女性に多い貧血の原因とは? ライフステージ別の対策と改善ポイント

2025.09.18

「朝からなんとなく身体がだるい」「頭がボーッとする」「階段をのぼるだけで息切れしてしまう」「何もしていないのにフラつく」というようなことが多いと、貧血のサインかもしれません。
特に女性は、ホルモンバランスや月経、妊娠、出産といった身体の仕組みそのものが影響しているケースが多く、「疲れているだけかな」と思って見過ごすことも少なくありません。

女性の貧血の特徴は?

貧血とは、血液の中の酸素を運ぶ役割がうまくいっていない状態を指します。
血液中に含まれる「ヘモグロビン」という鉄を含むタンパク質が酸素を運ぶ働きを持ちますが、これが少なくなると身体のすみずみに酸素が届けにくくなり、酸素不足の状態になります。
その結果、疲れやすくなったり、息切れしたり、めまいや集中力の低下が起きやすくなるのです。

女性に多い理由には、月経の経血として鉄分を失う回数が多いため、慢性的に鉄不足になりやすいことが挙げられます。
また、妊娠、出産の際に赤ちゃんに栄養をたくさん送るタイミングで母体側が鉄不足になるケースも少なくありません。
さらに、ダイエットや食事制限をしている人も多く、鉄分やビタミンが食事から十分に摂れていないという背景もあります。

ライフステージ別の原因について

貧血の原因や症状は、年齢やライフスタイルによって理由が異なります。

思春期(10代~20代前半)

思春期の貧血で一番多いのは、月経の開始による鉄分不足です。
その上、成長期と重なるため、身体が大きくなるのに対し、栄養が足りていないというミスマッチが起きやすくなります。
また、「痩せたいからご飯は少なめ」というような無理なダイエットをしていると、必要な鉄分が足りないという問題が出てきます。

妊娠、出産期(20代~30代)

20代~30代の時期には妊娠している人も多く、赤ちゃんへの血液供給が原因になりがちです。
妊娠中はお腹の赤ちゃんに酸素や栄養を届けるために、いつも以上にたくさんの血液が必要になりますが、ここで鉄分の摂取が追いつかないと、母体側の血液量が足りなくなってしまいます。
さらに出産時には少なからず出血をともなうため、鉄分が一気に失われ、産後に貧血が悪化して「ふらつきがひどくて授乳がつらい」「寝不足と貧血で毎日フラフラ」ということも少なくありません。

更年期(40代~50代)

更年期は、ホルモンバランスの乱れによる月経の不規則化が大きな要因になり、特に「月経過多(生理の出血量が増える状態)」になると、それにともなって鉄分が大量に失われてしまいます。
また、閉経に近づくにつれて体内のホルモン分泌が減ってくる時期でもあるため、加齢による血液の生成能力や代謝機能も低下し、以前と同じ食事をしていても貧血が進みやすくなるのです。
「なんとなく身体がしんどいのは年のせい」と思っていても、実際は貧血だったというケースも珍しくありません。

主な貧血の種類

貧血にもいくつか種類がありますが、最も多く見られるのが「鉄欠乏性貧血」と呼ばれるタイプです。

鉄欠乏性貧血

原因は「鉄分不足」です。自覚症状としては、立ちくらみやめまい、疲れやすさや息切れ、顔色が悪く見える、爪が反る(スプーンネイル)などで、検査を受けてみるとヘモグロビンの値が低下している場合が多いです。ただし、慢性的に緩徐に貧血が進行した場合は、ヘモグロビンの値が相当低下するまで気が付かないこともあります。
鉄欠乏性貧血は食事改善や鉄剤の服用で良くなるケースがほとんどですが、別の病気が原因である可能性もあり、その場合は異なるアプローチをしなければなりません。

月経過多が原因の貧血

月経過多による出血量が多い状態をそのままにしておくと、どれだけ鉄剤を飲んでも、出ていく量に対して入ってくる量が足りないという問題が出てきます。
もし「生理のたびに寝込んでしまう」「貧血と同時に下腹部の重さや痛みがある」というのであれば、婦人科の検査を受けた方が良いサインともいえるでしょう。

その場合、「子宮筋腫」や「子宮内膜症」が隠れている可能性もあり、これらは月経過多の背景にある代表的な婦人科疾患とされています。
早期発見で負担を減らせるケースもあるため、気になる症状があれば放置しないことが大切です。

効果的な貧血対策と予防法

貧血は、毎日の食生活を少し見直すだけでも、予防や改善につながる場合が多いです。
鉄分だけでなくビタミンやタンパク質とのバランスを知っておきましょう。

まずは「鉄分」が基本

鉄分にはヘム鉄と、非ヘム鉄が存在します。
例えば、レバーや赤身の牛肉、マグロ、カツオなどはヘム鉄が豊富で、吸収率が高くて効率が良いため、できるだけメインの食材に取り入れるのが理想です。
一方、ほうれん草やひじき、豆類などに含まれる非ヘム鉄は、一緒にビタミンCを摂ると吸収率が上がります。
食事だけで追いつかない場合は、医師の指導のもとで鉄剤を処方してもらうのが確実です。

ビタミンB12、葉酸、タンパク質も忘れずに

鉄だけでなく、赤血球をつくる材料として重要な栄養素にビタミンB12、葉酸、タンパク質が挙げられます。
特に葉酸は、妊娠中には積極的に摂取してもらいたい栄養素です。
ビタミンB12はほとんどの植物性食品には含まれていないため、ヴィーガンの人は食事以外での補給が事実上必須になります。

少しでも気になる場合は病院を受診しよう

女性の貧血は、本人も周囲も「ただの疲れ」と思い込んでしまいやすいものです。
しかし、思春期、妊娠期、更年期など、身体の変化と強く結びついているケースや、鉄分不足やホルモンバランスの乱れが隠れているかもしれません。
鉄剤を処方してもらう、食事を見直すなど、小さな行動で改善していくことが多いので、もしも思い当たる節がある場合は一度病院を受診してみて下さい。

当院でも、女性の貧血に関するアドバイスや指導を行なっていますので、ぜひお気軽にご相談ください。