里帰り出産とは? メリットやデメリット、選択前に知っておきたい知識

2025.03.11

初産だったり、パートナーのサポートが難しかったりする方にとって、安心できる出産の選択肢のひとつに「里帰り出産」という手段があります。
里帰り出産をする際には、事前にしっかり計画を立て、スムーズに産後を迎えられるよう準備しておきましょう。

里帰り出産とは?

里帰り出産とは、妊娠後期から出産後の一定期間、実家に戻って出産し、産後の育児を実家の家族とともに過ごす方法です。
一般的には妊娠30~34週頃に実家へ移動し、産後1~2ヶ月ほど滞在するケースが多く、家事や育児を親や兄弟、祖父母にサポートしてもらえるのが大きなメリットです。

しかし、実家に戻ると家族との生活リズムの違いや、パートナーとの別居期間が生じることでの心理的な影響、育児方針の違いによるストレスなど、考慮すべき点も少なくありません。

里帰り出産を選択する際に考えるべきこと

里帰り出産を検討するときには、以下のような点をしっかり考えておくと後悔しにくいです。

パートナーの協力と理解は得られるか?

パートナーとの話し合いが不足していると「思っていたより寂しい」「育児に参加できず距離ができた」といった問題が発生しやすくなります。
特に産後の数ヶ月はパートナーとの関係性に影響を与える大切な時期なので、どのようにコミュニケーションを取るか事前に決めておくのがおすすめです。

実家のサポート体制は整っているか?

実家の親が仕事をしている場合や、介護が必要な家族がいる場合、思うようにサポートを受けられない可能性があります。
また、実家が遠方だと、移動の負担や交通費の問題も考えなければなりません。

産後の生活をどうするか?

里帰り後に自宅へ戻った際の生活リズムをイメージしておくのも大切です。
パートナーが育児や家事をどれくらい担当できるのか、家に戻った後のサポート体制は整えられるかを考えておくと、スムーズに新生活へ移行しやすくなるでしょう。

里帰り出産のメリット

里帰り出産を選ぶ人が多いのは、親や親族のサポートを受けられる安心感や、産後の負担を減らせるメリットがあるためです。

実家の家族にサポートしてもらえる

産後は心身ともに負担が大きく、赤ちゃんのお世話に慣れるまでの間はサポートがあると助かります。
実家に帰れば、親や兄弟、祖父母が家事や育児を手伝ってくれるため、自身は育児に集中しやすくなるでしょう。

産後の体力回復がしやすい

出産は想像以上に体力を消耗し、特に帝王切開や難産だった場合、産後の回復には時間がかかります。
実家にいれば、育児をしながらも無理なく休める環境で、体調を整えやすいですね。

初めての育児でも安心できる

初産の女性にとって、赤ちゃんのお世話は未知の連続です。
授乳や沐浴、寝かしつけなど、初めてのことばかりで不安になる場面も多いでしょう。
実家だと、親にアドバイスをもらいながら育児ができるため、心強いです。

上の子がいる場合も安心

すでに子どもがいる場合、産後の育児に加えて上の子のお世話もしなければなりません。
実家で過ごせば、親が上の子の相手をしてくれるため、赤ちゃんのお世話に集中しやすくなります。

里帰り出産のデメリット

里帰り出産は様々なメリットがある一方で、夫婦関係の変化や費用の問題などのデメリットもあります。

パートナーと長期間離れることで関係がギクシャクしやすい

前述したように、里帰り期間が長くなると、パートナーとのコミュニケーションが不足しがちになります。
特にパートナーが仕事で忙しい場合、赤ちゃんの成長を間近で見る機会が減るため、親としての自覚が芽生えにくくなるかもしれません。
会えない時間が長くなると、孤独を感じるケースもあるでしょう。

実家の家族と育児方針の違いでトラブルになる

親世代と現代の育児には違いがあります。
例えば、「赤ちゃんは泣かせておくべき」「ミルクより母乳のほうが絶対に良い」など、自身とは異なる育児方針を押しつけられるとストレスを感じるかもしれません。

自宅に戻った後の生活リズムが崩れやすい

里帰り中は実家の家族が家事や育児を手伝ってくれているため、自宅に戻った後に「全部ひとりでやるのが大変」「パートナーが何もしてくれない」と感じてしまう可能性があるでしょう。
特にパートナーが家事に慣れていないと、育児負担が一気に自身にのしかかるケースもあります。

里帰り出産の準備とスケジュール

里帰り出産を決めたら、事前にしっかりと準備を進めておくことが大切です。

いつから準備するべき?

里帰り出産の準備は、妊娠初期(6~15週ほど)から少しずつ進めておきましょう。
まずは主治医に相談し、パートナーと話し合い、里帰り出産をするかどうかを考えます。
また、実家のサポート体制の確認も必要です。

産院の予約、手続き開始

里帰り出産が決まったら、実家近くの産院に問い合わせて分娩予約をし、主治医に紹介状を書いてもらいましょう。
病院によって里帰り分娩の受け入れ体制が異なるため、早めに動き、里帰り中の生活に必要なものや費用、書類を確認するのが大切です。

里帰りの準備、開始

実家に持っていく荷物や、手続きに必要な書類を本格的に揃えます。
里帰り先へ移動し、産院での健診を開始しつつ、実家での生活に慣れながら出産に備えます。
また、産後の生活リズムを考え、パートナーと家事・育児の役割分担を話し合い、コミュニケーションをどう取るか計画を立てましょう。

里帰り出産はよく話し合って決めよう

里帰り出産には多くのメリットがありますが、その一方で、パートナーとの関係や育児の進め方に影響を与える要素もあります。
メリットだけでなく、デメリットもしっかり把握した上で、しっかり話し合いながら進め、安心して出産・育児に臨みましょう。

当院でも、里帰り出産に関するアドバイスや指導を行なっていますので、お気軽にご相談ください。