婦人科で耳にする用語を解説しています。

「あ行」で始まる婦人科用語

アッシャーマン症候群(あっしゃーまんしょうこうぐん)

アッシャーマン症候群は子宮内膜が炎症を起こして子宮内の組織同士がくっついてしまう状態(癒着)のことをいいます。分娩後の処置や帝王切開など子宮に対する手術が原因となって起こることがあります。子宮内が癒着すると不妊の原因にもなるため早期の治療が大切です。

アポクリン化生(あぽくりんかせい)

アポクリン化生とは、汗腺の一種であるアポクリン腺細胞のように乳腺組織が変化していることをいいます。 ほとんどの場合は良性であり、乳腺症という良性疾患でもよくみられることで知られていますが、アポクリン化生の中で異型を示す場合はアポクリン癌など悪性の可能性があります。

ウリプリスタール法

ウリプリスタール法は、ウリプリスタール酢酸エステルが主成分となっているエラというアフターピルを1錠服用する緊急避妊法です。 最長で性交後120時間以内に服用することで避妊効果が期待でき、子宮筋腫の治療に使われることがあります。日本では未承認の海外医薬品です。

ウレアプラズマ

ウレアプラズマとは、性行為が感染経路となる性感染症の一つであり、腟や尿道、のどへ侵入する細菌です。 感染するとデリケートゾーンのかゆみ、おりものが増える・臭いが気になる、尿道痛、のどの痛みといった症状が出ることがあります。細菌学的には同じ種類の菌として「マイコプラズマ」が挙げられます。

HIV(エイズ)

HIV(エイズ)とは、主に性交渉によってヒト型免疫不全ウイルスが免疫細胞に感染し、後天性免疫不全症候群という体の免疫力が低下する疾患を起こす性感染症です。免疫力が低下することで普段は感染しない病原体にも感染し、さまざまな病気を引き起こす恐れがあります。

HPV感染症(えいちぴーぶいかんせんしょう)

HPV(ヒトパピローマウイルス)感染症とは、ヒトパピローマウイルスが感染した部位によって子宮頸がんや腟がん、肛門がんなどのがんや尖形コンジローマなどを引き起こす恐れがある性感染症です。ほとんどの人は感染しても自然とウイルスが消えていきますが、日頃から定期的な検診や子宮頸がんの予防接種を受けておくことが大切です。

HPV検査(えいちぴーぶいけんさ)

HPV検査とは、子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染しているかどうかを確認する検査です。 子宮頸部から採取した細胞からがん細胞の有無を調べる子宮頸がん検診の「細胞診」と併用して行い、診断の精度を上げることができます。

HPVワクチン(えいちぴーぶいわくちん)

HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンとは、子宮頸がんや腟がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を予防するワクチンのことをいいます。最近は20代~30代の若い女性の子宮頸がん罹患が増加していることもあり、性的活動が活発化する前の対策が望まれています。このため、HPVワクチンは10歳から接種が可能です。

エストロゲン(えすとろげん)

エストロゲン(卵胞ホルモン)は、卵巣から分泌される女性ホルモンです。乳房や子宮などの発育を促し、女性らしいからだを作る役割を持ったホルモンです。また、生理にも密接に関わっています。

LSC手術(えるえすしーしゅじゅつ)

LSC手術(腹腔鏡下仙骨膣固定術)は、2014年から保険適応となった骨盤臓器脱の新しい治療法です。 子宮や膀胱、直腸や腟などが腟口から脱出してしまう骨盤臓器脱に対し、腹腔鏡下で腟をメッシュで包み込んで補強し仙骨に固定することで臓器の飛び出しを解消するというものです。

黄体期(おうたいき)

黄体期とは、排卵後から次の月経まで時期のことを指します。黄体期はプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が活発になり、個人差がありますが心身にさまざまな不快な症状があらわれることがあります。ストレスを感じやすい時期ですので、無理せずリラックスして過ごすことが大切です。

おりもの

おりものは、膣から出る酸性の分泌物です。ねばり気があり、膣の中をおりもので潤すことによって子宮の粘膜を守ったり、汚れを排出したりするほかに、妊娠しやすい状態を作る役目があります。

おりものシート(おりものしーと)

おりものシートとは、下着に装着しておりものを吸収させるシートのことをいいます。生理前後の少量の出血にも対応できるものがあり、年齢を問わず利用者が多い生理用品です。

「か行」で始まる婦人科用語

外陰炎(がいいんえん)

外陰炎とは、腟の入り口周辺(いわゆる外陰部)に炎症が起き、痛みやかゆみが出てきてしまう状態のことを指します。炎症が起きる原因には下着や生理用品との皮膚の摩擦のほか、クラミジアや淋菌といった性感染症によることもあります。慢性化すると皮膚が厚くなったり変色したりする上、かゆみも続いてしまいます。

外陰がん(がいいんがん)

外陰がんとは、外陰部(腟の入り口付近)表面にできる皮膚がんのことをいいます。発症すると外陰部にしこりや痒み、出血、皮膚が引きつる痛みなどの症状が現れ、進行すると鼠径リンパ節や骨盤リンパ節へ転移することがあります。 はっきりとした原因は判明していませんが、最近の研究でHPV(ヒトパピローマウイルス)との関連が指摘されています。

外陰真菌症(がいいんしんきんしょう)

外陰真菌症とは、カンジダ・アルビカンスという真菌(カビ)が原因となって発症する病気です。「カンジタ腟炎」、「腟カンジタ症」とも呼ばれ、主に腟や外陰部のかゆみ、おりものの変化といった症状がみられます。この真菌は普段から体の至るところに存在している常在菌ですが、体調不良などが原因となって大量増殖し症状を引き起こすことがあります。

外陰部掻痒症(がいいんぶそうようしょう)

外陰部掻痒症(がいいんぶそうようしょう)とは、外陰部や肛門周辺の皮膚に激しい痒みが生じてしまう皮膚疾患のことをいいます。更年期障害による皮膚の乾燥や下着との摩擦、発汗などが痒みの原因となることが多く、症状を悪化させないためには掻いて皮膚に傷をつけないことが大切です。

カウフマン療法(かうふまんりょうほう)

カウフマン療法とは、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を内服薬や注射で補充して、月経周期を整える治療法のことをいいます。

過少月経(かしょうげっけい)

過少月経とは1回の月経の経血量が極端に少ない状態のことをいいます。一般的に1周期あたりの総経血量が20ml以下の状態を指し、経血量が多い2日目でもナプキンにわずかに月経血がつく程度といった症状がみられる場合は過少月経の可能性があります。原因としてはホルモンバランスの乱れ、子宮の発育不全、甲状腺機能の異常などが考えられます。

過多月経(かたげっけい)

過多月経とは1回の月経の経血量が極端に多い状態のことをいいます。一般的には1周期あたりの総経血量が150ml以上ある場合を指し、経血量が多いことで貧血や立ちくらみといった症状が現れて日常生活にさまざまな影響を及ぼします(ただし、実際に量を測定しての評価は難しいです)。経血にレバーのような血の塊が混じっている、または普通のナプキンが1時間ともたないほど経血量が多い場合は過多月経の可能性があります。

過長月経(かちょうげっけい)

過長月経とは月経による出血持続期間が8日以上続く状態を指します。主にホルモンバランスの乱れをはじめ、子宮筋腫や子宮線筋症、子宮内膜増殖症といった子宮の病気が原因となっているケースがあるため、症状が繰り返される場合は早めに婦人科を受診することが大切です。

過短月経(かたんげっけい)

過短月経とは月経による出血持続期間が2日以内で終わってしまう状態のことを指します。過少月経を伴っていることが多く、こちらも同様にホルモンバランスの乱れや子宮の発育不全、甲状腺機能の異常などが原因として考えられます。

下腹部痛(かふくぶつう)

下腹部痛は女性にとって子宮や卵巣をはじめ、腸や尿管などが関連している病気や不調を訴えているサインの可能性があります。 月経痛や月経困難症、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮がんなどの婦人科系疾患から、消化器系疾患や尿路系疾患など原因は多岐にわたりますので、痛みが続くようであれば無理せず病院を受診しましょう。

がん検診(がんけんしん)

婦人科で行なわれるがん検診は、子宮がん・卵巣がんが主体で、施設によっては乳がんも行ないます。がんは早期発見できれば治る可能性も高い病気ですが、自覚症状がほとんどないものもありますので、1年に1度は必ず検診を受けるようにしましょう。

器質性月経困難症(きしつけいげっけいこんなんしょう)

器質性月経困難症は、子宮や卵巣の病気などなんらかの異常が原因となって強い月経痛が起こる症状です。主に子宮内膜症や子宮筋腫などにかかっている場合が多く、不妊症の原因にもなりますので早めの治療が必要です。

器質性出血(きしつせいしゅっけつ)

器質性出血とは、腟や子宮、卵巣などの生殖器官に何らかの異常があることが原因で起こる出血です。子宮筋腫や子宮内膜炎、子宮頸がんや卵巣腫瘍といった病気のサインになっている場合があるため速やかに医師に相談しましょう。

偽妊娠療法(ぎにんしんりょうほう)

偽妊娠療法とは、低用量ピルを服用し体を妊娠時と同じホルモン状態にすることで月経痛などの症状を改善させる治療法です。低用量ピルは副作用が少ないことで知られていますが、全く起こらないわけではありませんので医師の指示に従って正しく服用しましょう。

機能性月経困難症(きのうせいげっけいこんなんしょう)

機能性月経困難症は子宮や卵巣に異常がなく、ストレスなどが原因となって強い月経痛が起こる症状です。一般的には思春期に多いとされており、加齢と共に症状も軽くなっていくといわれています。

機能性出血(きのうせいしゅっけつ)

機能性出血とは、ホルモンバランスの乱れや排卵期出血、月経異常などが原因となって起こる出血です。病的な原因ではなくホルモンバランスが不安定な思春期や更年期に多くみられ、またストレスや急激な体重変化、過度な運動などが影響している場合があります。

偽閉経療法(ぎへいけいりょうほう)

偽閉経療法とは、子宮内膜症や子宮筋腫の治療方法の一つです。これらの病気は女性ホルモンに長期間さらされることが原因となっているため、偽閉経療法では人工ホルモンを投与することによって女性ホルモンの分泌を抑えて(したがって生理が止まる)、症状の改善を目指します。しかし、この治療法を行うと女性ホルモンが減少するため、「ほてり」や「のぼせ」といった更年期障害のような症状が副作用として現れることがあります。

急性卵管炎(きゅうせいらんかんえん)

急性卵管炎は、子宮と卵巣をつなげている卵管に細菌が感染して炎症が起こる疾患です。急性期には高熱や激しい下腹部痛といった症状のほか、おりものの量も増加します。 大腸菌やクラミジアなどの細菌が原因となり、慢性化すると卵管が詰まって不妊症や子宮外妊娠となる可能性があるため注意が必要です。

吸水ショーツ(きゅうすいしょーつ)

吸水ショーツとは、生理中の経血を吸収する機能が備わっている下着のことをいいます。ナプキンやタンポンなどの生理用品を使わずに済むほど吸収性に優れたものもあり、ここ最近は新たな高機能下着として注目を集めています。

緊急避妊ピル(きんきゅうひにんぴる)

緊急避妊ピル(アフターピル)とは、妊娠の可能性があった時期の性行為の後に服用する緊急避妊薬のことをいいます。避妊をせずに性交渉を持ってしまった場合や、避妊に失敗した場合に使用されることが多く、妊娠の可能性がある行為から72時間以内に服用することで高い避妊効果を発揮します。

筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)

筋層内筋腫とは、子宮内の筋肉にできる筋腫のことをいいます。(子宮筋腫の一種)子宮筋腫は腫瘍(こぶのようなもの)が子宮のどの辺りにできるかによって症状に違いがありますが、筋層内筋腫は子宮内の筋肉にできるため、大きさによっては不妊や経血量増加の原因になることがあります。しかし、小さいものであれば無症状であることも多いです。

カンジダ膣炎(がんじだちつえん)

カンジダ膣炎は、カンジダ・アルビカンスという真菌(カビ)の一種が原因となって発症します。普段から体の至る所に存在している常在菌ですが、体調不良などが重なると膣内で異常繁殖し、強いかゆみなどを起こすことがあります。

クスコ

クスコとは、 膣内に挿入して膣腔の深部や子宮頸部の診察・治療などを行うための金属製器具のことをいいます。膣壁を押し広げることで奥まで観察し、異常がないか確認します。 クスコにはSS〜Lくらいまでサイズがあり、患者さんに合わせて使用しています。

クラミジア感染症(くらみじあかんせんしょう)

クラミジア感染症とは、クラミジア・トラコマチスという細菌によって起こる性感染症です。主に性行為によって感染し、性交時や排尿時に痛みを感じたり、不正出血などが起こることがあります。最も感染することが多い性感染症ともいわれており、不妊症などに繋がる恐れもあるため注意が必要です。

経口妊娠中絶薬(けいこうにんしんちゅうぜつやく)

経口妊娠中絶薬とは、妊娠を継続させない経口薬(口から飲み込む薬)のことをいい、これを服用すれば手術をせずに中絶できるとされています。主に妊娠初期の中絶に使われ、アメリカやイギリス、フランス、台湾などでは承認されていますが、日本では未承認となっています。

毛じらみ(けじらみ)

毛じらみとは、吸血昆虫であるシラミの一種が陰毛に寄生することによって痒みを起こす性感染症です。性交渉が感染の原因となる場合が多く、陰部を清潔にしてシラミ駆除に効果がある医薬品を用いて治療します。

月経移動(げっけいいどう)

月経移動とは、旅行や結婚式、受験などの特別なイベントと生理の時期が重なってしまいそうなときに、主に中用量ピルを内服することでタイミングをずらす方法です。1日1回、数日間続けることで生理をずらすことができ、生理を早める方法と遅らせる方法の2つがあります。

月経カップ(げっけいかっぷ)

月経カップとはシリコン製の柔らかいカップタイプの生理用品のことをいい、腟内に入れて流れてくる経血を受け止める仕組みになっています。経血が空気に触れて酸化しないため、ナプキンのように蒸れや痒み、においが気にならず、洗えば繰り返して使用できるといったメリットがあり、欧米諸国を中心に人気があります。

月経困難症(げっけいこんなんしょう)

月経困難症とは、日常生活に支障をきたすほどの強い月経痛が起こる状態を指します。症状は痛みだけでなく、頭痛や嘔吐、下痢などを伴うことがあります。症状が起こる原因により、2種類に分かれており、明らかな原因となる病気がある「器質性月経困難症」と明らかな原因がない「機能性月経困難症」があります。

月経随伴症状(げっけいずいはんしょうじょう)

月経随伴症状とは、月経前や月経中に引き起こされる下腹部痛やイライラといった不快な症状の総称です。時期によって「月経前症候群」や「月経困難症」などといわれ、50~80%の女性が何らかの月経随伴症状を経験するとされています。症状が重く、日常生活に影響を及ぼす場合は医師に相談することをおすすめします。

月経前緊張症(げっけいぜんきんちょうしょう)

月経前緊張症(月経前症候群)は、月経が始まる3〜10日ほど前から起こる頭痛や腹痛、イライラ、めまい、食欲不振、倦怠感などの様々な不快症状のことです。排卵後の女性ホルモンの変化が関係していると考えられており、月経開始とともに症状は治まるのが特徴です。

月経前不快気分障害(PMDD)(げっけいぜんふかいきぶんしょうがい)

月経前不快気分障害(PMDD)とは、生理2週間~1週間前あたりから現れる心身の不快な症状(月経前症候群、PMS)のうち、特に精神的な症状が強く出る症状のことをいいます。気力や集中力が落ちたり、不安や悲しみなどのマイナスの感情に支配されて激しく落ち込むなどの症状が強く出るのが特徴です。

月経(生理)痛(げっけいつう)

月経(生理)痛とは、子宮内膜が剥がれ落ち出血をともなって体外へ排出される月経(生理)中に起こる痛みのことをいいます。痛みの程度や症状には個人差がありますので、日常生活に支障をきたす場合は医師の診察を受けましょう。

月経不順(げっけいふじゅん)

通常30日前後のサイクルで繰り返される月経(生理)の周期が崩れている状態を月経不順(生理不順)といいます。主に日頃のストレスの影響を受けやすい卵巣ホルモンの分泌の乱れが原因となります。

原発性不妊(げんぱつせいふにん)

通常30日前後のサイクルで繰り返される月経(生理)の周期が崩れている状態を月経不順(生理不順)といいます。主に日頃のストレスの影響を受けやすい卵巣ホルモンの分泌の乱れが原因となります。男女どちらかの生殖機能に何らかの問題があることが考えられ、10組のカップルのうち1組の割合で起こることがあります。

原発性無月経(げんぱつせいむげっけい)

原発性無月経とは、通常はおよそ15歳くらいまでには迎える初めての月経が満18歳を過ぎても起こらない状態を指します。原因には遺伝的な要因をはじめ、ホルモンや性器などになんらかの問題がある場合が考えられますので、16歳になっても無月経ならば早めに婦人科に相談するようにしましょう。

高プロラクチン血症(こうぷろらくちんけっしょう)

高プロラクチン血症とは、母乳の産生を促すホルモンであるプロラクチンの値が異常に高くなる状態のことをいいます。出産後は母乳を出すため必然的に高プロラクチン血症になりますが、妊娠と関連のない場合は生理不順や不妊の原因となるため、状況によっては治療が必要になることがあります。

骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)

骨盤臓器脱とは、子宮や腟、直腸や膀胱などが腟口から出てきてしまう病気です。 出産・加齢などによって女性の骨盤内臓器を支える筋肉や靭帯が傷んだり緩んだりすると臓器が下がりやすくなります。下がってくる臓器によって「子宮脱」「膀胱脱」「直腸脱」などと呼びます。

骨盤底筋群体操(こつばんていきんぐんたいそう)

骨盤底筋群体操とは、出産後や更年期、運動不足などの影響で「骨盤底筋群」が緩んだり傷ついたりすることで起こる子宮脱や尿もれ、頻尿といったトラブルを予防するために行われる体操です。「ケーゲル体操」とも呼ばれ、正しくトレーニングを続けることで骨盤底筋群を強化できます。

骨盤内炎症性疾患(こつばんないえんしょうせいしっかん)

骨盤内炎症性疾患(PID)とは、子宮頚管より上に位置する子宮や卵管といった「上部女性生殖器」に発生する炎症性疾患の総称です。 細菌が原因となって起こることが多く、炎症が生じた部位によって一般的に子宮内膜炎や子宮筋層炎、卵管炎、骨盤腹膜炎などと診断されます。不妊症や子宮外妊娠を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

骨盤腹膜炎(こつばんふくまくえん)

骨盤腹膜炎とは、骨盤内にある臓器を覆っている膜(腹膜)に炎症が起き、発熱や吐き気、激しい腹痛などの症状が現れる状態のことを指します。原因は大腸菌、ブドウ球菌、淋菌などへの感染ですが、最近はクラミジアが原因であることが多くなっています。これは若い女性にクラミジアの罹患者が多いことが背景にあります。

「さ行」で始まる婦人科用語

細菌性腟炎(さいきんせいちつえん)

細菌性腟炎とは、大腸菌やブドウ球菌など腟内にある常在菌が増えて、おりものから異臭がしたり、外陰部にかゆみが出たりする症状のことを指します。原因は過労やストレス、不規則な生活で体の抵抗力が落ち、本来備わっている腟の自浄作用力が低下してしまうことなどが挙げられます。

細菌性腟症(さいきんせいちつしょう)

細菌性腟症とは、腟内に存在する細菌のバランスが崩れたときや腟内環境の乱れによって起こる腟感染症です。 主におりものから悪臭がする、さらさらになる、灰色になるといった異常がみられます。 月経時やホルモンバランスの乱れ、疲れ・睡眠不足などによるストレス、不衛生な性行為などが原因となって症状が出やすくなることがあります。

細胞診(さいぼうしん)

細胞診とは、子宮頸がん検診で行われる検査です。子宮の入り口を専用器具で軽く擦って細胞を採り、顕微鏡を用いて異常細胞の有無を確認してがんの疑いがないか調べます。月経中は避けて検査が行われます。

鎖陰(さいん)

鎖陰(さいん)とは、腟や子宮頸管が閉じていることをいい、性器閉鎖症との呼び方もあります。鎖陰の状態のままでは生理時に経血が排出できないため、生理痛らしき腹痛があるにもかかわらず生理が来ないと思い婦人科を診察し、そこで初めて鎖陰だと判明することがあります。

サニタリーショーツ(さにたりーしょーつ)

サニタリーショーツとは、生理中に着用することを想定して作られた下着のことをいいます。多くはナプキンの使用を前提としているため、ナプキンがずれないよう全体的にホールド力の強い作りになっています。

産婦人科検診台(さんふじんかけんしんだい)

産婦人科検診台(内診台)とは、膣や子宮の状態を診察するための椅子型の検診台のことをいいます。女性器を診察しやすいよう、開脚できる仕様になっているのが特徴です。

C型肝炎(しーがたはいえん)

C型肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって起こる肝臓の病気です。感染していると肝硬変や肝臓がんの原因となる場合がありますが、自覚症状がないまま病気が進むことが多いため定期的な検査が必要です。

子宮下垂(しきゅうかすい)

子宮下垂とは、子宮が本来の位置よりも外陰部方向に下降した状態で、子宮の最下端が腟の外には脱出していない状態を指します。症状が進行すると、子宮の一部又は全部が腟外へ脱出する「子宮脱」となります。 骨盤を支える様々な筋肉、靭帯、組織が出産・妊娠などにより緩んで生じることがあるほか、加齢に伴うエストロゲンの低下などが影響して引き起こされます。

子宮奇形(しきゅうきけい)

子宮奇形とは子宮の形状に先天的な異常がみられる状態をいいます。女性の5%程度に子宮奇形がみられるといわれ、自覚症状はほとんどありませんが婦人科検診や妊娠初診などで偶然明らかになることが多い疾患です。子宮奇形にはさまざまな形の異常があり、種類によっては月経痛や下腹部痛の原因となっている場合があります。

子宮鏡検査(しきゅうきょうけんさ)

子宮鏡検査とは、子宮口から内視鏡を入れて子宮内部を観察する検査のことをいいます。一般的に痛みは少ないですが状況によっては静脈麻酔が使われる場合もあり、人それぞれ個人差があります。子宮鏡検査は子宮内の異常や不妊などが疑われる場合に医師からすすめられることがあります。

子宮筋炎(しきゅうきんえん)

子宮筋炎とは、子宮壁の深部に該当する子宮筋層に炎症が生じてしまう病気のことをいいます。原因はブドウ球菌や淋菌、クラミジアなどの細菌感染で、帝王切開での出産や中絶手術、流産、性交渉がきっかけとなって感染・発症し、下腹部痛や発熱、おりものの増加などの症状が現れます。炎症の程度によっては手術が必要になるほど重症化することもあるため、出産後や流産後など子宮に大きな負担がかかった後に異変を感じた場合はすみやかに医師の診察を受けましょう。

子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)

子宮筋腫とは、子宮内にできる良性の腫瘍です。小さなものを含めると成人女性の4人に1人が持っているといわれています。悪性の腫瘍ではありませんが、大きくなると痛みや貧血などの症状の原因となります。

子宮頸がん(しきゅうけいがん)

子宮頸がんとは、子宮の入り口付近にヒトパピローマ(HPV)というウイルスが感染してできるがんです。最近では20代後半〜30代の女性の発症率が増加傾向にあり、定期的な検診が大切です。

子宮頸管炎(しきゅうけいかんえん)

子宮頸管炎とは、子宮頸部に炎症が起きる症状のことを指します。原因は大腸菌、クラミジア、梅毒、淋菌などの細菌やヒトパピローマウイルスなどへの感染、または加齢による萎縮や物理的な刺激など様々です。症状はおりものの増加など比較的軽微であるため自覚症状が乏しく、子宮上部に進行するまで気付かないことがあります。クラミジアなどによる感染性の子宮頸管炎は、治療せずにいると不妊の原因となるので注意が必要です。

子宮頸管ポリープ(しきゅうけいかんぽりーぷ)

子宮頸管ポリープとは、子宮頸管の細胞が増殖し、イボのような隆起(ふくらみ)ができている状態のことを指します。原因は物理的な刺激や女性ホルモンが影響しているといわれていますが、はっきりとしたことはわかっていません。時に不正出血の原因となる場合もあります。

子宮頸部異形成(しきゅうけいぶいけいせい)

子宮頸部異形成とは、正常組織と子宮頸がんの初期癌の間にある病態のことをいい、軽度・中等度・高度に分類されます。子宮頸がん検査で子宮頸部の細胞に病変が認められたことで判明しますが、全てががんに進行するわけではないため、高度のもの以外はその後は定期的な経過観察となることが多いです。

子宮後屈(しきゅうこうくつ)

子宮後屈とは、子宮が後方に傾いた状態になっていることをいいます。通常、子宮は前方(腹部側)に向いていますが、子宮内膜症や骨盤内腹膜炎といった病気のほか、妊娠・出産が原因で子宮後転となることがあり、腰痛や性交痛などを引き起こすことがあります。

子宮線筋症(しきゅうせんきんしょう)

子宮線筋症は、本来は子宮の内側にある子宮内膜が筋層内に入り込む病気です。子宮内膜が筋層内に入り込むと子宮全体が大きくなり、月経(生理)時に強い痛みや貧血を起こすことがあります。

子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)

子宮腺筋症とは、子宮内膜症の一種で、子宮筋層の中に子宮内膜と似たような組織が増殖してしまう症状のことを指します。主な症状には痛みの強い生理痛、経血の過多、貧血などが挙げられます。子宮筋層内で組織の増殖が繰り返されるため筋層が厚くなり、これに伴って子宮も大きくなる傾向が見られます。

子宮体がん(しきゅうたいがん)

子宮体がんとは、別名で子宮内膜がんとも呼ばれ、女性ホルモンの影響を受けて子宮の内膜にできるがんです。子宮体がんの症状は、月経とは無関係な不正出血が最も多く見られ、早めに婦人科を受診することが大切です。

子宮脱(しきゅうだつ)

子宮脱とは、子宮の一部または全部が膣口から露出してしまう状態のことを指します。原因は子宮を支える筋肉の衰えで、子宮脱の状態になると下腹部に違和感や排尿困難などの症状が現れます。膣口まで下がった子宮は自然に元の位置に戻ることはないため、何らかの処置が必要になります。

子宮内腔癒着(しきゅうないこうゆちゃく)

子宮内腔癒着とは、子宮内膜が炎症を起こして内膜の組織同士がくっついてしまう状態のことを指します。「アッシャーマン症候群」とも呼ばれており、妊娠中絶や分娩後の処置などの子宮に対する手術や結核菌による感染などが原因となって起こることがあります。 子宮内が癒着すると不妊や流産の原因にもなることがあるため早期の治療が大切です。

子宮内膜(しきゅうないまく)

子宮内膜とは、子宮内部を覆っている上皮組織のことをいい、受精卵がこの子宮内膜に着床することで妊娠が成立します。性成熟期の女性であれば、毎月の生理の際に古い子宮内膜が剥がれ落ちて経血と一緒に外に排出され、新しい子宮内膜が作られます。

子宮内膜炎(しきゅうないまくえん)

子宮内膜炎とは、子宮内部を覆っている子宮内膜に炎症が起きてしまう症状のことを指します。原因は大腸菌、ブドウ球菌などの一般細菌のほか、淋菌やクラミジアといった性感染症への感染など様々です。発症すると腹痛、発熱、吐き気、不正出血、排尿痛などの症状が現れます。

子宮内膜症(しきゅうないまくしょう )

子宮内膜症は、本来は子宮の内側にある子宮内膜が、子宮の内側以外のところにできてしまう病気です。子宮内膜と同じように女性ホルモンの影響を受けて、月経(生理)と同じサイクルで痛みや出血が起こります。

子宮内膜焼灼(しきゅうないまくしょうしゃく)

子宮内膜焼灼は、1回の月経の経血量が極端に多い「過多月経」の患者に対して、月経量を減少させることを主な目的として行われる治療です。 マイクロ波を発生させる装置を子宮内に挿入し、発熱によって子宮内膜や筋層の一部を数回焼灼します。妊娠を希望している方は対象外になります。

子宮内膜増殖症(しきゅうないまくぞうしょくしょう)

子宮内膜増殖症とは、子宮内膜が増えて厚くなってしまう病気です。生理の際に出血量が多くなり、人によっては黒っぽい血の塊が出ることがあります。原因はホルモンバランスの乱れによって古い子宮内膜が剥がれ落ちず、蓄積してしまうことにありますが、月経不順や肥満、糖尿病も子宮内膜の増殖を招く原因になります。また、異型子宮内膜増殖症は、子宮体癌の初期と判断されています。

子宮肉腫(しきゅうにくしゅ)

子宮肉腫とは、子宮体部の筋肉や結合組織から発生する悪性腫瘍のことをいいます。好発年齢層は50代から60代で、子宮体部にできる悪性腫瘍の中ではそれほど多く見られる病気ではありません。しかし進行すると他の臓器に転移する可能性があるため、発見された場合は早期の治療が望まれます。主な症状は不正出血や下腹部痛、腹部の膨満感などですが、自覚症状が現れる頃には病気が進行していることが多いため注意が必要です。また、子宮筋腫との判別がつきにくいという特徴もあります。

子宮膣部びらん(しきゅうちつぶびらん)

子宮膣部びらんとは、子宮の入り口あたりが赤くただれたように見える状態のことを指します。原因は生理用品や避妊具などによる物理的刺激ですが、実際にただれていることは少なく、治療の必要がない場合がほとんどです。

子宮発育不全(しきゅうはついくふぜん)

子宮発育不全とは、子宮の大きさが各年齢に応じた正常な子宮に比べて小さいことや、子宮内膜の厚さが不十分な状態のことをいいます。明確な診断基準はなく「子宮発育不全」という呼称も正式な病名として認められていませんが、不妊症や流産の原因となることがあります。自覚症状が少ないため月経に異常があった際に発見されるケースが多く見られます。

子宮復古不全(しきゅうふっこふぜん)

子宮復古不全とは、妊娠で大きくなった子宮が産後も元に戻らない状態のことをいいます。子宮が収縮が悪いので出血や悪露が長引くうえ、疲労がたまりやすくなるため発熱や細菌感染が起こりやすくなります。

視触診(ししょくしん)

視触診とは、乳がんで行われる基本的な検査です。医師が乳房を目で見てくぼみやふくらみなどがないか、又は手で触れてしこりやリンパ節の腫れなどがないか、その他皮膚の異常や分泌物などの異常がないかを診察します。 しかし、診断精度が一定ではなく「マンモグラフィー」とともに実施される場合が一般的であることから、最近では視触診を実施しない医療機関も増えています。

脂肪種(しぼうしゅ)

脂肪種とは脂肪組織に由来する良性腫瘍のことをいい、臀部や太もも、背中、顔、外陰部などに比較的頻繁にみられます。基本的に自然治癒しないため、手術で除去することになります。

絨毛がん(じゅうもうがん)

絨毛がんとは、子宮内部の壁にある突起(絨毛)に生じるがんのことを指します。絨毛がんの多くは、胞状奇胎(子宮内で受精卵が異常増殖する)になったことを機に発生し、転移しやすいのが特徴です。非常に稀ながんで、症状としては不正出血、腹痛などが挙げられますが、時に咳や頭痛といった症状もあります。

消退出血(しょうたいしゅっけつ)

消退出血とは、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が減少することにより、子宮内膜が剥がれ落ちて出血する状態のことをいいます。 月経や排卵による自然消退出血と、低用量ピルやアフターピル内服時などの人工的な要因で起こる消退出血に分けられます。

漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)

漿膜下筋腫とは、子宮の外部にできる筋腫のことをいいます。(子宮筋腫の一種)子宮筋腫は腫瘍(こぶのようなもの)が子宮のどの辺りにできるかによって症状に違いがありますが、漿膜下筋腫は子宮の外側にできるため、かなり大きくなるまでは症状が現れにくいという特徴があります。 しかし、腫瘍が子宮本体と茎でつながっている有茎漿膜下筋腫の場合は茎が捻じれて激しい腹痛や発熱が起き、緊急の手術が必要になることもあります。

真珠様小丘疹(しんじゅようしょうきゅうしん)

真珠様小丘疹とは、性器に白いブツブツのようなイボが複数発生している症状です。女性の場合は腟前庭から小陰唇にかけて左右対称に、男性の場合は亀頭下部周辺に自然発生することがあります。 HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染により起こる「尖圭コンジローマ」とよく似ていていますが、性感染症ではない無害な生理現象です。

(乳癌)浸潤がん(しんじゅんがん)

浸潤がんとは、乳がんで増殖したがん細胞が乳管の外にまで広がっていく段階のことをいいます。 乳がん全体の約80%を占めるとされ、周囲の組織や血管、リンパ管へ入り込んで増殖していくため、全身に移行して転移などを起こす可能性があります。

スメア

スメア(細胞診)とは、腟内もしくは子宮頸部の細胞を採取してその成分を調べることで、子宮頸がんの早期スクリーニングとなります。 検査では専用の器具を使用して、子宮頸部を露出し、綿棒などでこすって細胞を採取します。

スメア検査(すめあけんさ)

スメア検査とは、臓器から少量の組織を採取して、その中に含まれる細胞を顕微鏡で調べる検査のことをいいます。 婦人科では子宮頸がんや子宮体がんの検診の際に行われることが多く、細胞の採取は短時間で終わります。

精液検査(せいえきけんさ)

精液検査とは、主に不妊治療のために男性側が受ける一般的な検査です。精子の量や精子濃度、運動率、精子の形態などを調べます。不妊の約半数は男性にも原因があるとされており、不妊治療を検討する際はパートナーとともに男性も検査を受けることをおすすめします。

性感染症(せいかんせんしょう)

性感染症とは、性行為などによって感染する病気です。主にクラミジアやヘルペス、HIVなどが挙げられ、必ずしも自覚症状があるとは限らない病気に感染している場合もあります。妊娠中に感染すると赤ちゃんへ影響が出ることもありますので、正しい知識を持って早期発見することが大切です。

性器クラミジア(せいきくらみじあ)

性器クラミジアは、クラミジア・トラコマチスという細菌によって発症する性感染症です。性交渉によって起こる性感染症の原因の半数を占めるといわれ、特に10代〜20代の男女に多く見られることが特徴です。

性器伝染性軟属腫(せいきでんせんせいなんぞくしゅ)

性器伝染性軟属腫(水イボ)とは、ポックスウイルスというウイルスが原因で陰部にイボが発症する性感染症の一種です。 小児に多いいわゆる「水イボ」と同じものであり子供から感染することもある皮膚疾患ですが、近年は性行為での感染が多くなっています。痛みやかゆみ等の自覚症状はなく、イボができて初めて気付くことが多いです。

性器ヘルペス(せいきへるぺす)

性器ヘルペスは、性器に単純ヘルペスウイルスが感染して起こる性感染症です。主に性交渉が原因となり、性器や周辺部に水疱やただれができます。また、ヘルペスは再発を繰り返すことが大きな特徴です。

生理休暇(せいりきゅうか)

生理休暇とは、生理に伴う体調不良が原因で職場での業務遂行が困難な場合に取得できる休暇制度のこといいます。労働基準法で定められた女性特有の権利であり、生理休暇の取得にあたって医師からの診断書は必要ありません。

生理周期(せいりしゅうき)

生理周期(月経周期)とは、生理が始まった日から次の生理が始まる日の前日までの日数のことをいい、これを把握しておくことで次の生理開始日や排卵日、体調の予測が可能になります。 生理周期はおおよそ28日〜35日であれば正常としますが、実際の生理開始日はそのときの状況によって数日前後することも多く、いつもと1週間以上の大幅なずれがない場合は特に問題ないことがほとんどです。

生理痛薬(せいりつうやく)

生理痛薬とは生理痛を緩和するための薬のことをいい、薬局では「痛み止め」や「解熱鎮痛剤」として販売されているものがほとんどです。最近では生理痛に特化した鎮痛剤も販売されており、生理中の体調管理対策の選択肢が増えつつあります。

生理の貧困(せいりのひんこん)

生理の貧困とは、経済的事情により生理用品や鎮痛薬、婦人科診察料などを用意できず、生理期間中の日常生活にさまざまな支障が出ることをいいます。また、保護者の生理・婦人科系疾患への無理解・無配慮もこのなかに含まれ、経済的に自立できない若年層の女性を中心とした社会的な問題として認知され始めています。

セカンドオピニオン

セカンドオピニオンとは、現在治療を行っている病院での診断や治療方針について、他の医療機関の医師から「第二の意見」を聞くことです。 病気・治療に関する理解を深め、患者さんが納得できる治療法を選択するための大きな手助けとして役立てられています。いわば、患者さんの権利です。

赤痢アメーバ症(せきりあめーばしょう)

赤痢アメーバ症とは、「赤痢アメーバ」という原虫によって引き起こされる感染症です。世界中に存在し、特に衛生状態が悪い地域で多くみられます。原虫が感染した人の便中に排出され、汚染された飲食物を摂取することで口を介して感染します。 また、通常は性感染症とはみなされないものの、オーラルセックスやリミングなどの性行為によって感染する可能性があります。

石灰化(せっかいか)

石灰化(乳房内)とは、母乳を作る乳腺の中にカルシウムが沈着したものです。検査で発見されるケースが多くほとんどが良性ですが、一部悪性が疑われる場合もあり、早期の乳がん発見のため精密検査を行うことがあります。

前がん病変(ぜんがんびょうへん)

生理の貧困とは、経済的事情により生理用品や鎮痛薬、婦人科診察料などを用意できず、生理期間中の日常生活にさまざまな支障が出ることをいいます。また、保護者の生理・婦人科系疾患への無理解・無配慮もこのなかに含まれ、経済的に自立できない若年層の女性を中心とした社会的な問題として認知され始めています。

尖型コンジローマ(せんけいこんじろーま)

尖型コンジローマは、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスが原因となって起こる性感染症です。主に性交渉によって感染し、性器や肛門のまわりにイボ状のできものができて痛みや痒みを感じることがあります。

仙骨子宮靭帯(せんこつしきゅうじんたい)

仙骨子宮靭帯とは、子宮と仙骨(骨盤を構成する骨の一つで、骨盤の中央部に位置する)をつなぐ靭帯のことをいいます。 なお、子宮が下部へ落ちないように支えている靭帯は仙骨子宮靭帯を含めて4つあり、それらをまとめて子宮傍結合織といいます。

早発閉経(そうはつへいけい)

早発閉経とは、比較的若い年齢で卵巣機能が低下することで、月経が止まってしまうことをいいます。具体的には43歳未満で月経が止まった女性がこれに該当しますが、なかには20代で閉経してしまう方もいらっしゃいます。原因は不明のことが多いです。 閉経している以上、そのままの状態では妊娠できませんが、ホルモン補充療法や排卵誘発剤などを使用する不妊治療で妊娠・出産が可能になることもあります。

続発性不妊(ぞくはつせいふにん)

続発性不妊は、正常な性生活を営んでいるにも関わらず1年以上妊娠が成立しない不妊症のうち、過去に一度以上妊娠もしくは出産経験がある方が、その後妊娠しない状態になった場合のことをいいます。二人目不妊とも呼ばれ、第一子出産後に何らかの原因によって不妊となるケースが多くみられます。

ソノヒステログラフィー

ソノヒステログラフィーとは子宮内に生理食塩液を注入してから行う超音波検査です。不妊症や流産の原因となる子宮内膜ポリープや、粘膜下子宮筋腫の有無など子宮内膜の病気を調べることができ、子宮鏡検査と比べて簡単で痛みもほとんどなく、短時間で実施することができます。

「た行」で始まる婦人科用語

帯下(たいげ)

帯下(たいげ)とは腟からの分泌液である「おりもの」の別称で、読み方には「たいげ」や「こしけ」があります。

帯下異常(たいげいじょう)

帯下異常とは、膣や子宮からの分泌物である「おりもの」(帯下)が通常以上に増量したり、色調・性状に変化がみられる症状のことをいいます。 病的帯下とも呼ばれ、トリコモナス、カンジダ、クラミジアなど何らかの疾患が原因となっている可能性が疑われますので注意が必要です。

ダグラス窩膿瘍(だぐらすかのうよう)

ダグラス窩膿瘍とは、子宮と直腸の間にある「ダグラス窩」という骨盤の深い箇所に膿が溜まってしまう病気です。主な原因は細菌が付いた子宮や腟の炎症で、腹痛や発熱、不正出血やおりものの増加、尿や便が出にくいといった症状がみられます。

多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)

多嚢胞性卵巣症候群とは女性ホルモンのバランスが崩れ、卵巣にたくさんの卵胞が詰まり排卵しにくくなる病気です。主な症状には無月経、月経不順、にきび、多毛、肥満などがあります。また、不妊の原因になることがあります。

タンポン

タンポンとは、筒型の脱脂綿を腟内に挿入して経血を吸い取るタイプの生理用品のことをいいます。腟内に挿入するため、ナプキンにありがちな経血漏れや蒸れが非常に少なく、運動量の多い日でもある程度快適に過ごせるというメリットがあります。

腟がん(ちつがん)

腟がんとは、腟にできるがんのことをいいます。がんの中でも発症する確率が極めて少ないものですが、進行すれば肺や骨に転移することは他のがんと変わりありません。一般的には高年齢に差し掛かる層の女性に見られ、主な症状は性器からの出血や下腹部痛などです。腟がんは腟の内側の表面内膜にできるものと腺組織にできるものに大別されます。

膣欠損(ちつけっそん)

膣欠損とは、膣の一部または全部が先天的に欠損していることをいい、人によっては子宮も欠損していることがあります。思春期に生理痛らしき腹痛があるにもかかわらず、出血しない(生理がない)といった理由で婦人科を受診して判明することが多く、正常な状態にするためには造腟手術が必要になります。

腟洗浄器(ちつせんじょうき)

腟洗浄器とは、腟内を洗浄するための器具のことをいいます。腟内に洗浄液を入れて洗浄するタイプのものが主流で、おりもの・においが気になるときや、月経の後の腟内に残った血液を洗い流すときに使われます。

腟錠(腟座薬)(ちつじょう・ちつざやく)

腟錠(腟座薬)とは、腟の中に入れるタイプの薬剤のことをいいます。婦人科では腟カンジダや細菌性膣炎の治療で使われる薬に多く、内服薬より大き目のサイズであることがほとんどです。

腟中隔(ちつちゅうかく)

腟中隔(ちつちゅうかく)とは、腟内を縦二つに隔てるような壁ができている状態をいいます。通常は腟内を見る機会がほとんどないため婦人科検診や妊婦検診を機に初めて壁の存在を知ることもあります。治療には壁を手術で除去する方法がありますが、日常生活で特段不便を感じなければ無理に治療をする必要はなく、状況によっては経過観察だけで済むこともあります。

膣トリコモナス症(ちつとりこもなすしょう)

膣トリコモナス症とは、膣トリコモナスという原虫が性器に感染して起こる性感染症です。ほとんどが性交渉によって感染し膣内で炎症を起こして痒みや痛みを感じたり、生臭いおりものが出るなどの症状が生じることがあります。

腟内pH(ちつないペーはー)

腟内pHとは、腟内が酸性かアルカリ性かを示す尺度のことをいいます。理想的な腟内環境はpH3.5~4.5の弱酸性とされており、アルカリ性に傾くと細菌性膣炎や腟カンジダを発症しやすくなります。

腟閉鎖術(ちつへいさじゅつ)

腟閉鎖術とは、腟の前と後ろの壁を縫い合わせて腟口を閉鎖する治療法です。腟や子宮といった臓器の脱出症状を防ぐために行われる方法ですが、術後は性交渉ができなくなります。短時間で行うことが可能な点がメリットで、極めて高齢の方や合併症のある方が選択するケースが多いです。

中間期出血(ちゅうかんきしゅっけつ)

中間期出血とは、生理と生理の間の排卵期に起こる軽度の出血で「排卵期出血」とも呼ばれています。女性ホルモンの分泌量変化によるもので治療の必要はありませんが、出血量が多い、痛みが強いといった場合は医師に相談することをおすすめします。

中用量ピル(ちゅうようりょうぴる)

中用量ピルとは、黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)の2種類の女性ホルモンが配合されている錠剤であり、低用量ピルよりもホルモンの配合量が多いため避妊や月経に関する問題により高い効果が期待できます。 主に緊急避妊のアフターピルや月経周期をずらす「月経移動」を目的として使用されますが、低用量ピルに比べて副作用が強く出る可能性があります。

チョコレート嚢胞(ちょこれーとのうほう)

チョコレート嚢胞とは、子宮以外の箇所に子宮内膜組織が存在する「子宮内膜症」によって卵巣の中に古い血液がたまってできたものを指します。稀にガン化する恐れがありますので、定期的な検査が必要です。

低用量ピル(ていようりょうぴる)

低用量ピルとは黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)の2種類の女性ホルモンが配合されている錠剤です。「経口避妊薬」、「OC」(Oral Contraceptives)とも呼ばれています。 毎日1回服用することにより女性ホルモンの量を調整して妊娠や月経をコントロールすることができ、避妊や生理痛をはじめ、月経前症候群(PMS)、ニキビなどにも効果があります。

TVM手術(てぃーぶいえむしゅじゅつ)

TVM手術とは、子宮や膀胱、直腸や腟などが腟口から脱出してしまう骨盤臓器脱に対する補強療法です。メッシュを用いて腟壁から挿入し、下垂した臓器をハンモックのように支えて治療する手術を行います。 身体への負担が軽く、術後の痛みも軽度で再発率が低いといったメリットがあります。

鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)

鉄欠乏性貧血とは、ヘモグロビン(全身に酸素を運ぶ血中のタンパク質)の構成要素である鉄が不足することで起こる貧血のことをいいます。主な症状は倦怠感や頭痛、めまい、動悸、息切れで、月経のある女性は出血で必然的に鉄分の量が減少してしまうため、この鉄欠乏性貧血が起こりやすくなります。

トリコモナス膣炎(とりこもなすちつえん)

トリコモナス膣炎とは、膣トリコモナスという原虫が膣内で感染して起こる病気です。性行為による感染がほとんどといわれていますが、浴場やプールでも感染することがあります。

「な行」で始まる婦人科用語

軟性下疳(なんせいげかん)

軟性下疳とは、軟性下疳菌によって起こる性感染症です。東南アジア、アフリカ、南米地域などで多く発生している病気であり、日本国内での感染はほとんどありません。 主な症状としては性器の感染部位に豆粒くらいの小さなコブができ、次第に潰瘍となって激しい痛みを伴います。

乳がん(にゅうがん)

乳がんとは、乳房にできる悪性の腫瘍です。母乳を乳頭まで運ぶ「乳管」と呼ばれる管にがんが発生します。近年は女性がかかりやすいがんの1位になっています。若くしてかかる方も多く、30歳代以降はさらに増加する傾向にありますので定期的な検診をおすすめします。

乳管内乳頭腫(にゅうかんないにゅうとうしゅ)

乳管内乳頭腫とは、乳管の中にできる良性腫瘍です。30代後半から50代の女性に多くみられ、乳頭からの分泌物やしこりができたことがきっかけで発覚するケースがほとんどです。原因は解明されていませんが、女性ホルモンのバランス変化が影響しているのではないかといわれており、基本的には医療機関での経過観察が必要となります。

乳腺症(にゅうせんしょう)

乳腺症とは、女性ホルモンのバランスが崩れることによって乳腺に起こる良性疾患の総称です。30~50代の女性によくみられ、乳腺の張りや乳房の痛みがあります。女性ホルモンの影響を受けるため月経前は症状が強くなり、月経が終わると和らぐのが特徴です。 乳腺炎や乳がんのような明確な病気ではありませんが、症状はよく似ているため定期的に検査を受けることが大切です。

乳腺線維腺腫(にゅうせんせんいせんしゅ)

乳腺線維腺腫とは乳腺(母乳を作る組織の総称)にできる良性の腫瘍の1つです。 10代~20代の若い女性に多く見られ、触ると動くしこりの感触があるのが特徴です。腫瘍が大きくなっても特に症状がないようであれば経過観察で済むことが多いですが、乳腺線維腺腫は乳がんとの区別がつきにくいため、病院での検査で治療が必要なものか否かをはっきりさせておく必要があります。なお、原因は明らかになっていないものの、ホルモンバランス崩れが大きく影響しているのではないかとの指摘があります。

乳腺嚢胞(にゅうせんのうほう)

乳腺嚢胞とは、乳管の中に分泌物が溜まって袋状になったものを指します。女性ホルモンのバランスが崩れることが原因と考えられており、基本的には良性で問題はありませんが、稀に乳がんが見つかる場合があるため、精密検査を行うことがあります。

乳腺葉状腫瘍(にゅうせんようじょうしゅよう)

乳腺葉状腫瘍とは、乳腺に発生する腫瘍の中では比較的稀な病変です。良性、境界性、悪性の大きく3つに分類され、発症は30歳〜50歳代の女性に多いといわれています。 原因は解明されていませんが、しこりが急速に大きくなるのが特徴で切除手術が必要となる場合もあるため、早めに病院を受診することが大切です。

尿道カルンクル(にょうどうかるんくる)

尿道カルンクルとは、女性の尿道出口付近にできる良性腫瘍です。 閉経後の女性に多くみられ、無症状が多いですが排尿時に尿道出血や血尿をはじめ、排尿痛や接触痛が起こることもあります。 血流が豊富で刺激を受けやすいため、排尿後に拭いたティッシュや下着に血がつくといった症状で病院を受診する方が多いです。

布ナプキン(ぬのなぷきん)

布ナプキンとは、コットンやシルク、麻などの布でできた生理用ナプキンのことをいいます。洗えば繰り返し使用できるうえ、かぶれやにおいが発生しにくいというメリットがあり、素材やエコにこだわる女性を中心に利用者が増えています。

粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)

粘膜下筋腫とは、子宮内膜の内側にできる筋腫のことをいいます。(子宮筋腫の一種) 子宮筋腫は腫瘍(こぶのようなもの)が子宮のどの辺りにできるかによって症状に違いがありますが、粘膜下筋腫は子宮の内部にできるため、小さい腫瘍でも月経量の増加や激しい生理痛、不妊の原因となることがあります。また、子宮が腫瘍を異物とみなして排出しようとすると、腫瘍が子宮口から飛び出ることもあります。そして、粘膜下筋腫にも有茎のものがあり、茎が捻じれて激しい腹痛や発熱が起きることがあるため注意が必要です。

「は行」で始まる婦人科用語

梅毒(ばいどく)

梅毒とは、梅毒トレポネーマという病原菌による感染症です。主に性交渉によって感染し、全身に症状が現れます。特に20代女性の患者さんが多く、妊娠・出産時に子供に感染することもあるため注意が必要です。

排卵出血(はいらんしゅっけつ)

排卵期出血とは、生理と生理のおよそ中間に起こる出血のことで「中間期出血」とも呼ばれています。 排卵期のときに卵巣内の卵胞からエストロゲンの分泌量が急激に変化することが原因となって、一部の子宮内膜が剥がれ落ち出血が起こることがあります。

排卵痛(はいらんつう)

排卵痛とは、排卵日当日やその前後の日に下腹部に出る痛みのことをいいます。これは卵子が卵胞を突き破って出てくることが原因ですが、通常はさほど気にするほどの痛みではありません。人によってはごく少量の出血がみられる場合(排卵出血)があります。

パジェット病(ぱじぇっとびょう)

パジェット病とは、皮膚内部にあるアポクリン腺に生じる皮膚がんの一種です。好発部位は脇の下や外陰部、鼠蹊部などであり、湿疹やかさぶたのような見た目が特徴です。進行すると患部に痒みや痛みの症状が出ます。

バルトリン腺嚢胞(ばるとりんせんのうほう)

バルトリン腺嚢胞とは、何らかの原因でバルトリン腺(腟口の下両側にあるバルトリン腺液を出す器官)が詰まり、粘液が溜まってできたしこりがバルトリン腺の開口部に生じる病気です。放置しても問題はありませんが、しこりが大きくなって歩く・座るといった動作に支障が出てきた場合は、しこり内部の粘液を吸引する治療をすすめられることがあります。

PMS(ぴーえむえす)

月経(生理)前になると頭痛や腹痛、イライラするなどの症状が起こり、日常生活に支障をきたすことをPMS(生理前症候群)といいます。女性ホルモンの影響で症状が起こる場合があります。

B型肝炎(びーがたはいえん)

B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)というDNA型ウイルスが肝臓に感染して炎症が起こる病気です。肝炎が持続すると、肝硬変や肝臓がんを起こす原因となることがあります。現在、全世界で約4億人が感染しているといわれています。

(乳癌)非浸潤がん(ひしんじゅんがん)

非浸潤がんとは、乳がんで、がん細胞が発生して乳管や小葉の内部にとどまっている段階をいいます。 転移する可能性がほとんどない状態と考えられており、多くの場合適切な治療により完治が見込まれます。

ピックアップ障害(ぴっくあっぷしょうがい)

ピックアップ障害とは、排卵された卵子を卵管の中に取り込むことができない状態をいいます。卵子と精子が受精できない状態で、原因不明不妊の大半を占めているとされています。根本的な治療法は確立されておらず、妊娠を望む場合は体外受精が適応されます。

ビデ

ビデとは、下半身を洗浄するための器具のことをいいます。ビデの形態はさまざまで、ヨーロッパではバスルームに便器と同じ様な形で備え付けられていることが多いですが、日本では温水便座の下半身洗浄機能のことを指している場合がほとんどです。 最近では、腟内にノズルを挿入して洗浄できるハンディタイプの使い捨てビデも販売されています。

HTLV-1

HTLV-1とは、「ヒトT細胞白血病ウイルス1型」(Human T-cell Leukemia Virus Type 1)の略で、血液中の白血球の一つであるTリンパ球に感染して白血病を引き起こす原因となるウイルスです。 HTLV-1は主に母子感染、輸血による感染、性交渉による感染があり、性行為が原因となる場合は男性から女性に感染するといわれています。感染力は極めて低いものの、発症するまではほとんど無症状で、数十年かけて免疫力を低下させていく意味で恐ろしい病気です。

ヒトパピローマウイルス

尖型コンジローマは、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスが原因となって起こる性感染症です。主に性交渉によって感染し、性器や肛門のまわりにイボ状のできものができて痛みや痒みを感じることがあります。

避妊インプラント(ひにんいんぷらんと)

避妊インプラント(皮下インプラント)とは、妊娠を妨げる黄体ホルモンを放出する小さな棒を二の腕の皮膚下に埋め込む避妊法のことをいいます。一度埋め込むと最長3年間避妊効果が持続する上、生理痛軽減の効果も期待できるため、欧米諸国を中心に妊娠をコントロールしたい女性たちから人気がありますが、日本では現在未認可です。

避妊リング(ひにんりんぐ)

避妊リング(IUD)とは、子宮内部に装着する避妊器具です。避妊リングには銅イオンを放出させて妊娠を防ぐ「銅付加リング」や、黄体ホルモンを放出させて妊娠を防ぐ「黄体ホルモン付加リング」の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。 避妊リングは一度装着すれば数年間は避妊効果が持続する上、ピルのように服用し忘れる心配がないため、しばらくの間妊娠を望まない方には適している避妊方法と言えるでしょう。また、「黄体ホルモン付加リング」は避妊効果も非常に高く、費用も長い目でみるとピルを継続するより安く済みますが、子宮に何らかの疾患を抱えている方や、子宮口が狭い方は装着が難しい場合もあります。

肥満外来(ひまんがいらい)

肥満外来(ダイエット外来)とは、医師の指導の下、人体のメカニズムにのっとった適切な方法で減量指導を行う診療のことをいいます。女性の場合は生理周期が減量のタイミングと深く関連するため、最近では婦人科でも肥満外来を設けているところがあります。

ピル(経口避妊薬)

ピル(経口避妊薬)とは、主に避妊に用いられる女性ホルモン剤です。黄体ホルモンと卵胞ホルモンが含まれており、排卵を抑制するなどの効果があります。きちんと服用することで高い避妊効果を発揮します。

フィッツ・ヒュー・カーティス症候群(ふぃっつ・ひゅー・かーてぃすしょうこうぐん)

フィッツ・ヒュー・カーティス症候群とは、女性器から入った何らかの病原体が腹部にまで到達し、骨盤腹膜炎や肝周囲炎などを発症するものをいいます。主な症状は腹痛で、若い女性が性感染症であるクラミジアや淋菌に感染して発症することが多く、治療せずに放置すると不妊の原因になることがあります。

フェミクッション

フェミクッションとは、子宮や腟、直腸や膀胱などが腟口から出てきてしまう「骨盤臓器脱」の治療と予防を目的とした医療機器です。腟内に挿入せずクッションを当てて臓器脱を抑える専用の下着であり、精神的・身体的な負担が少ない治療法として、軽症の方や手術を受けれられない方、ペッサリーが適さない方などに使用されています。

腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)

腹圧性尿失禁は、お腹に圧がかかった時に尿が漏れてしまうことをいいます。咳やくしゃみ、走った時や重い物を持ち上げた時などがきっかけとなる場合が多く、女性の尿失禁で最も発生頻度が高い症状です。加齢や出産で尿道を支えている筋肉が衰えることが原因となり、子宮や腟、直腸や膀胱などが腟口から出てきてしまう「骨盤臓器脱」に合併している場合があります。

腹膜偽粘液腫(ふくまくぎねんえきしゅ)

腹膜偽粘液腫とは、腹部で粘液を出す腫瘍細胞が増殖し、腹腔内に多量の粘液が溜まってしまう病気です。原因となる腫瘍細胞は卵巣や虫垂から腹腔に散らばることが多く、女性に多く発症する傾向が見られます。悪性腫瘍の一つであり、溜まった粘液で他の臓器を圧迫して重篤な状態を引き起こすことがあります。発症は100万人に1人という希少な病気であり、発症原因やメカニズムは解明されていません。

不正出血(ふせいしゅっけつ)

不正出血は、月経(生理)以外のときに性器が出血する症状のことをいいます。なんらかの病気が原因になっていることもありますので、自己判断せず婦人科に相談しましょう。

婦人科形成(ふじんかけいせい)

婦人科形成(女性器形成)とは、女性器の形や大きさといったデリケートゾーンに関する悩みに対して手助けをする治療です。ひとりひとり異なる女性器の大きさや形、厚みや色などを他の人と比べて1人で悩みを抱える女性は非常に多く、美容クリニック・美容婦人科と呼ばれる施設でカウンセリングから施術、アフターケアまで責任を持って治療が行われています。

婦人科検診(ふじんかけんしん)

腟中隔(ちつちゅうかく)とは、腟内を縦二つに隔てるような壁ができている状態をいいます。通常は腟内を見る機会がほとんどないため婦人科検診や妊婦検診を機に初めて壁の存在を知ることもあります。治療には壁を手術で除去する方法がありますが、日常生活で特段不便を感じなければ無理に治療をする必要はなく、状況によっては経過観察だけで済むこともあります。

婦人用体温計(ふじんかたいおんけい)

婦人用体温計とは女性の基礎体温(安静時の体温)を測るための体温計のことをいい、舌の下に当てて測定します。この婦人用体温計で毎日基礎体温を測れば、月経やホルモンバランスによる体調の変化を知ることができますし、妊娠を望む場合には排卵日の予測も可能です。

婦人科問診票(ふじんかもんしんひょう)

婦人科問診票とはその名の通り、婦人科での診察前に現在または過去の健康状態について質問に答える用紙のことをいいます。内容は現在の体調や既往症、服用中の薬などのほか、妊娠・出産歴や婦人科系疾患の既往歴、性交渉経験の有無など、女性の健康に大きな影響を与える事項が質問内容に入っています。

フーナーテスト

フーナーテストとは、排卵日付近の性交後12時間以内に子宮頸管の粘液を採取し、精子の数や運動を観察して状態を調べる検査です。子宮内に十分な精子が侵入しているかどうかを予測します。不妊症検査の一つであり、「性交後試験」とも呼ばれています。

不妊症(ふにんしょう)

不妊症とは、一般的に妊娠を望むカップルが避妊をせずに1年以上にわたって性生活を営んでも妊娠が成立しない症状です。生殖機能に何らかの原因があることが考えられますが、加齢などが原因となって起こることもあり、近年の晩婚化にともない不妊に悩む方が増加しています。

不妊治療(ふにんちりょう)

不妊治療とは、なんらかの理由により自然妊娠に至らない不妊症を改善するための治療です。不妊治療は一般的にはタイミング法、人工授精、体外受精の3種類の治療法があり、検査を行ないながら治療に取り組んでいきます。

ブライダルチェック

ブライダルチェックとは、将来的に妊娠・出産を望む方が受ける総合的な婦人科検診です。妊娠や出産に影響する病気・感染症がないか詳しく検査をします。一般的には結婚前の健康診断を指しますが、結婚前・結婚後あるいは結婚の予定がなくともタイミングを選ばず受けることができます。

ブルーベリースポット

ブルーベリースポットとは、子宮内膜症により子宮内膜組織が子宮以外の場所に存在し、血腫(血の塊)が転々と散らばっている状態のことをいいます。この名称はその血腫がブルーベリーのような黒っぽい青色をしていることに由来しています。

プロゲステロン

プロゲステロン(黄体ホルモン)は女性ホルモンの一種です。妊娠の準備をするために子宮内膜をやわらかくして整えたり、基礎体温を上げるはたらきがあります。

プロスタグランジン

プロスタグランジンとは、痛みや熱を出させたり、内蔵を収縮させたりするホルモンのことをいいます。生理が始まると生理痛が起こるのは、子宮内膜と経血を外に押し出すためにプロスタグランジンが痛みを発生させながら子宮を収縮させているからです。

ペッサリー

ペッサリーとは、腟に挿入して使用する医療器具のことをいいます。昔は避妊目的で使用されることも多かったですが、現在では性器脱の治療として使われることがほとんどです。装着し続けると腟の粘膜が傷ついたり、感染症による炎症を引き起こしてしまう可能性があるため、遅くとも1年に1回は交換する必要があります。

膀胱炎(ぼうこうえん)

膀胱炎とは、尿道から侵入した細菌が膀胱内で増殖した結果、膀胱の内膜に炎症が起きてしまう病気のことをいいます。発症すると残尿感や排尿痛、血尿、頻尿、尿の白濁などの症状が現れます。原因である細菌の種類は圧倒的に大腸菌が多いですが、性的活動期の女性の場合はクラミジア感染が原因になっている場合もあります。

膀胱瘤(ぼうこうりゅう)

膀胱瘤とは、骨盤底筋が出産や加齢で衰えたことで膀胱の位置が下がり、腟から飛び出してしまうことをいいます。治療法には手術や腟内医療器具の使用などがありますが、普段から骨盤底筋が衰えないようにトレーニングすることも効果的です。なお、膀胱瘤は高齢の方だけではなく、出産経験がある比較的若い女性にも見られます。

「ま行」で始まる婦人科用語

マイコプラズマ

マイコプラズマとは、性行為が感染経路となる性感染症の一つであり、のどや膣、尿道に感染する細菌です。名前が似ている「マイコプラズマ肺炎」とは別の細菌になります。感染すると女性はおりものが増える、性器の異臭、男性は排尿痛、尿道の違和感、かゆみ・膿が出るといった症状がみられ、放置していると炎症が起こり不妊の原因にもつながります。キスだけでも感染する場合がありますので注意が必要です。

慢性乳腺炎(まんせいにゅうせんえん)

慢性乳腺炎とは、産褥期にみられる乳腺の炎症です。なんらかの原因によって乳腺内に細菌が入り込んで「化膿性乳腺炎」を発症し、乳腺内に膿のかたまりができたり、乳頭から膿が出たりといった症状を長期間にわたって繰り返します。

マンマ

マンマとは、「Mamma Cancer」(乳がん)が由来となっている、乳がんもしくは乳腺外科を指す言葉です。単純に乳房を指すこともあります。 一般的にはマンマといえば幼児語で「ご飯」を連想する方も多くいらっしゃいますが、医療従事者のあいだでよく使われる用語の一つです。

マンモグラフィ

マンモグラフィは乳房専用のレントゲン装置です。マンモグラフィ検査によって通常の診察では分からない乳がんの初期症状などを画像で捉えることができます。乳がんの早期発見に欠かせない検査ですので、定期的に検診を受けるようにしましょう。

ミニピル

ミニピルとは、女性ホルモンの卵胞ホルモン(エストロゲン)を含まず黄体ホルモン(プロゲステロン)のみ配合されている錠剤です。 毎日服用することで低用量ピルと同じく高い避妊効果が得られるほか、エストロゲンを含まないため副作用が理由で低用量ピルが適用とならなかった方でも安全に服用することが可能です。

ミレーナ

ミレーナとは、子宮内に挿入して使用するT字型の形状の器具です。避妊手術以外の中では最も高い避妊効果があるとされており、緊急避妊薬の成分としても使用されている「レボノルゲストレル」が約5年間持続的に放出されます。 避妊効果以外に、過多月経や月経困難症の治療薬としても活用されているほか、低用量ピルを服用できない方でも使うことができます。

無月経(むげっけい)

無月経とは月経(生理)がない状態のこといいます。一般的に3ヶ月以上月経がない状態を指し、妊娠や授乳などの理由で起こる場合は問題ありませんが、ストレスや無理なダイエット、または何らかの病気が原因となっている場合がありますので、早めに検査を行なうことをオススメします。

無排卵症(むはいらんしょう)

無排卵症とは、通常およそ1ヶ月に1回行われる排卵が起こらない状態のこと指します。あらゆるホルモン障害やホルモン分泌の異常で無排卵症になることがあり、原因は多岐に渡りますが、不妊の原因にもなるため早めのケアが必要です。

無排卵性出血(むはいらんせいしゅっけつ)

無排卵性出血とは、月経以外のときに性器が出血する「不正出血」のうちホルモンバランスの変化や乱れによって起きやすくなる症状の一つです。 月経が8日以上続いたり、月経あるいは月経様の出血が頻繁にあったりするような場合も、実は排卵が起こっていないための無排卵性出血であることが少なくありません。

無排卵性月経(むはいらんせいげっけい)

無排卵性月経とは、月経(生理)があっても排卵が起こっていない状態を指します。主にストレスが原因となることが多く、月経時の出血の量が少ない・月経がだらだらと長く続くなどの症状がみられます。症状が長引くと妊娠がうまくいかなくなる原因にもなりますので注意が必要です。

「や行」で始まる婦人科用語

ヤッペ法

ヤッペ法とは、プラノバールなどの中用量ピルを使った緊急避妊法です。 性交後72時間以内に2錠服用し、さらに1回目の服用から12時間後にもう2錠服用します。ヤッペ法は1970年から利用されていますが、現在はアフターピルを使用するレボノルゲストレル法が緊急避妊法の主流となっています。

「ら行」で始まる婦人科用語

ラクトバチルス菌(らくとばちるすきん)

ラクトバチルス菌とは、人体に生息する善玉乳酸菌のことをいい、膣や子宮内の環境を整え、病気の原因となる細菌の繁殖を抑える効果があります。また、最近では妊娠率の向上や流産の予防効果の面でも注目され始めています。

卵管炎(らんかんえん)

卵管炎とは、子宮と卵巣をつなげている卵管に細菌が感染して炎症が起こる疾患です。主に大腸菌やクラミジアなどが出産や性交渉によって腟から入り込み症状が起こります。 慢性化すると卵管が詰まって不妊症の原因になることがあり、周りの臓器にも炎症が広がる危険があるため注意が必要です。

卵管がん(らんかんがん)

卵管がんとは、卵管(卵子と精子が出会うための管)にできるがんのことをいいます。罹患者の多くは閉経後の女性ですが、他の婦人科系がんと比べると発症率が低い希少がんです。発症すると水様のおりもの、腹痛、腹部膨満感などの症状が現れます。

卵管采(らんかんさい)

卵管采とは、卵管の先端にあたる部分のことをいい、卵巣から排出された卵子を受け止めて卵管の中に導く役割を担っています。この卵管采がきちんと卵子をキャッチしなければ卵子を卵管の中に導けないため、卵管采がうまく機能しない場合は妊娠を希望していても卵子と精子が出会わず、受精・妊娠が難しくなります。

卵管水腫(らんかんすいしゅ)

卵管水腫とは、卵管に炎症が起こって卵管の先端が閉塞し、血液や膿などの分泌液が溜まってしまう病気です。卵管が閉じて卵子と精子が出会うことができないため不妊の原因になります。炎症が起きてしまう主な原因には細菌感染や手術などが挙げられますが、最近ではクラミジア感染症が原因となっていることが多く、赤ちゃんを望む場合は男女ともに出来れば感染しないように注意する必要があります。

卵管留血腫(らんかんりゅうけっしゅ)

卵管留血腫(卵管留血症)とは、血液が卵管内に貯留して炎症が起こる状態のことをいいます。進行すると卵管の先端が閉塞して水分が溜まる「卵管留水腫」となり、不妊の原因になります。卵管に膿が溜まる「卵管留膿腫」と合わせて「卵管留症」とも呼ばれています。

卵管留水腫(らんかんりゅうすいしゅ)

卵管留水腫とは、卵管に水分が溜まって腫れている疾患です。クラミジアなど感染症や子宮内膜症、手術や子宮外妊娠が主な原因に挙げられます。 卵管が炎症を起こし閉塞している状態とも言え、おりものの増加、腹痛といった症状があり不妊症の原因になる可能性もあります。

卵管留膿腫(らんかんりゅうのうしゅ)

卵管留膿腫(卵管留膿症)とは、卵管に細菌が感染し膿が溜まって炎症が起こる状態のことをいいます。症状が進行すると卵管の先端が閉塞して水分が溜まってしまう「卵管留水腫」となり、不妊の原因になることがあります。

卵巣炎(らんそうえん)

卵巣炎とは、卵管に細菌が感染して起きた「卵管炎」が卵巣にまで広がったものです。 卵管は炎症を起こしやすく、卵巣にまで広がることがほとんどでこれらを合わせて「子宮付属器炎」といいます。 原因は主に出産や性交渉などによって細菌が腟に感染し炎症を起こします。慢性化すると不妊症や大きな合併症を引き起こす可能性があります。

卵巣腫瘍・卵巣嚢腫(らんそうしゅよう・らんそうのうしゅ)

卵巣腫瘍とは、卵巣に腫瘍が発生した状態のことをいいます。腫瘍は悪性と良性に分けられ、悪性の場合は卵巣がんとなります。一方、卵巣嚢腫は良性に分類され、良性腫瘍の中でも比較的生じやすいとされています。

卵巣出血(らんそうしゅっけつ)

卵巣出血とは、何らかの刺激により卵巣から出血することをいいます。排卵期に見られる排卵出血はこの代表的な例ですが、なかには子宮内膜症や性交渉が出血の引き金となっているものもあります。

卵巣嚢腫茎捻転(らんそうのうしゅけいねんてん)

卵巣嚢腫茎捻転とは、嚢腫で卵巣が重くなったことで卵巣と子宮をつないでいる部分(茎)がねじれ、激しい腹痛を引き起こしてしまう病気です。茎がねじれることで卵巣に血液が行き届かなくなり、卵巣が壊死してしまうこともあるため、卵巣嚢腫茎捻転が疑われる場合は早急に治療(手術)する必要があります。

卵巣破裂(らんそうはれつ)

卵巣破裂とは、卵巣に生じた腫瘍・嚢腫が大きくなることで起こる症状です。妊娠や出産、運動などがきっかけになることがあり激しい痛みに見舞われ、時には気を失ってしまう場合もあります。緊急手術が必要になるケースがほとんどで、予防するためには定期的に婦人科で検査を受けることが大切です。

淋菌感染症(りんきんかんせんしょう)

淋菌感染症とは、主に性交渉によって淋菌という病原菌に感染して起こる病気です。男性に比べて女性は無症状な場合が多いといわれていますが、おりものに異常が見られたり下腹部痛を起こすことがあります。

淋菌性子宮頸管炎(りんきんせいしきゅうけいかんえん)

淋菌性子宮頸管炎とは、淋菌による性感染症です。子宮頸管が炎症を起こし、おりものの増加や異臭、発熱、外陰部のかゆみ、性交時痛・出血などの症状が引き起こされるほか、治療せず長期間放置しておくと不妊症の原因となる恐れがあります。

淋菌性腟炎(りんきんせいちつえん)

淋菌性腟炎とは性感染症の一種であり、淋菌の感染によって引き起こされる腟炎です。主な症状としては黄緑色のおりものが出る、腟のかゆみなどが挙げられますが、自覚症状がない場合も少なくありません。 また、腟だけでなく子宮頸管や卵管など淋菌の感染がさらに広がることがあり、不妊症の原因となる恐れがあります。

リンパ浮腫(りんぱふしゅ)

リンパ浮腫とは、リンパ管内のリンパ液が流れにくくなったことで生じる体のむくみのことをいい、重症化すると腕や脚に感じる重さや見た目も劇的に変わってしまうことがあります。また、リンパ浮腫は、子宮がんや卵巣がんの手術でリンパ節を切除した際に起こりうる合併症の一つです。

淋病(りんびょう)

淋病とは、淋菌が感染して起こる性感染症の一種です。性交渉などによって女性の場合は性器、男性の場合は尿道から感染し炎症を起こします。 淋菌性子宮頚管炎や咽頭淋病、淋菌性尿道炎の原因となり、不妊症や子宮外妊娠につながる恐れがあるため適切な治療が必要です。

レイノー現象(れいのーげんしょう)

レイノー現象とは、寒冷刺激で手足の指先といった部分の皮膚が白色や紫になることをいいます。血管の萎縮・痙攣によって血行障害を発している状態でしばらくすると治まっていきます。秋から冬にかけてよく見られ、特に女性に多いとされています。 痺れや痛みを伴う場合もあり、なんらかの病気が原因となっている可能性があるため注意が必要です。

レディースドック

レディースドックとは、女性の健康を守るために用意されている人間ドックです。通常行われる人間ドックのプランに加えて、子宮がんや乳がんといった婦人科系疾患に関する検査を組み合わせて受けられます。病気の早期発見と治療につながるので年齢に関わらず定期的に受診することをおすすめします。

レボノルゲストレル

レボノルゲストレルとは、日本国内で認可されている緊急避妊薬(アフターピル)に含まれる有効成分です。 女性ホルモンである黄体ホルモンの一種で、性交渉で避妊が失敗又はできなかった際に緊急で用いる避妊薬であり、72時間以内に服用することで効果を発揮します。