更年期障害は、女性だけでなく男性にも起こり得る病気です。
別名「LOH症候群」ともいわれ、男性ホルモンである「テストステロン」が影響しています。男性ホルモンは20代が最も高く、中高年になると徐々に減少します。
男性ホルモンは性的な部分だけでなく、精神的な部分にも影響を及ぼしているため、うつ症状、筋肉痛、脳梗塞、心筋梗塞の症状を引き起こします。
男性更年期障害は、いつから発症したか区切りが分かり辛く本人も家族も把握するのが難しい病気です。
女性は閉経時期の5年前後という分かりやすい区切りがあり誰もが知っている病名ですが、男性は辛くても打ち明ける場所がなく、不調状態を過ごし何年かして自然に治っていたなんて方もいます。
わかりやすい主な症状は『鬱状態』
自信が感じられず、がっくりと肩を落として元気がない。
「不眠状態が続く」「本や新聞などの読み物が読みづらい」「最近楽しくなさそう」など、周囲や家族が気付くほどの明らかな違いがあります。
できるだけ早く医療機関に相談し、本来の健康な身体を取り戻していきましょう。
身体の症状
骨や筋肉を作るテストステロンの分泌量が減ると、筋肉量が落ちていきます。
筋力の低下から疲労感を感じ、ひどい人は歩くのも困難になります。
下記の症状はあてはまりますか?
- 夏でもないのに、よく汗をかく
- 朝起きたら、枕が寝汗で濡れている
- のぼせることがあり、身体が熱く汗だくになる
- 耳鳴りや、原因不明の頭痛が多い
- 立ったり、座ったり、寝ていてもめまいがする
- 健康診断でメタボリックシンドロームと診断された
- ベルトの穴が少しずつ大きくなっており、身体が最近重くなった気がする
- 階段の昇り降りが辛く、少し歩いただけで息切れがする
- 手足の痛みや膝、腰、背中の痛みがあり、胸に痛み、締め付けられるような感じがある
- 長時間椅子に座っているのが困難である
- ひげの伸び方遅くなった
心の症状
脳には、経験している疲れやストレスや悲しい感情を記憶する「偏桃体」という部位があります。男性ホルモンがしっかり機能していると、多少のストレスでも偏桃体は自身でコントロールをかけて耐性を保ちます。しかし男性ホルモンが低下すると、副腎皮質のホルモンが増えるため大きな悲しみや不安に襲われ、偏桃体も同時に侵されます。
脳と心は直結しているので、焦りと悲しみで心がいっぱいとなると睡眠がとれなくなります。イライラしたり落ち込んだりすることが明らかに増えるので、周囲も気づく変化の一つとなるでしょう。
下記の症状はあてはまりますか?
- ささいなことが気に障り、不機嫌になってしまう。
- 自分はダメなんだ・・・と価値が無いと感じたり、悲しみを持つようになった
- 自分を傷つけたい、死にたいと考えてしまうことがある
- 極端に食欲が落ち、体重が減った
- 寝つきが悪いのに、夜中に起きてしまう。夕方急に眠くなることもある。
- 今までと同じスピードで仕事が出来ず、ミスが増えたり物忘れが多くなった
- 通っていたスポーツクラブや楽しみだった趣味が億劫になり、止めたい
- 何かをする時、無理に自分を奮い立たせないとやる気が出ない
性の症状
今はだいぶ浸透しているEDですが、40歳では2割、50歳では4割、60歳では8割の方が満足に勃起できていないといわれています。
男性ホルモンは神経や血管に大きく作用し、異性を惹きつけるフェロモンを発生させる働きや、ドーパミンという興奮作用のある神経伝達物質の増減にも影響します。
感情が安定しない、日々強いストレスにさらされている、よく眠れないなどあれば性欲は減少し、EDになってしまいます。
このような症状を放っておくと、将来的に脳梗塞や心筋梗塞などの危険性が高まる恐れがありますので、気になる方はぜひ医療機関に相談してみてください。
下記の症状はあてはまりますか?
- 朝立ちの回数が減った
- 性交中、最後まで勃起を維持する時間が短い
- セックスの喜びがなく、性欲や性的衝動が減った
- 夜中に何度も尿意をもよおす
- 長時間の移動はトイレが気になる
最後に
男性更年期障害は、加齢によるものと単純に考えず男性ホルモンの低下によるものかもしれません。放置してしまうと、他の病気を引き起こす危険もあり深刻化してしまいます。
男性更年期障害に関する相談が可能か診療科としては、泌尿器科・精神神経科・心療内科などが挙げられますが、どこの病院・クリニックでも診るという訳ではありません。ホームページなどで、確認してみて下さい。
まずは、ご自身のテストステロンの値を測定し、本来の元気な身体を取り戻しましょう。