更年期障害のときに家族ができることとは?

2020.09.22

女性の更年期障害では様々な症状が現れます。これは女性ホルモンの分泌量が低下することが原因で、女性であれば「誰もが通る道」です。
しかし、本人にとっては大きなストレスになることがあるため、ご家族としてもどう接すれば良いのか戸惑うことがあるのではないでしょうか。

そこで、今回は更年期障害のときにご家族ができることや注意点について解説します。

更年期障害で現れる主な症状とは?

前述の通り、更年期障害は加齢による女性ホルモン分泌量の低下が原因で引き起こされる不快な諸症状の総称です。個人差はありますが、代表的な症状には次のようなものが挙げられます。

気分の落ち込み

更年期障害になると、感情や気分をコントロールする脳内の伝達物質「セトロニン」が不足しがちになります。その結果、ちょっとしたことで落ち込んだり、何も起きていないのに不安になったり、悲しくなったりすることが頻繁に起きることがあります。

倦怠感

女性ホルモンの分泌量が低下すると、体調を整える働きをする自律神経のバランスが乱れやすくなります。そうすると倦怠感で体が重くなり、無気力状態になってしまうことがあります。

頭痛

更年期障害では、自律神経が乱れやすくなることによって血管の拡張と収縮がうまくコントロールできなくなり、頭痛を引き起こす原因となる恐れがあります。

ほてりや発汗

頭痛の場合と同じく、自律神経の乱れは血管の拡張と収縮のコントロール作用を鈍くしてしまうため、顔が赤くなったり、汗が止まらなくなったりすることがあります。

以上は更年期障害で現れる症状の一部ですが、実際にこれらの症状がいくつか重なれば、日常生活にまで支障をきたしてしまう可能性は十分にあります。
そして、このような症状によって思ったように体が動かせないことが大きな負担となるなかで、家事や仕事をこなさなければならないのは本人にとって非常に辛いことだとご理解いただけるでしょう。

更年期になったときに家族ができるサポートとは?

更年期を迎えた女性の突然の変化に戸惑うご家族は少なくありません。
このようなときはなるべく本人の負担を軽減できるよう、次のような対応を心がけてサポートしていきましょう。

本人の話をよく聞く

不調はその本人にしかわからず、家族でもその辛さを分かち合うことはできません。しかし、「どのような不調で、どれだけ辛いのか」を誰かに話して理解してもらうだけでも本人は気が楽になります。ご家族の方はできる限り本人の話にじっくり耳を傾けるようにしましょう。

家事はできる限り家族で分担する

更年期障害になると、今まで何の問題もなくこなせていたことが急にできなくなったり、やる気を失ってしまったりすることがあります。そのため、本人の負担を軽減するためにも家族が協力して家事を分担するようにしましょう。

軽い運動やリラクゼーションなどを共にする

本人が嫌がらないようであれば、ウォーキングやジョギングなどに誘い出してみましょう。
軽い運動は血行を促進させるため、諸症状の緩和効果が期待できます。また、行動を共にすることで会話の機会が増え、お互いの気持ちを共有できるようになります。

更年期障害の症状について知る

更年期障害の症状についてご家族の方も今一度、おさらいしておきましょう。知識を深めることで、より本人の気持ちに寄り添うことができるようになります。
また、辛い症状を乗り切るためのアドバイス法についても併せて学習しておくと、本人から相談があったときに役立ちます。

普段からのコミュニケーションを大切に

更年期障害は原因がはっきりわからない不定愁訴が一気に襲い掛かってくるようなものです。このようなときはご家族の側から優しく話を聞き出し、気持ちに寄り添いましょう。
本人の気持ちを聞き出すためには普段からコミュニケーションを大切にして、信頼関係を構築しておくことが重要です。

当院でも、更年期に起こるさまざまな症状に関するアドバイスや指導を行なっていますので、ぜひお気軽にご相談ください。