緊急避妊薬「アフターピル」の基礎知識! 仕組みや服用のタイミング、注意点は?

2025.12.04

避妊に失敗したときや予期せぬ妊娠の可能性が生じたときに、女性がとれる選択肢として「アフターピル」が存在します。
アフターピルは緊急避妊薬とも呼ばれ、性交後に妊娠の成立を防ぐために使われます。
服用のタイミングや効果、副作用などについて正しい情報を理解しておくことが大切です。

アフターピルの仕組みと使用目的

アフターピルは、女性の体内で妊娠が成立するまでの流れを一時的に妨げることで避妊効果を発揮します。
妊娠は排卵、受精、着床というプロセスを経て成立しますが、アフターピルはこの一連の過程のうち主に排卵を抑制、遅延させて妊娠を防ぐのです。
受精や着床を妨げるという報告もありますが、確実な作用は「排卵抑制」とされています。
また、すでに妊娠が成立している場合にはそれを中断させる作用はありません。

排卵の抑制、遅延

アフターピルに含まれるホルモン成分が脳下垂体や卵巣に作用し、排卵を一時的に止めたり遅らせたりします。
これによって、受精の前段階で妊娠成立を防ぐ働きが期待でき、特に性交のタイミングが排卵期付近だった場合に有効性が高いです。

受精を阻害する可能性

排卵後であっても、アフターピルは卵管や頸管粘液の環境にも影響を与えるとされ、精子と卵子が出会いにくい環境を作る可能性があります。
ただし、この作用についてはまだ研究段階であり、必ずしも主要な働きではありません。

着床の阻害の可能性

一部の研究では、アフターピルが子宮内膜に一時的な変化を与え、受精卵が着床しにくい状態になる可能性も示されています。
しかし、こちらも医学的に確実に証明されている作用ではなく、主要な効果はあくまで排卵抑制です。

アフターピルの種類と特徴

アフターピルにはいくつかの種類がありますが、日本で承認されているアフターピルは「ノルレボ」と、そのジェネリック薬である「レボノルゲストレル」というものです。(2025年時点)
成分は黄体ホルモンの一種で、性交後72時間以内に服用することで妊娠を防ぐ効果が期待できます。
特に24時間以内の服用で高い効果が得られるとされ、副作用は比較的軽度で、吐き気や頭痛、月経周期の変化などが起こる場合がありますが、多くは一時的なものです。

ヤッペ法について

従来から、性行為後72時間以内に中用量ピルを2錠服用し、さらに12時間後に追加で2錠を服用する方法もあります。
排卵の抑制や子宮内膜の変化を引き起こして妊娠を防ぐ仕組みで、ノルレボが承認される以前は日本でも広く行われていた緊急避妊法ですが、高用量のホルモンを使用するため悪心・嘔吐などの副作用が強く出る場合があり、現在ではほとんど用いられません。

アフターピルは、避妊具の破損や装着ミス、避妊をしなかった性交など「予期しない妊娠リスク」に直面した際の緊急対応として使用されます。
日常的に使う避妊法ではなく、あくまで緊急時に限定して服用する薬で、常用するものではありません。
正しい目的を理解し、必要なときに適切に利用しましょう。

アフターピルの服用タイミングと注意点

アフターピルは服用するタイミングによって効果が大きく変わる薬です。
正しい知識を持たずに遅れて服用すると妊娠を防ぐ確率が下がるため、緊急時にはできるだけ早く飲みましょう。

服用の最適なタイミング

性交後できる限り早く服用するのが基本です。
前述したように、72時間以内の服用が推奨され、特に24時間以内に飲むと高い効果が期待できます。
時間が経つほど効果は低下していくため、ためらわずに医療機関を受診することが大切です。

また、排卵前に服用した場合は排卵を抑える作用が強く出やすく、避妊効果も高いとされる一方で、排卵後の服用は効果が下がる傾向もありますが、月経周期にかかわらずできるだけ早く飲むのが基本です。

副作用と体調管理

吐き気、頭痛、めまい、倦怠感、月経の乱れといった副作用が一時的に出る場合があります。
服用から短時間の間に嘔吐してしまうと薬の効果が弱まる可能性があるため、その場合は医師に報告して指示を仰ぎましょう。

他の薬との飲み合わせ

抗けいれん薬、抗結核薬、抗HIV薬など一部の薬はアフターピルの効果を弱める場合があります。
常用薬がある人は必ず医師に伝えて下さい。自己判断で服用するのはリスクにつながります。

医療機関に直接受診することを推奨

日本では、アフターピルは原則として医師の処方が必要です。
オンライン診療で処方を受けられるケースも増えていますが、医療機関に直接出向いて相談する方が安心できます。

緊急時は早急に対策をしよう

アフターピルは性交後に服用することで、主に排卵を抑制し、受精や着床が起こりにくい状態を作って妊娠を防ぎます。
100%の効果があるとは言えませんが、服用のタイミングが早いほど避妊率が高まります。
あくまで緊急時の選択肢であり、普段はコンドームや低用量ピルなど確実性の高い方法を用い、アフターピルは「最後の備え」として正しく理解しておきましょう。

当院でも、アフターピルに関するアドバイス・指導を行なっていますので、ぜひお気軽にご相談ください。