産科で耳にする用語を解説しています。

「あ行」で始まる産科用語

アクティブバース

アクティブバースとは、分娩の場所や体勢などを妊婦さんが自由に選ぶ出産スタイルのことをいいます。また、医療の介入を最小限にとどめる点も特徴ですが、その分、ハイリスク出産となる場合は推奨されません。アクティブバースを希望される場合はかかりつけの医師に相談したうえで、アクティブバースを実施している病院を探しましょう。

安定期(あんていき)

安定期とは、一般的に妊娠5ヶ月以降の時期のことをいいます。この頃になるとにつわりの症状が落ち着き、心身ともに安定した妊婦生活が送れるようになるのが特徴です。医師に確認して経過が順調であれば、この時期に適度な運動や出産の準備を始めておくとよいでしょう。

異所性妊娠(いしょせいにんしん)

異所性妊娠(子宮外妊娠)とは、受精卵が子宮内膜に着床して成立する正常な妊娠とは異なり、子宮内膜以外へと着床した妊娠のことをいいます。1~2%程度の頻度で起こるといわれており、卵管に着床するケースが最も多くみられます。異所性妊娠が起こると妊娠の進行とともに生命の危険を伴なうことがありますので、早期の発見が不可欠です。

戌の日(いぬのひ)

戌の日とは、一年のうちで12日に一度到来する日のことをいいます。これは干支で11番目の戌年が由来になっていますが、戌(犬)は多産であることから妊婦さんにとって縁起が良いとされ、安定期に入る妊娠5カ月目の戌の日に神社やお寺で安産祈願を行う方がいらっしゃいます。

hCG(えいちしーじー)

hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)とは、妊娠が成立すると後に胎盤になる部分から急激に分泌されるホルモンです。妊娠の成立・維持に欠かせないホルモンであり、胎盤の絨毛組織のみから分泌され、エストロゲンとプロゲステロンの産生・分泌を促します。尿中に排泄されるため妊娠判定に利用されています。

会陰切開(えいんせっかい)

会陰とは、腟と肛門のあいだの部分を指します。会陰切開は、出産時に赤ちゃんの分娩がスムーズに進むように会陰を切開する処置です。出産時に会陰が裂傷してしまうのを避けるために行われることがあります(特に初めてのお産の時)。

NICU(えぬあいしーゆー)

新生児集中治療室をNICU(Neonatal Intensive Care Unit)といいます。出産日より早く産まれてしまった早産児や、出産時に少し小さく生まれてしまった低出生体重児、または何らかの疾患や症状がある赤ちゃんを集中的に管理し治療する場所です。

オキシトシン

オキシトシンとは脳下垂体後葉から分泌されるホルモンで、出産時に子宮を収縮させたり、母乳を分泌させたりする働きをします。近年では幸福感や意欲を感じているときに分泌される「幸せホルモン」として認知が進み、ストレス軽減の作用や美容効果などに期待が寄せられています。

お食い初め(おくいぞめ)

お食い初めとは、赤ちゃんが「生涯食べることに困らないように」との願いを込めて行われる儀式です。乳歯が生え始める生後100日目前後に行われることから百日祝い(ももかいわい)と呼ばれることもあります。儀式では赤ちゃんに鯛や赤飯などの固形物の食事を用意しますが、この時期はまだ食べられないため、実際の儀式では赤ちゃんに食事を食べさせる真似をします。

おしるし

おしるしとは、出産が近づいているときに現れる症状の一つで、膣から少量の血液が混じった粘液が出てきます。これは出産に備えて子宮が少しずつ収縮し、子宮口が開き始めたことを意味しますが、おしるしがきたからといってすぐ出産が始まるわけではなく、個人差があります。

お宮参り(おみやまいり)

お宮参りとは、赤ちゃんが無事生まれたことを神様(産土神 うぶすながみ)にご報告するとともに、感謝の気持ちをお伝えする行事です。具体的には生後1か月目に赤ちゃんが生まれた土地の神社に出向き、お父さんやお母さん、場合によっては祖父母などの親戚と一緒にお参りにいきます。 お宮参りは思い出に残る大変喜ばしい行事ですが、必ず行わなければならないものではありません。産後のお母さんや赤ちゃんの体調に不安が残る場合などの理由で神社へのお参りを控える方もいらっしゃいますので、心身にストレスがかかるようであれば無理に行動しないようにしましょう。

悪露(おろ)

悪露(おろ)とは、出産後に子宮が元の状態に戻ろうとしている過程で排出される分泌物や出血のことを言います。 時間とともに徐々におさまっていきますが、出産後に必要な生理現象です。

「か行」で始まる産科用語

回旋異常(かいせんいじょう)

回旋異常とは、分娩の際に胎児がうまく動けない状態のことをいいます。通常、分娩の際は胎児自ら体を丸めて回旋しながら産道を通りますが、子宮内の胎盤や腫瘍などが障壁となって上手に回旋できなくなることがあります。

過期産(かきさん)

過期産とは、妊娠42週を過ぎた時期に出産することをいいます。一般的な妊娠期間は37週から40週の間とされていますが、40週特に41週を過ぎても陣痛の兆候が現れない場合は、赤ちゃんにリスクが生じる可能性が高くなるため、陣痛促進剤を投与して分娩を促進させる、または帝王切開を行うといった医学的処置を行うことがあります。

カンガルーケア

カンガルーケアとは、生まれたばかりの裸の赤ちゃんをお母さんの胸に抱かせる保育方法のことをいいます。出産直後にスキンシップを取ることで親子の絆を深めたり、お母さんの母乳の分泌を促したりする効果が期待できるといわれています。もともとは保育器不足だった発展途上国の病院で、お母さんに赤ちゃんを抱かせて保温してもらっていたことが始まりでした。日本でもこのカンガルーケアを実施している病院は多いですが、呼吸停止をはじめとする事故を防止するため実施しない方針の病院や、お母さんに実施希望の有無を事前に確認する病院もあります。

吸引分娩(きゅういんぶんべん)

吸引分娩とは、胎児の頭にシリコンもしくは金属製のカップをつけ、吸引圧をかけて身体全体を引っ張ることで胎児を引き出す方法です。分娩を自然に進めることが難しい状況となったときの緊急処置として行なわれることがあります。

計画分娩(けいかくぶんべん)

計画分娩とは、出産する日をあらかじめ決めて分娩を誘発することをいいます。予定日を過ぎている場合や妊娠の継続が母体に悪影響を及ぼす場合、または無痛分娩の際に行われることが多く、いずれも医師と相談の上予定日を決定します。 誘発には陣痛促進剤や医療バルーンが用いられ、無痛分娩ではない限り痛みは通常の分娩と同じに感じますが、人為的に分娩を促すことで自宅や外出先で急に陣痛が始まってしまうなどの不測の事態を避けられるメリットもあります。

経産婦(けいさんぷ)

過去に分娩を経験している女性を経産婦といいます。経産婦は初めて出産を経験する初産婦に比べて産道が広がりやすい場合があり、お産にかかる時間が短くなることが多いといわれています。

経腹超音波検査(けいふくちょうおんぱけんさ)

経腹超音波検査とは、超音波を発するプローブと呼ばれる器具をお腹の上に当てて子宮や胎児の様子を確認する方法です。主に妊娠中期以降に行なわれることが多い検査です。

経膣分娩(けいちつぶんべん)

赤ちゃんが産道を通って膣から生まれてくることを経膣分娩といいます。経膣分娩の中には、可能な限り医療介入をせず全く自然に産まれる自然分娩や、医療処置が必要な分娩(吸引分娩、鉗子分娩など)があります。

顕微授精(けいびじゅせい)

顕微授精とは体外受精の一種であり、顕微鏡で視野を拡大しながら細い針を使って精子を卵子に直接注入する方法です。 通常の体外受精は採取した卵子が入った培養液に精子を加えて受精卵を得ますが、精子の数が足りないなどの理由で妊娠の成立が見込めない場合に行われることがあります。

稽留流産(けいりゅうりゅうざん)

稽留流産とは、出血や腹痛などの自覚症状がなく流産している状態をいいます。超音波検査で胎児の姿が確認できない又は心拍が停止していることで初めて分かる場合が多く、主な原因は受精卵の染色体異常によると考えられています。

ケトン体(けとんたい)

ケトン体とは、体内の脂肪がエネルギーに変えられてできる物質のことを指します。つわりの症状が重くなり、食事や水分がとれなくなると身体が飢餓状態や脱水症状を起こすことがあり、代わりに脂肪をエネルギーに変えてケトン体を出すようになります。ケトン体の数値は尿検査で調べることができ、つわりの重さを表す目安にもなります。

合計特殊出生率(ごうけいとくしゅしゅっしょうりつ)

合計特殊出生率とは、15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したものであり、1人の女性が平均して一生の間に何人の子どもを産むのかを推計する人口統計上の指標です。この指標を活用することによって時代や地域ごとの出生率の増減を比較することができます。15歳から49歳までの女性の年齢別出生率に限定しているため「特殊」と付けられています。

後陣痛(こうじんつう)

後陣痛とは、産後の子宮が元の状態に戻ろうと収縮することで生じる、生理痛によく似た痛みのことをいいます。この痛みは産後数日間続くため、痛みが強いときは鎮痛剤を処方されることがあります。

硬膜外麻酔(こうまくがいますい)

硬膜外麻酔とは、麻酔方法の一つです。無痛分娩や帝王切開のほか、腹腔鏡手術にも用いられる麻酔方法で、背中からカテーテルを入れて麻酔薬を投与します。 カテーテル挿入時に痛みを感じることがありますが、硬膜外麻酔には他の麻酔方法と比べて鎮痛効果が高いため、幅広い手術で採用されています。

抗ミューラー管ホルモン(こうみゅーらーかんほるもん)

抗ミューラー管ホルモン(AMH)とは、発育途中の卵胞から分泌されるホルモンのことをいいます。抗ミューラー管ホルモンの値は卵巣に残っている卵子の数を推測する際の目安になるため、多くの不妊治療クリニックではこの値を調べる血液検査を実施しています。

こむら返り(こむらがえり)

こむら返りとは、足のふくらはぎから指先にかけての筋肉が痙攣する状態を指します。激しい痛みを伴うことがあり、よく「足がつる」と表現されますが正式には「腓腹筋痙攣」(ひふくきんけいれん)といい、原因は主に血液中のミネラルの不足や、足の筋肉の疲れなどがあります。妊娠の中期から後期にかけて起こりやすいトラブルの一つです。

高齢出産(こうれいしゅっさん)

高齢出産とは、35歳以上の女性が出産することをいいます。この35歳とは日本産婦人科学会で定義されている年齢ですが、以前は30歳とされていました。出産年齢の高齢化には主に昨今の晩婚化などが背景にありますが、これ以外にも長期間にわたる不妊治療の結果、高齢出産となる場合もあります。高齢出産は流産や難産などのリスクが高くなることがわかっていますが、母子ともに問題なく出産できる場合も多く、この点には個人差があります。

コット

清浄綿とは少量の消毒液を染み込ませたコットンのことをいい、主に赤ちゃんのお尻や顔、お母さんの悪露を拭くときに使われます。商品のなかには精製水だけを染み込ませたものもあります。

「さ行」で始まる産科用語

さい帯血(さいたいけつ)

さい帯血はお母さんと赤ちゃんを繋ぐさい帯(へその緒)の中を流れている血液です。さい帯血には体に必要な細胞を作り出す「造血幹細胞」が多く含まれており、近年は白血病や再生不良性貧血など血液の病気の治療に応用されています。

座位分娩(ざいぶんべん)

座位分娩とは、座った体勢で分娩することをいいます。座る体勢を取ることで腹部に力が入っていきみやすくなる、産道が広がるといったメリットがあり、最近は座位にできる特別な分娩台を取り入れている病院も多くなっています。

臍ヘルニア(さいへるにあ)

臍ヘルニアとは、いわゆる「でべそ」の状態のことをいいます。通常、へその緒が取れた後の穴は自然に閉じますが、臍ヘルニアは閉じるのが遅れたためにその部分の皮膚が腸で押されて膨らんでしまい、でべその状態になってしまいます。臍ヘルニアの程度が強い場合は手術を行うこともあります。

逆子(さかご)

逆子(骨盤位)とは、お腹の中の赤ちゃんが下半身を子宮口側に向けている状態を指します。通常、胎児は頭から産道を通って生まれてきますが、逆子の場合は下半身から産道を通るためトラブルが起こる恐れがあります。逆子の多くが出産までのあいだに自然に通常の状態に落ち着きますが、胎児の向きには注意して医師の指示を仰ぎましょう。

産褥期(さんじょくき)

産褥期とは、出産後に体が妊娠前の元に状態に戻るまでの期間のことをいいます。具体的には産後約2か月(6週間~8週間)の期間であり、心身共に疲れやすいのが特徴です。産褥期の長さは出産時の状況やお母さんの元々の体力、出産後の環境や状況などにも左右されますが、いずれにせよ、長引かせないためにはできる限り体を休めることが大切です。

産褥ショーツ(さんじょくしょーつ)

産褥ショーツとは、出産後に腟から出る悪露(おろ)のケアを目的とした下着のことをいい、通常は悪露を受け止めて吸収する産褥パッドと併用します。股の部分が開閉するものの場合はショーツ自体を脱がずに産褥パッドを交換できます。

産褥体操(さんじょくたいそう)

産褥体操とは、産後に骨盤まわりの筋肉を鍛える体操のことをいいます。妊娠中に緩んだ筋肉を引き締める効果があるほか、悪露を排出させて子宮の回復を早める効果が期待できますが、帝王切開や会陰切開の傷が痛む場合は無理に早期から開始せず、痛みが引いてから行いましょう。

産道(さんどう)

産道とは、経腟分娩時に赤ちゃんが通る道のことをいいます。具体的には子宮口や子宮頸管、腟、外陰部などが該当し、赤ちゃんが外に出るまでに通る部分は概ねこの産道に該当すると言って良いでしょう。 分娩が始まっているのもかかわらず産道が硬いままだと難産の原因となる可能性があるため、子宮口などに注射を打って柔らかくする処置が行われる場合もあります。

産道感染(さんどうかんせん)

産道感染とは、分娩時に胎児が産道(子宮、子宮頸管、腟、外陰部)に付着したウイルスや細菌に感染してしまうことをいいます。産道感染を予防するため、初期の妊婦検診で梅毒やクラミジアの感染が判明した場合は早期に治療を行います。

産道裂傷(さんどうれっしょう)

産道裂傷とは、出産で子宮頸管や腟が裂けることをいいます。子宮内で成長した胎児が細い産道を通る経腟出産においては珍しいことではなく、裂けてできた傷は縫合して治療します。傷の痛みは産後1週間程度で和らいできますが、裂傷部分が会陰である場合は痛みが強くなる傾向があります。

子宮頸管無力症(しきゅうけいかんむりょくしょう)

子宮頸管無力症とは、臨月ではない時期に子宮口が開いてしまい、胎児を子宮内にとどめておくことができなくなる病気をいいます。腹痛やお腹の張りなどの自覚症状がないまま起こるのが特徴で、そのまま流産や死産となってしまう場合があります。原因は不明ですが、手術で子宮口を縛る治療法があります。

子宮口(しきゅうこう)

子宮口は、妊娠中に赤ちゃんが過ごしている子宮の入り口で、腟につながっています。通常は閉じていますが、出産時には約10cmくらいまで開いて赤ちゃんが通れるようになります。

子宮底長測定(しきゅうていちょうそくてい)

子宮底長とは、子宮の底部から上端までの長さのことを指します。子宮底長を測定し、妊娠中の子宮がどれくらい膨らんでいるかを数値で表すことによって、胎児の発育状況や羊水の量、順調に妊娠が進んでいるかどうかのおおよその目安を知ることができます。

子宮内胎児発育不全(しきゅうないたいじはついくふぜん)

子宮内胎児発育不全とは、その週数に比べて胎児の発育が遅れている状態のこといい、胎児の体重が平均より軽いのが特徴です。原因は、胎児の染色体異常、母体の妊娠高血圧症候群やアルコール、喫煙、栄養失調など多岐にわたります。

子宮復古(しきゅうふっこ)

子宮復古とは、妊娠によって大きさや長さが増した子宮が分娩後に妊娠前の状態へと徐々に戻ることをいいます。 出産後、約6〜8週間の期間に体が元の状態へと戻る「産褥期」と呼ばれる時期に起こる変化の一つであり、4週間ほどで妊娠前の大きさに近づき、約6〜8週間で妊娠前と同じ状態へと戻ります。赤ちゃんに母乳を与えることで子宮復古が促進されるといわれています。

自然流産(しぜんりゅうざん)

自然流産とは、何らかの原因で妊娠が22週目未満で自然に終了してしまうことをいいます。特に妊娠12週目までに起こることがある早期流産のほとんどが自然流産で、誰にでも起こる可能性があります。

自宅出産(じたくしゅっさん)

自宅出産とは、その言葉のとおり自宅で出産することをいい、通常は助産師や看護師が分娩のサポートを行うことがほとんどです。自宅出産はいつも通りの環境でリラックスして出産が臨めることや、家族が立ち会いやすいなどのメリットがある反面、容体が急変して高度な医療介入が必要になったときに迅速に対応できないといったデメリットもあります。そのため、お母さんや赤ちゃんの状態によっては自宅出産が難しい場合もあります。

GBS(じーびーえす)

GBSとは、「B群溶血性連鎖球菌」(Group B Streptococcus)と呼ばれる細菌です。 腸や腟などに存在する常在菌の一種であり自覚症状もない場合がほとんどですが、分娩時に赤ちゃんへ産道感染すると肺炎や敗血症、髄膜炎などの感染症を引き起こす恐れがあります。 そのため、妊娠34〜35週頃までに検査を行ってGBSを保有していることが分かった場合は抗菌薬を使用して予防します。

GBS検査(じーびーえすけんさ)

GBS検査は、妊娠後期の34〜35週頃に行う妊婦健診の一種です。腟の入り口付近や肛門の周辺を綿棒で軽くこすり、培養検査でGBSという菌の有無を調べます。分娩時に赤ちゃんに菌が産道感染するのを防ぐことを目的とした検査のため、妊娠後期に行います。

出生前診断(しゅっしょうまえしんだん)

出生前診断は、赤ちゃんが生まれる前に病気や奇形などの異常がないかどうかを調べる検査のことをいいます。赤ちゃんの健康状態を早く把握できることで、出産後の生育環境などを準備しておくことができます。

出生率(しゅっしょうりつ)

出生率とは、一定人口に対する1年間の出生数の割合です。一般的には人口1,000人当たりの1年間の出生児数を指し、普通出生率または粗出生率ともいいます。日本では毎年10月1日現在の人口が基準となり、死産も含めた場合は出産率といいます。

授乳(じゅにゅう)

授乳とは、赤ちゃんにお乳を与えることをいい、出産してから間もない頃は頻繁に授乳しなければなりません。しかし、赤ちゃんが成長するにつれて授乳間隔は長くなり、お母さんも体力的に楽になっていきます。

助産院(じょさんいん)

助産院とは、助産師が分娩の介助やお母さんと赤ちゃんの体調管理のために保健指導を行う施設のことをいいます。自宅のようなアットホームな雰囲気の中、自由な体勢で出産に臨めますが、医師が常駐していないので帝王切開や薬剤の投与などの医療行為ができません。そのため、双子などの多胎妊娠や合併症を発症しているお母さん、高齢での初産、不妊治療による妊娠の場合などは助産院で出産できないことがあるので、分娩場所を探す際はこの点を留意しておきましょう。

助産師(じょさんし)

助産師とは、お母さんのお産や育児を心身ともにサポートしていく専門家です。お産の介助をはじめ、妊婦の出産前後の健康管理や生活指導、育児指導や母乳指導など、妊娠から出産、育児に至るまで母子が健康に過ごせるよう指導・管理を幅広く行ないます。

初産婦(しょさんぷ)

初めて出産を経験する女性を初産婦(しょさんぷ)といいます。前回の出産が妊娠22週未満の場合、流産も初産婦として扱います。

新型出生前診断(しんがたしゅっしょうまえしんだん)

新型出生前診断(NIPT)は、妊婦さんの血液を採取し、血液中に含まれる赤ちゃんのDNAを分析することで異常がないか調べる検査です。主にダウン症などの疾患がないか調べることができますが、検査可能な施設は限られます。

人工授精(じんこうじゅせい)

人工授精(AIH)とは、採取した精液を洗浄濃縮して妊娠しやすい時期に子宮内へ直接注入する方法です。人工的に行なうのは精液を子宮内に注入することだけで、その後は自然妊娠と同じ過程です。

新生児黄疸(しんせいじおうだん)

新生児黄疸とは、生まれたばかりの赤ちゃんの肌や白目などが黄色く見える状態を「黄疸」といいます。赤ちゃんによくみられる症候の1つで、生後1〜2週間でだんだんなくなっていきます。

陣痛(じんつう)

陣痛とは、出産の際に赤ちゃんを外へ押し出すために子宮が伸縮するときの痛みを指します。最初は不規則にお腹の痛みや張りを感じるようになり、徐々に陣痛の間隔が短くなるにつれて痛みも増していきます。

陣痛促進剤(じんつうそくしんざい)

陣痛促進剤とは、子宮を収縮させて陣痛を促す薬剤のことをいいます。出産を早めて母子への負担を減らすために使われることが多く、そのときの状況に合わせて錠剤か点滴で投与されます。

陣痛誘発(じんつうゆうはつ)

陣痛誘発とは、自然に陣痛が起こる前に人為的に誘発させることをいいます。お母さんや赤ちゃんにとって、分娩を安全に終了させるために必要と判断した場合に実施することがあります。

弛緩出血(しかんしゅっけつ)

弛緩出血とは、分娩が終わっても出血が収束せず、大量出血してしまうことをいいます。分娩時の胎盤剥離や分娩後の子宮収縮不全などが原因ですが、大量出血によって出血性ショックが起こると、母体が重篤な状態になる可能性があります。

水中出産(すいちゅうしゅっさん)

水中出産とは、プールや浴室にためた塩温水の中で出産することをいいます。これはフランスの産科医によって提唱された分娩方法で、温水に浸かってリラックスすることで緊張と痛みを緩和する狙いがあります。海外では人気がある出産方法ですが、日本ではまだ水中出産できる施設が少ないため、自宅に出産用簡易プールを設置するか、浴室で行うことが多いようです。

正期産(せいきさん)

正期産とは、妊娠37週から41週までの時期に出産することをいいます。一般的にはこの時期に出産するお母さんがほとんどで、無事に赤ちゃんを出産するには理想的な時期だとされています。なお、この正期産より前は「早産」、後は「過期産」といわれ、状況によっては何らかの医学的処置が施される場合があります。

精子凍結(せいしとうけつ)

精子凍結とは、採取した精子をマイナス196度の超低温(液体窒素)で保存する技術のことをいいます。半永久的に凍結保存することができ、主に白血病や悪性腫瘍などの治療の副作用によって精子を造る機能が低下した場合に備え事前に保存することがあります。また、人口受精や体外受精を行う予定で、パートナーが当日に来院できない場合などにも用いられています。

清浄綿(せいじょうめん)

清浄綿とは少量の消毒液を染み込ませたコットンのことをいい、主に赤ちゃんのお尻や顔、お母さんの悪露を拭くときに使われます。商品のなかには精製水だけを染み込ませたものもあります。

切迫早産(せっぱくそうざん)

早産となる可能性がある状態のことを切迫早産といいます。妊娠22週目から37週目ごろのあいだに、お腹が頻繁に張ったり、子宮口が開いてしまった状態を指します。

切迫流産(せっぱくりゅうざん)

流産の恐れがある状態を切迫流産といいます。切迫流産は、妊娠を継続できる可能性があることが流産とは異なる点です。切迫流産の状態の時は、体を安静にすることが大切です。

前駆陣痛(ぜんくじんつう)

前駆陣痛とは、出産につながる本陣痛とは異なり、お産の時期が近づいてくると起こる子宮収縮によって不規則にお腹が張ったり痛みを感じる状態を指します。前駆陣痛は一般的に妊娠8〜9ヶ月ごろになると始まり、痛みの強さや間隔には個人差があります。

染色体異常(せんしょくたいいじょう)

染色体異常は、人間の細胞の核である計46本の染色体の数や形状などに異常がある状態を指します。妊娠初期の流産の原因になることが多いほか、生まれてきた赤ちゃんがダウン症候群などを発症する原因にもなります。

前置胎盤(ぜんちたいばん)

前置胎盤とは、胎児の栄養補給などを行なう胎盤が通常よりも低い位置にあり、子宮口を塞いでしまっている状態のことをいいます。前置胎盤の場合は、赤ちゃんが産道を通って膣から生まれる自然分娩はまず不可能です。

早期妊娠検査薬(そうきにんしんけんさやく)

早期妊娠検査薬は、一般的な妊娠検査薬が生理予定日の1週間後から利用するものに対し、生理予定日当日から検査できるものになります。 通常の妊娠検査薬に比べて、妊娠の有無を判定するのに利用される「hCG」(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が少ない量でも反応するように設定されているため、1日でも早く知りたいという方は早期妊娠検査薬を使用するとよいでしょう。 ただし、早期の診断になるため妊娠が判明したとしても一般的な妊娠検査薬で再検査することをおすすめします。

掻爬(そうは)

掻爬(そうは)とは治療・診断のために子宮内膜の組織を掻き出す処置であり、「子宮内膜掻爬」や「子宮内膜組織診」の際に行われています。また、人工妊娠中絶手術の際、子宮内の胎児を体外へと出す目的で行われる処置を指す場合もあります。

卒乳(そつにゅう)

卒乳(そつにゅう)とは、赤ちゃんが自然とお母さんのおっぱいを吸わなくなることをいいます。いつ卒乳するかは個人差がありますが、離乳食をしっかり食べるようになったくらいの段階が目安になります。なお、お母さんの都合で授乳をやめることを断乳(だんにゅう)といいます。

ソフロロジー

ソフロロジーとは、フランス発祥の分娩方法で、日本には80年代に紹介されました。呼吸法や音楽療法などを使いながら出産を前向きに捉える精神状態へと導き、リラックスさせることで緊張や陣痛を軽減する効果があるといわれています。

「た行」で始まる産科用語

体外受精(たいがいじゅせい)

体外受精は、女性の卵子を卵巣から採取し、体外でパートナーの精子と受精させる方法です。その後、受精卵を子宮に戻して妊娠の開始を期待します。

胎動(たいどう)

胎動とは、お母さんのお腹の中で胎児が動くことをいい、赤ちゃんとお母さんの初めてのコミュニケーションともいえます。妊娠5ヶ月を過ぎた頃から胎動を感じ始めることが多く、赤ちゃんが元気に成長している証でもあります。

胎嚢(たいのう)

胎嚢は、妊娠初期に子宮の中に赤ちゃんを包む袋のことです。受精卵が着床すると胎嚢が作られ、中は羊水で満たされています。一般的に妊娠4週目〜5週目にかけて検査で確認することができます。

胎盤(たいばん)

胎盤とは、女性が妊娠したときに子宮の内膜面に作られる円板状の器官です。受精卵が子宮内膜に着床してから形成され始め、妊娠4ヶ月ごろになるとほぼ完成します。胎盤はへその緒を通じて赤ちゃんに血液や酸素、栄養を送り、二酸化炭素や老廃物を排出させるなど重要な役割があります。

胎盤遺残(たいばんいざん)

胎盤遺残とは分娩後に胎盤が完全に排出されず、子宮内に残ってしまっている状態のことをいいます。胎盤遺残の原因の多くは胎盤癒着であり、胎盤が自然に排出されない場合は胎盤を子宮から剥離する処置が行われます。

胎便(たいべん)

胎便とは、出生から数日の間に出る便のことをいい、赤ちゃんがまだお母さんのお腹の中にいたときに飲み込んだ羊水や消化液などからできたものです。黒っぽく、粘着性があるのが特徴で、時間が経過していくと黄緑色に変化していきます。

タイミング療法(たいみんぐりょうほう)

タイミング療法とは、最も妊娠しやすい最適なタイミングで性交渉を行う方法です。最も自然妊娠に近い方法であり、負担も少ない不妊治療になります。基礎体温や超音波検査、ホルモン検査などを参考にしながら排卵日を正確に予測し、効果的な性交渉のタイミングを指導します。

多胎妊娠(たたいにんしん)

多胎妊娠とは、一度に複数の胎児を妊娠することをいい、双子や三つ子がその例です。単胎妊娠と比べて早産や胎児の発育不全、妊娠性糖尿病、子宮内胎児死亡などのリスクが高くなるため、妊娠中から胎児の成長を注意深く観察・管理する必要があります。

立ち会い出産(たちあいしゅっさん)

立ち会い出産とは、パートナーが分娩の場に立ち会って赤ちゃんが生まれてくる瞬間をお母さんと共に見守る出産スタイルのことをいいます。分娩の場に立ち会うことで赤ちゃん・パートナーとの絆を深め、保護者としての自覚をしっかり持たせるほか、体をマッサージしたり、励ましたりして分娩中のお母さんをサポートする目的もあります。以前と比べ、最近では立ち合い出産を希望するカップルが非常に多くなりました。しかし、状況によっては希望しても立ち会えないこともあるので、この点は留意しておきましょう。

脱肛(だっこう)

脱肛とは直腸粘膜の一部が肛門から露出してしまうことをいい、異物感やかゆみ、出血などの症状が現れます。 妊娠中や分娩時には肛門周辺に大きな圧力がかかるため脱肛になりやすく、症状の程度によっては治療が必要になる場合があります。

男性不妊(だんせいふにん)

男性不妊とは、不妊の原因が男性に問題があるケースを指します。主に精子を作る機能の低下や射精障害、勃起不全など原因は多岐にわたり、不妊に悩むカップルの約40~50%が男性側にも原因があるといわれています。

単胎妊娠(たんたいにんしん)

単胎妊娠とは、子宮内に1人の胎児を妊娠することをいいます。単胎妊娠に対して多胎妊娠は複数の胎児を妊娠することをいい、双子はその一例です。

チャイルドシート

チャイルドシードとは、子どもを車に乗せる際、体を固定するために使用する安全保護シートのことをいいます。子どもの年齢や大きさによって種類があり、成長に合わせて適切なチャイルドシートを選ぶ必要があります。また、チャイルドシートの使用は道路交通法によって義務付けられているため、赤ちゃんを車に乗せるときは必ず使用しましょう。

着床(ちゃくしょう)

着床とは、精子と卵子が受精したあと、卵管を通って子宮にたどり着いた受精卵が子宮内膜に接着して侵入するまでの過程のことをいいます。 性交後、受精卵は1週間から10日ほどかけて子宮にたどり着き、着床が完了することで妊娠成立となります。着床から10日前後で妊娠反応が出始めます。

着床出血(ちゃくしょうしゅっけつ)

着床出血とは、妊娠初期に起こる出血です。受精卵が着床するときに子宮内膜の血管が傷つくことで少量の出血が起こりますが、着床出血を自覚する方はおよそ4人に1人といわれています。そのため、着床出血がないからといって妊娠が成立していないというわけではありません。

着床不全(ちゃくしょうふぜん)

着床不全とは、体外受精において形の良い胚を3回以上移植しても妊娠に至らない状態のことをいいます。「着床障害」とも呼ばれ、受精卵側または子宮内の環境、受精卵を受け入れる免疫寛容の異常が主な原因として考えられており、着床不全検査を行って適切な治療を進めてゆきます。

超音波マーカー検査(ちょうおんぱまーかーけんさ)

超音波マーカー検査とは、妊娠初期に胎児のダウン症やその他の疾患のリスクを、超音波による計測で推定する検査です。

悪阻(つわり)

悪阻(つわり)は、妊娠初期に起こる吐き気や嘔吐、食欲不振などに代表される症状のことです。平均で妊娠5週目から6週目のころに始まり、妊娠4ヶ月ごろまでにはおさまるといわれています。

帝王切開(ていおうせっかい)

帝王切開(カイザー)とは、赤ちゃんかお母さんに何らかの問題が生じて、通常の出産が難しいと判断された場合に、お腹と子宮を切開して赤ちゃんを取り出す手術のことをいいます。

T字帯(てぃーじたい)

T字帯(丁字帯)とは、下腹部の術後・産後ケアのために使われる大きめの包帯のことをいいます。下腹部に巻きつけて使うため見た目はふんどしによく似ており、ショーツにありがちな締め付け感がないのが特徴です。

鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)

鉄欠乏性貧血は、貧血が起こる原因として特に多いものの1つです。体内で鉄分が不足することにより、赤血球中に含まれ酸素を運搬する役目のあるヘモグロビンが減少し、めまいや立ちくらみなど貧血のさまざまな症状を起こす原因となります。月経による出血や妊娠中、授乳期などにも鉄分が不足しやすくなることがあります。

トキソプラズマ病(ときそぷらずまびょう)

トキソプラズマ病とは、トキソプラズマという原虫によって引き起こされる感染症です。一般的には猫のフンから人に感染することで広く知られていますが、生ハムやレバーなどの生肉や加熱不十分な肉を食べて感染することもあります。妊婦がトキソプラズマに感染すると、お腹の赤ちゃんに影響を及ぼすこともありますので注意が必要です。

TORCH症候群(とーちしょうこうぐん)

TORCH(トーチ)症候群とは、妊娠中に感染するとお腹の赤ちゃんにも重篤な障害や流産を引き起こす恐れがある病気の総称です。母子感染の中でも特に注意が必要なToxoplasma(トキソプラズマ)、Others(主に梅毒など)、Rubella(風疹)、Cytomegalo (サイトメガロ)、Herpes(ヘルペス)の頭文字をとってTORCH症候群と呼ばれています。

ドップラー検査(どっぷらーけんさ)

ドップラー検査とは、お腹の赤ちゃんの心拍を確認するための検査です。妊娠3ヶ月末以降になると検査が行なわれ、医師が赤ちゃんの心臓の音を聞いて心拍数や心臓のリズムに異常がないか調べます。お母さんのお腹に器具を当てて、赤ちゃんが健康に育っているか調べる大切な検査です。

「な行」で始まる産科用語

難産(なんざん)

難産とは、分娩が順調に進まないことをいいます。具体的には長時間の分娩や高度医療の介入が必要な場合などが難産に該当しますが、医学的にこれといった定義はありません。難産になる原因は実に様々で、妊娠中の検査である程度予期できるものもあれば、分娩の際突発的に難産の状態になることもあります。

乳児脂漏性湿疹(にゅうじしろうせいしっしん)

乳児脂漏性湿疹とは、生後2か月~3か月の新生児に頻出する湿疹のことをいいます。原因は赤ちゃん自身の皮脂の過剰分泌であり、顔周りや胸などに黄色いフケや赤み、痒みの症状が出ます。

乳腺炎(にゅうせんえん)

乳腺炎とは乳腺に炎症が起きてしまうことをいい、発症すると乳房の痛みや腫れ、発熱などの症状が現れます。産後6か月以内に見られることが多く、主な原因は細菌感染や乳汁の詰まりです。

妊娠後期(にんしんこうき)

妊娠後期とは妊娠8ヶ月目から10ヶ月目までの時期を指します。この頃にはお腹がさらに大きくなり、赤ちゃんの動きも活発になってきます。出産に向けてお母さんの入院準備をし、育児の用意もしておきましょう。

妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)

妊娠高血圧症候群(かつては妊娠中毒症という病名でした)とは、妊娠20週以降から出産後12週までの期間に高血圧または高血圧にともなう蛋白尿が見られる症状のことをいいます。お母さんだけでなくお腹の赤ちゃんにも悪影響を与えることがありますので、定期検診はしっかりと行ないましょう。

妊娠初期(にんしんしょき)

妊娠初期とは、妊娠したことが判明する時期である妊娠2ヶ月目から4ヶ月目までのあいだを指します。お母さんの身体の中で赤ちゃんが成長する準備が始まり、出産に向けてさまざまな変化があらわれるようになります。

妊娠線(にんしんせん)

妊娠線は、多くの妊婦さんにできるお腹にひびが入ったような赤紫色の線のことです。ストレッチマークとも呼ぼれ、妊娠などによる急激な体重の増加によって皮膚が急速に伸びることで妊娠線ができやすくなります。また、ホルモンバランスの変化の影響でコラーゲンが減少し、肌の弾力が失われ妊娠線の原因となることがあります。

妊娠中期(にんしんちゅうき)

妊娠5ヶ月目から7ヶ月目までの時期を妊娠中期といいます。つわりも落ち着いて、心身ともに安定してくる時期のため安定期とも呼ばれています。この時期になると赤ちゃんの成長が感じられ、お腹も大きくなっていきます。

妊娠糖尿病(にんしんとうにょうびょう)

妊娠糖尿病とは、妊娠をきっかけに糖代謝異常が起こり血糖値が高くなる状態のことを指します。一般的な糖尿病とは異なり、出産後は正常に戻りますがその後も定期的な検診が必要になります。また、妊娠糖尿病は胎児に影響を及ぼすことがありますので注意が必要です。

妊娠反応検査(にんしんはんのうけんさ)

妊娠反応検査とは、妊娠の有無を判定する検査です。妊娠が成立すると産生される「hCG」(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンを調べて妊娠しているか知ることができます。hCGは尿中へ排泄されるため、採尿して妊娠検査薬を用いて妊娠の有無を判定します。

妊婦健診(にんぷけんしん)

妊婦健診とは、妊娠した方が出産までのあいだに定期的に受けることを推奨されている健康診断です。健診を受けて、お母さんの健康状態や赤ちゃんの発育状態をチェックすることで問題の早期発見につながります。

トレンデレンブルグ体位(とれんぶるぐたいい)

トレンデレンブルグ体位とは、仰向けに寝て頭部より下半身を高く保つ体位のことをいいます。「骨盤高位」ともいわれ、妊婦さんの分娩中にへその緒が下がってきてしまう「臍帯下垂」が発見された場合、へその緒が胎児よりも先に腟を通過する「臍帯脱出」を防ぐ目的で行われることがあります。

NST(ノンストレステスト)

NST(ノンストレステスト)は、陣痛などのストレスがない状態で赤ちゃんの心拍数やお母さんの子宮収縮具合を調べることで、赤ちゃんが元気かどうか調べます。

「は行」で始まる産科用語

排卵誘発薬(はいらんゆうはつやく)

排卵誘発薬とは、通常は無排卵など排卵障害の症状がみられる場合に、卵胞を発育させて排卵を促すために使用される薬です。排卵誘発薬には飲み薬と注射剤があり、妊娠率を上げるために人工授精や体外受精などの際にも併用して使われることがあります。

バウンサー

バウンサーとは、物理的な力が加わると揺れる赤ちゃん用チェアのことです。バウンサーを手で軽く押したり、赤ちゃんが手足をばたつかせたりすると程よく揺れて、ゆりかごのように赤ちゃんに心地良い振動を与えることができます。この振動は抱っこの感覚と似ているため赤ちゃんをリラックスさせる効果があり、お母さんやお父さんが抱っこできないときには便利です。

破水(はすい)

妊娠中は赤ちゃんと羊水が子宮内の卵膜という袋に包まれており、陣痛が始まって卵膜が破れて羊水が子宮口から漏れ出てくることを破水といいます。陣痛が始まる前に破水することもあります。

バースプラン

バースプランとは、お母さんが希望する出産ができるように、妊娠中から分娩方法や立ち会い出産の希望の有無、産後の過ごし方などを書き出してパートナーや医師、看護師、助産師に伝えておくことをいいます。 妊娠後期に病院からバースプランを書き出す用紙を渡される場合があるので、この際にはぜひ、パートナーと一緒に出産へ向けての希望について話し合いましょう。バースプランを立てておくことで、パートナーや家族と出産への思いを共有できるほか、出産にまつわる不安の解消にも役立ちます。

初乳(はつにゅう)

初乳(はつにゅう)とは、出産してから数日後に出る母乳のことを指します。黄色っぽい色をしていることが多く、赤ちゃんの健康維持に必要な免疫力を高めたり、腸を整えてくれたりする成分が豊富に含まれています。

腹帯(はらおび)

腹帯とは妊婦さんのお腹に巻き付ける布製の帯のことをいい、腰への負担を軽減する、防寒、衝撃からの保護といったメリットがあります。犬はお産が軽いことにちなみ、妊娠5か月目の「戌の日」に安産祈願を兼ねて着用し始める方もいらっしゃいます。

バルーン

バルーンとは、膣内で風船のように膨らませて陣痛を促進させるための医療器具のこといいます。出産予定日を過ぎているにもかかわらず、出産の兆候が見られない場合に分娩を誘発させる手段の1つとして使われますが、その際に痛みを感じる妊婦さんも一定数いらっしゃいます。

微弱陣痛(びじゃくじんつう)

微弱陣痛とは、分娩に向けての子宮収縮(陣痛)の程度が弱いことをいいます。微弱陣痛の状態では赤ちゃんを押し出すことができないので分娩が進まず、母子ともに疲弊してしまうため、状況によっては陣痛促進剤を投与して陣痛を促したり、それでも痛みが強くならない場合は帝王切開に切り替えたりすることがあります。

夫婦染色体異常(ふうふせんしょくたいいじょう)

夫婦染色体異常とは、ご夫婦どちらかの染色体に数や形状などの隠れた異常があるケースです。流産や死産を繰り返して子供を持つことができない「不育症」の重要な原因の一つとされています。

夫婦染色体検査(ふうふせんしょくたいけんさ)

夫婦染色体検査とは、不育症の原因の一つとなる染色体の数や構造に異常がないかを調べる検査です。ご夫婦一緒に血液検査を受けて調べますが、異常があった場合でもどちらの染色体であるかは開示せず結果のみ通知する、又はそれぞれの結果を開示するといった選択肢を含めてあらかじめ医師とよく相談してから行う必要があります。不妊症・不育症を専門とする医療機関で行われる検査です。

不育症(ふいくしょう)

不育症とは、妊娠はするものの2回以上の流産や死産を繰り返して子供を持つことができない場合をいいます。1人目を正常に分娩したあとに2人目、3人目が不育症になる場合もあります。不育症はまだ分かっていないことも多く、現在のところ不育症にならないための対策や方法はありませんが、判っている範囲での原因を調べることで、それを回避する治療法はあります。

副乳(ふくにゅう)

副乳とは、乳房が通常は左右に一つずつあるほかに乳房ができている状態を指します。副乳の大きさや形は個人差があり、ワキの下や乳房の下にできるケースが多く見られます。女性ホルモンが増加する妊娠中に症状に気づく場合が多く、痛みを感じたり、腫れたりすることもありますので医師の診察を受けるようにしましょう。

不妊症(ふにんしょう)

不妊症とは、妊娠を希望する健康な男女が避妊をしないで性生活を営んでいるにもかかわらず、2年間妊娠が成立しない状態を指します。原因は男女ともにさまざまですが、近年は妊娠を希望する年齢が上昇傾向にある一方、加齢によって妊娠率も低下するため不妊症に悩む方が増加しています。

プレコンセプションケア

プレコンセプションケアとは、「妊娠前からのケア」を意味し、将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分の体や心の状態を知り、日々の健康・生活に向き合うことを目的としたヘルスケアです。米国疾病管理予防センター(CDC)や世界保健機構(WHO)が提唱し、若いうちから健康管理の正しい知識を身につけ、質の高い生活を実現することで将来の健やかな妊娠・出産、そして次世代の子供たちをより健康にすることを目指しています。

分娩(ぶんべん)

分娩とは、胎児が母体から完全に排出・娩出されて、妊娠を終了することをいいます。一般的には「出産」ともいわれますが、医療用語では分娩といいます。

分娩監視装置(ぶんべんかんしそうち)

分娩監視装置とは、分娩中の赤ちゃんの様子を観察できるモニタリング医療機器のことをいいます。多くの病院ではこの分娩監視装置で赤ちゃんの心拍数やお母さんの子宮収縮などを計測・記録し、母子の健康状態を把握しながら安全な分娩を目指します。

分娩室(ぶんべんしつ)

分娩室とは、分娩をする部屋のことをいいます。病院の分娩室には分娩台をはじめ、母子の健康状態をチェックする分娩監視装置や様々な医療器具、薬品などが用意されています。お母さんにとってはこの分娩室が赤ちゃんと初めて対面する場所であり、新しい命の誕生という感動の瞬間に立ち会える場となります。

ベビーカー

ベビーカーとは、乳幼児を乗せて運ぶ手押しの乳母車のことをいいます。買い物やお散歩などのおでかけの際も赤ちゃんを安全に運べる上、お母さんやお父さんの負担軽減にも役立ちます。メーカーによってデザインや形も様々なので、赤ちゃんの成長や使用場面などに合わせて最適なものを選びましょう。

胞状奇胎(ほうじょうきたい)

胞状奇胎とは異常妊娠の一種であり、卵膜や胎盤を作る絨毛が異常増殖して子宮内に粒々がブドウの房のように多数できることから「ぶどうっ子」とも呼ばれています。妊娠が高齢になるほど発症率が高くなり、受精卵になんらかの異常が生じて起こる正常な妊娠継続が期待できない病気です。

母子感染(ぼしかんせん)

母子感染(垂直感染)とは、母体に存在している風疹やクラミジア、梅毒、B型肝炎などの病原体が妊娠・出産、授乳を通じて赤ちゃんに感染してしまうことをいいます。妊婦検診では母子感染による胎児へのリスクを最小限にとどめるため、妊娠初期の段階から感染症の検査を実施しています。

母子手帳(ぼしてちょう)

母子手帳とは、妊娠と診断されたあとに各自治体へ妊娠届けを提出すると母子保健法に基づき交付される手帳です。正式には「母子健康手帳」といい、妊娠や出産の経過から乳幼児までの健康状態や予防接種状況などを管理するための手帳です。お母さんと赤ちゃんの健康を管理する上で大切な手帳ですので、きちんと記録しておきましょう。

母子保健法(ぼしほけんほう)

母子保健法とは、お母さん並びに乳児および幼児の健康の保持・増進を図るため、保健指導、健康診査、医療その他の措置を講じ、国民保健の向上に寄付することを目的として制定された法律です。主に母子手帳の交付や、妊産婦および新生児や未熟児の訪問指導、養育医療の給付、母子保健センターの設置などについて規定されています。

母乳パッド(ぼにゅうぱっど)

母乳パッドとは、赤ちゃんに授乳していないときでも自然に出てきてしまう母乳を吸収してくれる「押さえ」のことをいい、使用することで下着や服が母乳で濡れてしまうのを防ぐことができます。母乳パッドの素材には綿や布などがあるので、感触や使い勝手を吟味しながらお好みのものを見つけましょう。

「ま行」で始まる産科用語

マタニティブルー

マタニティブルーとは、出産後に起こる気分の落ち込みや無力感、不安といった情緒不安定のことをいいます。主な原因はホルモンバランスの乱れですが、お母さんを取り巻く環境や状況が原因となっていることもあります。通常は産後2週間程度でおさまりますが、それ以上続くようであれば産後うつの可能性があるため注意が必要です。

マタニティマーク

マタニティマークとは、妊産婦さんが交通機関などを利用する際に身につけて、周囲の人に妊産婦であることを分かりやすく示せるようにするためのマークです。妊産婦さんにやさしい環境づくりを目指す、国民運動計画「健やか親子21」の取り組みの一環として作られました。 マタニティマークは各都道府県の自治体や鉄道・航空会社などさまざまな場所で配布されているので、通勤や通院などの際にお役立てください。

無痛分娩(むつうぶんべん)

無痛分娩とは、麻酔薬を使用して陣痛を和らげながら分娩することをいいます。麻酔方法はいくつかありますが、硬膜外腔に麻酔薬を注射する硬膜外麻酔をメインとしている病院が多く、分娩時は背中からカテーテルを入れて局所麻酔薬を投与します。無痛分娩には陣痛の大幅な緩和はもちろん、分娩時のストレス軽減、会陰裂傷・外陰切開後の鎮痛効果、産後母体の早期回復などのメリットがあるため、無痛分娩の希望は増加傾向にあります。 一方で無痛分娩に関連する医療事故も報告されているため、分娩方法を選択する際には各分娩方法に伴うリスクやデメリットをしっかり理解する必要があります。また、病院によっては自然分娩を基本方針としている場合もあるので、産院選びの際はこの点も考慮しましょう。

沐浴(もくよく)

沐浴とは、赤ちゃんをお湯の中に入れて入浴させることをいいます。しかし大人とは違い、赤ちゃんは十分な抵抗力がないため雑菌が繁殖しやすい浴室の湯舟を使わずに、沐浴用のベビーバスにお湯を入れて洗う必要がある点には注意が必要です。赤ちゃんと浴室の湯舟に入るのは新生児の時期が終わってから(生後約1か月)にしましょう。また、赤ちゃんはよく汗をかいて体も汚れやすいため、沐浴の頻度は一日一回が基本です。

「や行」で始まる産科用語

癒着胎盤(ゆちゃくたいばん)

癒着胎盤とは、胎盤が自然に子宮から剥離しないことをいいます。通常、胎盤は分娩後に自然排出されますが、癒着胎盤ではそれが不可能であるため用手的な剥離の処置を行うことになります。

葉酸(ようさん)

葉酸は水溶性のビタミンB群の一種であり、元気な赤ちゃんを産むために重要な栄養素の一つです。主に緑黄色野菜や果物などから摂取することができます。葉酸は赤ちゃんの体づくりによい影響を与えるほか、胎児の先天異常のリスクを軽減する効果が期待されています。

羊水(ようすい)

妊娠すると女性の身体には子宮内に「卵膜」という赤ちゃんを包み込む袋の形をした空間ができます。この卵膜内を満たしている液体成分を羊水といいます。

羊水過多・羊水過少(ようすいかた・ようすいかしょう)

羊水過多・羊水過少とはその言葉通り、妊娠中の子宮内を満たす羊水が通常より多かったり少なかったりすることをいいます。羊水は赤ちゃんを包み込んで衝撃から守るほか、赤ちゃんの肺機能や消化機能の発育を促す重要な役割も果たしています。そのため妊婦検診では超音波検査で羊水量の確認も行っており、羊水過多または過少が判明した場合には何らかの治療が必要になることもあります。

羊水検査(ようすいけんさ)

羊水検査は、出生前診断のひとつです。子宮内の羊水を採取して調べることで、赤ちゃんの染色体や遺伝子情報に異常があるか診断することができます。

「ら行」で始まる産科用語

ラマーズ法

ラマーズ法とは、分娩時に行う独自の呼吸法のことをいいます。これは分娩時の緊張や痛みで乱れた呼吸を整えて赤ちゃんに十分な酸素を届けるのと同時に、骨盤の筋肉を緩ませて、分娩しやすくする効果があるとされています。

卵円孔(らんえんこう)

卵円孔とは、胎児の心臓を左右に分ける壁の一部に存在する穴のことを指しています。胎児期の心臓は大人とは異なる構造になっており、肺が機能していないため卵円孔が左心房と右心房をつなぐことで血液の循環が行われています。卵円孔は赤ちゃんが生まれてから自分で呼吸を始めると自然に閉じていきます。

卵管造影検査(らんかんぞうえいけんさ)

卵管造影検査とは、卵管疎通性検査の方法の一つで、子宮口から造影剤を流し込んだ後にレントゲン撮影を行います。卵管に疎通性があれば造影剤が卵管を通って腹腔に流れ出る様子が写りますが、何らかの原因で閉じている場合は造影剤が子宮内に留まったままです。この検査には痛みが伴うため、検査前に鎮痛薬を服用することがあります。

卵管疎通性検査(らんかんそつうせいけんさ)

卵管疎通性検査とは、卵管に疎通性(卵子と精子が通る道が確保されている状態)があるかどうか調べる検査のことをいいます。 卵管が極端に狭くなっている、または詰まっている部分があると卵子と精子が出会わず妊娠が難しくなるため、不妊治療では頻繁に行われる検査です。検査の際は、子宮に造影剤や生理水を注入して卵管の疎通性を確認します。

卵管狭窄(らんかんへいそく)

卵管狭窄とは、卵管が細くなって卵子や精子が通りづらい状態になっていることをいいます。未治療のままでは妊娠は難しいですが、卵管を拡張させる手術を受ければ妊娠しやくなります。

卵管閉塞(らんかんへいそく)

卵管閉塞とは、卵管が閉じて卵子や精子が通れない状態になっていることをいいます。未治療のままでは妊娠が難しいですが、卵管を疎通させる手術を受ければ妊娠できる可能性が高くなります。

卵子凍結(らんしとうけつ)

卵子凍結とは、将来の妊娠・出産に備えて卵子を採取し凍結保存しておく技術のことをいいます。卵子凍結を選択する理由はさまざまですが、主に悪性腫瘍などを有する方が治療によって卵巣機能が低下する可能性がある場合や、出産を希望しているものの多忙で現状では妊娠が難しい、現在はパートナーがいないといった場合に、できるだけ妊娠率を維持するために質のいい卵子を凍結保存しておき環境が整ってから使用するというケースが増えてきています。

臨月(りんげつ)

臨月とは、赤ちゃんがいつ生まれてきてもおかしくない妊娠10か月目の月のことをいいます。この時期になると赤ちゃんが徐々に下の方へ移動するようになるため、子宮口が開き始めます。臨月はお腹が大きいため日常生活で様々な不便を感じることが多くなる上、むくみや吐き気、尿漏れなどの不快な症状も頻出します。赤ちゃんと対面できるまであとわずかなので、できる限りストレスを溜めず、リラックスして過ごしましょう。

以下は順序不明

13トリソミー症候群(じゅうさんとりそみーしょうこうぐん)

13トリソミー症候群(パトウ症候群)は、染色体に異常が生じて発症する病気です。人間の細胞の核である計46本の染色体のうち、44本の常染色体は通常2本ずつで22対となっていますが、13番目の染色体が3本あるのが13トリソミー症候群です。お母さんのお腹にいるときから胎児の成長に遅れが見られ、なんらかの外表的な異常を伴うことがあります。

18トリソミー症候群(じゅうはちとりそみーしょうこうぐん)

18トリソミー症候群(エドワーズ症候群)は、染色体に異常が生じて発症する病気です。人間の細胞の核である計46本の染色体のうち、44本の常染色体は通常2本ずつで22対となっていますが、18番目の染色体が3本あるのが18トリソミー症候群です。胎児期からの成長の遅れや、先天性の心臓の疾患などさまざまな症状が合併することがあります。

21トリソミー症候群(にじゅういちいとりそみーしょうこうぐん)

21トリソミー症候群(ダウン症候群)は、染色体に異常が生じて発症する病気です。人間の細胞の核である計46本の染色体のうち、44本の常染色体は通常2本ずつで22対となっていますが、21番目の染色体が3本あるのが21トリソミー症候群です。ダウン症候群や発育の遅れなど、さまざまな症状が生じます。