産科用語集

産科で耳にする用語を解説しています。

単語 意味・解説
悪露 悪露(おろ)とは、出産後に子宮が元の状態に戻ろうとしている過程で排出される分泌物や出血のことを言います。 時間とともに徐々におさまっていきますが、出産後に必要な生理現象です。
悪阻 悪阻(つわり)は、妊娠初期に起こる吐き気や嘔吐、食欲不振などに代表される症状のことです。平均で妊娠5週目から6週目のころに始まり、妊娠4ヶ月ごろまでにはおさまるといわれています。
子宮口 子宮口は、妊娠中に赤ちゃんが過ごしている子宮の入り口で、腟につながっています。通常は閉じていますが、出産時には約10cmくらいまで開いて赤ちゃんが通れるようになります。
会陰切開 会陰とは、腟と肛門のあいだの部分を指します。会陰切開は、出産時に赤ちゃんの分娩がスムーズに進むように会陰を切開する処置です。出産時に会陰が裂傷してしまうのを避けるために行われることがあります(特に初めてのお産の時)。
切迫早産 早産となる可能性がある状態のことを切迫早産といいます。妊娠22週目から37週目ごろのあいだに、お腹が頻繁に張ったり、子宮口が開いてしまった状態を指します。
切迫流産 流産の恐れがある状態を切迫流産といいます。切迫流産は、妊娠を継続できる可能性があることが流産とは異なる点です。切迫流産の状態の時は、体を安静にすることが大切です。
帝王切開 帝王切開(カイザー)とは、赤ちゃんかお母さんに何らかの問題が生じて、通常の出産が難しいと判断された場合に、お腹と子宮を切開して赤ちゃんを取り出す手術のことをいいます。
羊水 妊娠すると女性の身体には子宮内に「卵膜」という赤ちゃんを包み込む袋の形をした空間ができます。この卵膜内を満たしている液体成分を羊水といいます。
羊水検査 羊水検査は、出生前診断のひとつです。子宮内の羊水を採取して調べることで、赤ちゃんの染色体や遺伝子情報に異常があるか診断することができます。
NST NST(ノンストレステスト)は、陣痛などのストレスがない状態で赤ちゃんの心拍数やお母さんの子宮収縮具合を調べることで、赤ちゃんが元気かどうか調べます。
人工授精 人工授精(AIH)とは、採取した精液を洗浄濃縮して妊娠しやすい時期に子宮内へ直接注入する方法です。人工的に行なうのは精液を子宮内に注入することだけで、その後は自然妊娠と同じ過程です。
体外受精 体外受精は、女性の卵子を卵巣から採取し、体外でパートナーの精子と受精させる方法です。その後、受精卵を子宮に戻して妊娠の開始を期待します。
出生前診断 出生前診断は、赤ちゃんが生まれる前に病気や奇形などの異常がないかどうかを調べる検査のことをいいます。赤ちゃんの健康状態を早く把握できることで、出産後の生育環境などを準備しておくことができます。
新型
出生前診断
新型出生前診断(NIPT)は、妊婦さんの血液を採取し、血液中に含まれる赤ちゃんのDNAを分析することで異常がないか調べる検査です。主にダウン症などの疾患がないか調べることができますが、検査可能な施設は限られます。
超音波
マーカー検査
超音波マーカー検査とは、妊娠初期に胎児のダウン症やその他の疾患のリスクを、超音波による計測で推定する検査です。
分娩 分娩とは、胎児が母体から完全に排出・娩出されて、妊娠を終了することをいいます。一般的には「出産」ともいわれますが、医療用語では分娩といいます。
胎嚢 胎嚢は、妊娠初期に子宮の中に赤ちゃんを包む袋のことです。受精卵が着床すると胎嚢が作られ、中は羊水で満たされています。一般的に妊娠4週目〜5週目にかけて検査で確認することができます。
新生児黄疸 新生児黄疸とは、生まれたばかりの赤ちゃんの肌や白目などが黄色く見える状態を「黄疸」といいます。赤ちゃんによくみられる症候の1つで、生後1〜2週間でだんだんなくなっていきます。
陣痛誘発 陣痛誘発とは、自然に陣痛が起こる前に人為的に誘発させることをいいます。お母さんや赤ちゃんにとって、分娩を安全に終了させるために必要と判断した場合に実施することがあります。
子宮底長測定 子宮底長とは、子宮の底部から上端までの長さのことを指します。
子宮底長を測定し、妊娠中の子宮がどれくらい膨らんでいるかを数値で表すことによって、胎児の発育状況や羊水の量、順調に妊娠が進んでいるかどうかのおおよその目安を知ることができます。
経腹超音波検査 経腹超音波検査とは、超音波を発するプローブと呼ばれる器具をお腹の上に当てて子宮や胎児の様子を確認する方法です。主に妊娠中期以降に行なわれることが多い検査です。
経産婦 過去に分娩を経験している女性を経産婦といいます。
経産婦は初めて出産を経験する初産婦に比べて産道が広がりやすい場合があり、お産にかかる時間が短くなることが多いといわれています。
初産婦 初めて出産を経験する女性を初産婦(しょさんぷ)といいます。前回の出産が妊娠22週未満の場合、流産も初産婦として扱います。
NICU 新生児集中治療室をNICU(Neonatal Intensive Care Unit)といいます。出産日より早く産まれてしまった早産児や、出産時に少し小さく生まれてしまった低出生体重児、または何らかの疾患や症状がある赤ちゃんを集中的に管理し治療する場所です。
経膣分娩 赤ちゃんが産道を通って膣から生まれてくることを経膣分娩といいます。
経膣分娩の中には、可能な限り医療介入をせず全く自然に産まれる自然分娩や、医療処置が必要な分娩(吸引分娩、鉗子分娩など)があります。
前置胎盤 前置胎盤とは、胎児の栄養補給などを行なう胎盤が通常よりも低い位置にあり、子宮口を塞いでしまっている状態のことをいいます。
前置胎盤の場合は、赤ちゃんが産道を通って膣から生まれる自然分娩はまず不可能です。
破水 妊娠中は赤ちゃんと羊水が子宮内の卵膜という袋に包まれており、陣痛が始まって卵膜が破れて羊水が子宮口から漏れ出てくることを破水といいます。陣痛が始まる前に破水することもあります。
自然流産 自然流産とは、何らかの原因で妊娠が22週目未満で自然に終了してしまうことをいいます。特に妊娠12週目までに起こることがある早期流産のほとんどが自然流産で、誰にでも起こる可能性があります。
妊娠高血圧症候群 妊娠高血圧症候群(かつては妊娠中毒症という病名でした)とは、妊娠20週以降から出産後12週までの期間に高血圧または高血圧にともなう蛋白尿が見られる症状のことをいいます。お母さんだけでなくお腹の赤ちゃんにも悪影響を与えることがありますので、定期検診はしっかりと行ないましょう。
さい帯血 さい帯血はお母さんと赤ちゃんを繋ぐさい帯(へその緒)の中を流れている血液です。さい帯血には体に必要な細胞を作り出す「造血幹細胞」が多く含まれており、近年は白血病や再生不良性貧血など血液の病気の治療に応用されています。
吸引分娩 吸引分娩とは、胎児の頭にシリコンもしくは金属製のカップをつけ、吸引圧をかけて身体全体を引っ張ることで胎児を引き出す方法です。分娩を自然に進めることが難しい状況となったときの緊急処置として行なわれることがあります。
妊婦健診 妊婦健診とは、妊娠した方が出産までのあいだに定期的に受けることを推奨されている健康診断です。健診を受けて、お母さんの健康状態や赤ちゃんの発育状態をチェックすることで問題の早期発見につながります。
妊娠初期 妊娠初期とは、妊娠したことが判明する時期である妊娠2ヶ月目から4ヶ月目までのあいだを指します。お母さんの身体の中で赤ちゃんが成長する準備が始まり、出産に向けてさまざまな変化があらわれるようになります。
妊娠中期 妊娠5ヶ月目から7ヶ月目までの時期を妊娠中期といいます。つわりも落ち着いて、心身ともに安定してくる時期のため安定期とも呼ばれています。この時期になると赤ちゃんの成長が感じられ、お腹も大きくなっていきます。
妊娠後期 妊娠後期とは妊娠8ヶ月目から10ヶ月目までの時期を指します。この頃にはお腹がさらに大きくなり、赤ちゃんの動きも活発になってきます。出産に向けてお母さんの入院準備をし、育児の用意もしておきましょう。
陣痛 陣痛とは、出産の際に赤ちゃんを外へ押し出すために子宮が伸縮するときの痛みを指します。最初は不規則にお腹の痛みや張りを感じるようになり、徐々に陣痛の間隔が短くなるにつれて痛みも増していきます。
葉酸 葉酸は水溶性のビタミンB群の一種であり、元気な赤ちゃんを産むために重要な栄養素の一つです。主に緑黄色野菜や果物などから摂取することができます。葉酸は赤ちゃんの体づくりによい影響を与えるほか、胎児の先天異常のリスクを軽減する効果が期待されています。
胎動 胎動とは、お母さんのお腹の中で胎児が動くことをいい、赤ちゃんとお母さんの初めてのコミュニケーションともいえます。妊娠5ヶ月を過ぎた頃から胎動を感じ始めることが多く、赤ちゃんが元気に成長している証でもあります。
逆子 逆子(骨盤位)とは、お腹の中の赤ちゃんが下半身を子宮口側に向けている状態を指します。通常、胎児は頭から産道を通って生まれてきますが、逆子の場合は下半身から産道を通るためトラブルが起こる恐れがあります。逆子の多くが出産までのあいだに自然に通常の状態に落ち着きますが、胎児の向きには注意して医師の指示を仰ぎましょう。
安定期 安定期とは、一般的に妊娠5ヶ月以降の時期のことをいいます。この頃になるとにつわりの症状が落ち着き、心身ともに安定した妊婦生活が送れるようになるのが特徴です。医師に確認して経過が順調であれば、この時期に適度な運動や出産の準備を始めておくとよいでしょう。
ケトン体 ケトン体とは、体内の脂肪がエネルギーに変えられてできる物質のことを指します。つわりの症状が重くなり、食事や水分がとれなくなると身体が飢餓状態や脱水症状を起こすことがあり、代わりに脂肪をエネルギーに変えてケトン体を出すようになります。ケトン体の数値は尿検査で調べることができ、つわりの重さを表す目安にもなります。
助産師 助産師とは、お母さんのお産や育児を心身ともにサポートしていく専門家です。お産の介助をはじめ、妊婦の出産前後の健康管理や生活指導、育児指導や母乳指導など、妊娠から出産、育児に至るまで母子が健康に過ごせるよう指導・管理を幅広く行ないます。
胎盤 胎盤とは、女性が妊娠したときに子宮の内膜面に作られる円板状の器官です。受精卵が子宮内膜に着床してから形成され始め、妊娠4ヶ月ごろになるとほぼ完成します。胎盤はへその緒を通じて赤ちゃんに血液や酸素、栄養を送り、二酸化炭素や老廃物を排出させるなど重要な役割があります。
トキソプラズマ病 トキソプラズマ病とは、トキソプラズマという原虫によって引き起こされる感染症です。一般的には猫のフンから人に感染することで広く知られていますが、生ハムやレバーなどの生肉や加熱不十分な肉を食べて感染することもあります。妊婦がトキソプラズマに感染すると、お腹の赤ちゃんに影響を及ぼすこともありますので注意が必要です。
ドップラー検査 ドップラー検査とは、お腹の赤ちゃんの心拍を確認するための検査です。妊娠3ヶ月末以降になると検査が行なわれ、医師が赤ちゃんの心臓の音を聞いて心拍数や心臓のリズムに異常がないか調べます。お母さんのお腹に器具を当てて、赤ちゃんが健康に育っているか調べる大切な検査です。
副乳 副乳とは、乳房が通常は左右に一つずつあるほかに乳房ができている状態を指します。副乳の大きさや形は個人差があり、ワキの下や乳房の下にできるケースが多く見られます。女性ホルモンが増加する妊娠中に症状に気づく場合が多く、痛みを感じたり、腫れたりすることもありますので医師の診察を受けるようにしましょう。
前駆陣痛 前駆陣痛とは、出産につながる本陣痛とは異なり、お産の時期が近づいてくると起こる子宮収縮によって不規則にお腹が張ったり痛みを感じる状態を指します。前駆陣痛は一般的に妊娠8〜9ヶ月ごろになると始まり、痛みの強さや間隔には個人差があります。