄体ホルモン付加リング」は避妊効果も非常に高く、費用も長い目でみるとピルを継続するより安く済みますが、子宮に何らかの疾患を抱えている方や、子宮口が狭い方は装着が難しい場合もあります。
避妊インプラント 避妊インプラント(皮下インプラント)とは、妊娠を妨げる黄体ホルモンを放出する小さな棒を二の腕の皮膚下に埋め込む避妊法のことをいいます。 一度埋め込むと最長3年間避妊効果が持続する上、生理痛軽減の効果も期待できるため、欧米諸国を中心に妊娠をコントロールしたい女性たちから人気がありますが、日本では現在未認可です。
偽閉経療法 偽閉経療法とは、子宮内膜症や子宮筋腫の治療方法の一つです。これらの病気は女性ホルモンに長期間さらされることが原因となっているため、偽閉経療法では人工ホルモンを投与することによって女性ホルモンの分泌を抑えて(したがって生理が止まる)、症状の改善を目指します。 しかし、この治療法を行うと女性ホルモンが減少するため、「ほてり」や「のぼせ」といった更年期障害のような症状が副作用として現れることがあります。