下着や服についた経血シミを抜く方法と注意点

2020.12.03

生理中は生理痛や倦怠感、経血の処理などで何かと面倒なことが続きますが、経血漏れによるシミもその一つ。経血漏れの影響を一番受けやすい下着はもちろん、服や布団、椅子、ソファなどにもシミをつけてしまうことがあり、汚れの状態によっては使えなくなってしまう場合もあるでしょう。
お気に入りのアイテムを長く使えるようにするためにも、万が一経血シミをつけてしまったときには適切に処置して、きれいにシミ抜きをしたいものです。

ここでは、経血のシミ抜き方法やコツ、注意点などについて解説します。

洗濯機の洗濯だけでは落としにくい経血シミ

生理期間中に流れ出る経血の量は平均で50ml~140ml程度といわれています。軽量カップに水を入れて見てみるとそれほど多くはないように思われますが、実際にこの量の液体が下着の中に広がっていくことを想像すると見方が違ってくるのではないでしょうか。
また、経血は濃い赤色であることを考えれば、下着や服にシミをつけるには十分な量だということもわかります。

そしてさらに面倒なことに、経血の赤色はシミになると目立つ上、状態によっては洗濯機のみの洗濯では落としきれません。

下着や服についてしまった経血シミを落とす方法

血液によるシミはなかなか厄介な汚れですが、洗濯前の次のようなシミ抜き方法を実践すれば、色がきれいに抜けて元通りになることがあります。

時間が経っていないシミは水洗いする

それほど時間が経っていないシミであれば(シミがついてから数時間程度が目安)、水で揉み洗いするだけで落ちる場合があります。よりしっかり洗いたい場合は石鹸やハンドソープ、洗濯洗剤などをシミの部分に少量つけて洗うのも良いでしょう。経血が完全に乾いてしまう前であれば、洗濯桶や洗面器の中で下着や服を水に浸し、しばらくつけておくだけでも落ちます。
上記のような簡単なシミ抜きをした後は、いつも通り洗濯機を使って洗いましょう。

時間が経っているシミにはセスキ炭酸ソーダの使用が効果的

経血がついてしばらく経ち、黒っぽくなってしまったシミの場合はセスキ炭酸ソーダというアイテムを水に溶かし、その中に洗濯物を数時間浸してつけ洗いすると良いでしょう。経血が水に浮かんでシミが抜けたらいつも通り洗濯します。
セスキ炭酸ソーダはアルカリ性の化合物で、薬局やホームセンターで簡単に手に入る環境に優しいアイテムです。しかし、洗浄力が強く手荒れを起こしやすいため、使用する際はゴム手袋を使うのがおすすめです。

以上のような処置をしてもシミが抜けないようであれば、クリーニング店に相談してみましょう。

経血のシミ抜きをする上での注意点

このように、経血シミは適切な処置を施せばきちんと落とせることが多いものです。ただし、その際は次の点に注意する必要があります。

とにかく早めに、水で洗う

血液をお湯で洗うと血液内のたんぱく質が固まり、シミが抜けにくくなってしまいます。経血をはじめとする血液のシミ抜きをする際には必ずお水を使いましょう。
また、血液のシミは時間が経てば経つほど抜けにくくなります。シミに気づいたら少なくともその日中に処置することをおすすめします。

洗濯マークを確認してから処置する

衣類にダメージを与えないよう、シミ抜きの際にはできる限り洗濯マークを確認し、その指示に従いましょう。漂白剤はしつこい血液のシミに効果的ですが、衣類の種類によってはシミどころか生地の色まで抜けてしまうことがあるので注意が必要です。
洗濯マークには漂白剤が使えるかどうかも示されているので、漂白剤を使いたいときには必ずマークをチェックしましょう。

頻繁に漏れる場合は原因を見直すことも大切

生理期間中に何度もシミ抜きをするのが面倒という方は、何が経血漏れの原因になっているのが把握し、その上でなるべく漏れないよう対策を講じるのも手です。
経血が漏れる主な原因には次のようなものがあるのでチェックしておきましょう。

「多い日」に経血吸収量の少ない生理用品を使っている

生理2日目、3日目といった経血量が多い日に経血吸収量の少ないナプキンやタンポンを使っていると吸収しきれなかった血液が行き場をなくし、下着にまで広がってしまいます。

ホールド力のない下着を身に着けている

ある程度体に密着する下着でなければナプキンがずれて経血が漏れてしまいます。ナプキンがきちんと下着に固定されるよう、生理期間中は適度にホールド力のある生理用ショーツを着用するのが理想です。

生理用品を頻繁に交換していない

ナプキンやタンポンがすでにめいっぱい経血を吸収しているにもかかわらず新しいものに交換しなければ、余った経血は行き場をなくして外に漏れ出します。
同じ生理用品を長時間使用しているのは衛生的にも問題があるため、生理期間中はナプキンやタンポンを頻繁に交換するようにしましょう。

経血漏れの心配は強いストレスになることも

生理期間中は経血漏れの心配がつきまとうものですが、あまり気にし過ぎるとストレスとなり、生理痛や倦怠感が強まってしまいかねません。
せめて、在宅中は汚れても構わない下着や部屋着を身に着けて、漏れの心配ストレスからご自身を解放してあげましょう。

そして、経血漏れの頻度があまりに多い場合、自己流の漏れ対策だけでは解決できないこともあります。
当院では経血量の悩みに関する医学的見地からのアドバイスや指導を行なっていますので、ぜひお気軽にご相談ください。