更年期障害の対策におすすめの運動とは?

2020.09.22

更年期障害は女性ホルモンが減少することで、ほてりや発汗、疲労感、頭痛、気分の落ち込みなどさまざまな症状が現れます。
症状が重く、日常生活に支障が出る場合にはホルモン補充療法や漢方療法などの治療が導入されますが、こうした治療のほか、普段の生活のなかで実践できる更年期障害の対策もいくつかあります。その一つが運動です。

ここでは、更年期障害の対策に運動が有効である理由と、おすすめの運動について解説します。

更年期障害の対策に運動が効果的な理由

更年期障害は女性ホルモンの減少により自律神経のバランスが乱れ、血行も滞りがちになります。
こうした状況が続くと、十分な酸素や栄養が体全体に行きわたりにくくなり、更年期障害の諸症状の重症化をはじめ、動脈硬化や中性脂肪の増加、肥満、骨粗しょう症のリスクまで上がってしまいます。
しかし、自律神経のバランスを整えて血行を促進させる運動をすることで、症状の緩和や病気の予防への効果が期待できるのです。

このような理由から、更年期障害らしき症状が出始めた方や、生活習慣病の予防対策が必要な方には日常生活に適度な運動を取り入れることをおすすめします。

更年期障害の対策におすすめの運動

運動は健康維持に有効ですので、ぜひライフスタイルのなかに取り入れてほしい習慣ですが、準備に手間がかかるスポーツや、更年期障害が気になり始める年代にとってハードと思われる運動を習慣化するのは難しい面もあります。
そのため、できれば次に挙げるような自宅、または自宅周辺の施設で気軽に取り組める運動がおすすめです。

ウォーキングまたはジョギング

気軽にできる運動の定番といえばウォーキングやジョギングです。運動靴があればすぐにでも始められ、全身運動が自律神経を整えてくれるので更年期障害の諸症状の緩和が期待できます。もちろん、生活習慣病の予防にも効果的です。

水泳

水泳は浮力がクッションとなって体に負担をかけずに全身運動ができるため、中高年以上の方にもおすすめできるスポーツです。泳げない方は安全なところで水の中で歩く水中ウォーキングに挑戦してみましょう。

ヨガ

近年、特に女性を中心に「よく眠れる」、「ストレスが緩和された」と人気を集めているヨガも更年期障害の対策にはおすすめです。
激しい動きがない上に自宅でできるため、外に出かける時間がない方や、運動が苦手な方はぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

サイクリング

自転車に乗れる方はサイクリングもおすすめです。全身運動であるサイクリングはストレス発散にもなります。休日にはいつもより遠くまで出かけてみましょう。適度な疲労感が心地よく感じるかもしれません。

以上が更年期障害の対策でおすすめの運動ですが、運動を行なう頻度や運動時間などは体調と相談しながら決めて無理はしないようにしましょう。

更年期障害の対策は日頃の備えが大切

更年期障害は症状に個人差はありますが、ホルモンの分泌量が減少する年齢になれば性別を問わず訪れます。
体調の変化を感じ始めてから対処しても問題はありませんが、あらかじめホルモンの減少で体調不良になる可能性を認識しておき、本格的に症状が現れる前に少しずつ対策をしていくのが理想です。
なかでも、運動は事前にできる更年期障害対策の一つなので、ぜひ意識して日頃から取り組んでみましょう。

当院でも、更年期に起こるさまざまな症状に関するアドバイスや指導を行なっていますので、ぜひお気軽にご相談ください。