「更年期障害」の治療法のひとつとして漢方療法があります。
当院が考えるこの漢方療法の特徴や、具体的な製剤(漢方薬)を一部ご紹介します。
「更年期障害」治療における漢方療法の4つの特徴
- 1日本では、ホルモン療法が普及する以前から取り入れられてきた治療法である。
- 2ホルモン非依存的な症状に対しても、幅広い対応が可能である。
- 3女性ホルモン剤のような、発癌や血栓性疾患に対するリスクはない。
- 4全般的に重篤な副作用の発現は少ない。
「更年期障害」が効能に謳われている漢方製剤(漢方薬)
当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)
効能又は効果
筋肉が一体に軟弱で疲労しやすく、腰脚の冷えやすいものの次の諸症:貧血、倦怠感、更年期障害、月経不順、月経困難、不妊症、動悸、慢性腎炎、妊娠中の諸病、脚気、半身不随、心臓弁膜症
組成
日局シャクヤク(芍薬)/日局ブクリョウ(茯苓)/日局ソウジュツ(蒼朮)/日局センキュウ(川きゅう)/日局タクシャ(沢瀉)/日局トウキ(当帰)
参考(使用目標=証)
当帰芍薬散は、比較的体力の低下した成人女子に用いられることが多く、一般に冷え症で貧血傾向があり、性周期に伴って軽度の浮腫、腹痛などを呈する場合に用いる。
- 1全身倦怠感、四肢冷感、頭痛、めまい、耳鳴、肩こり、心悸亢進などの症状を訴える場合。
- 2無月経、過多月経、月経困難など、月経異常のある婦人。
加味逍遥散エキス顆粒(医療用)
効能又は効果
体質虚弱な婦人で肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症:冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症
組成
日局サイコ(柴胡)/日局サンシン(山梔子)/日局シャクヤク(芍薬)/日局ボタンピ(牡丹皮)/日局ソウジュツ(蒼朮)/日局カンゾウ(甘草)/日局トウキ(当帰)/日局ショウキョウ(生姜)/日局ブクリョウ(茯苓)/日局ハッカ(薄荷)
参考(使用目標=証)
比較的虚弱な人で疲労しやすく、精神不安、不眠、イライラなどの精神神経症状を訴える場合に用いる。
- 1肩こり、頭痛、めまい、上半身の灼熱感、発作性の発汗などを伴う場合。
- 2心窩部・季肋部に軽度の抵抗・圧痛のある場合。(胸脇苦満)
- 3性周期に関連して上記精神神経症状を訴える場合。
加味逍遥散エキス顆粒(医療用)
効能又は効果
体力はしっかりしていて赤ら顔が多く、腹部は大体充実、下腹部に抵抗のあるものの次の諸症:子宮並びにその附属器の炎症、子宮内膜炎、月経不順、月経困難、帯下、更年期障害、冷え症、腹膜炎、打撲症、痔疾患、睾丸炎
組成
日局ケイヒ(桂皮)/日局ブクリョウ(茯苓)/日局シャクヤク(芍薬)/日局ボタンピ(牡丹皮)/日局トウニン(桃仁)
参考(使用目標=証)
体力中等度もしくはそれ以上の人で、のぼせて赤ら顔のことが多く、下腹部に抵抗・圧痛を訴える場合に用いる。お血に伴う諸症状に用いる。
- 1頭痛、肩こり、めまい、のぼせ、足の冷えなどを伴う場合。
- 2無月経、過多月経、月経困難など月経異常のある婦人。
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