生理前の精神的に辛い症状はPMDD(月経前不快気分障害)かも?

2022.06.30

生理前になると、心や体に何らかの変調や不調を感じる方は多いでしょう。
生理前は女性ホルモンの分泌が大きく変化し、自律神経やホルモンバランスが崩れやすくなるため、変調や不調は誰にでも起こりえます。
その症状が軽ければ大きな心配はいりませんが、なかには心身に影響を与え、日常生活に支障をきたす強い症状が出る方もいらっしゃいます。

それは「PMS(月経前症候群)」と呼ばれる病気ですが、その中でも特に精神的な症状が強く出る「PMDD(月経前不快気分障害)」というものが存在します。

PMSとPMDDの症状の違いは?

PMSは生理が始まる約7日~10日前から起こり、主な症状としては下記のとおりです。

・食欲旺盛になる(特に甘いもの)
・イライラしやすくなる
・集中力や判断力が低下する
・気分の落ち込み
・不安感や緊張感
・涙もろくなる
・体がむくんだり冷えたりする
・体重が増えやすくなる
・頭痛や腰痛
・過度な眠気
・肌荒れ

これらの症状の中でも「イライラしやすくなる」、「理由のない気分の落ち込み」「不安感や緊張感」、「涙もろくなる」などの精神的な症状が主体で強く現れ、さらに下記の症状が出ている場合は、PMDDである可能性があります。

・攻撃的で暴力的になる
・深い悲しみや絶望感
・希死念慮やパニック発作
・不眠や過眠などの睡眠障害
・拒絶や批判に対する過剰反応
・趣味や日常生活への興味の喪失
・激しく疲れ、気力がわかない

PMDDもPMSと同じく、生理が始まる約7~10日前から症状が現れ、生理開始から数日後には治まり、通常の精神状態に戻ります。

しかし、症状が出ている期間中は感情をコントロールするのが難しくなるため、その感情を周囲にぶつけてしまい、社会生活や人間関係にも支障をきたすことが少なくありません。
PMSおよびPMDDは、「社会生活や人間関係に支障が出るかどうか」が、一つの基準になります。

もしも上記の項目を自身の症状と照らし合わせて「自分はPMDDかも」と思ったら、早めに医療機関に相談してみることをおすすめします。

PMDDのために自分でできる対策は?

PMDDの症状はストレスや生活習慣の影響によっても大きく変化するため、悪化させることのないように以下のポイントを意識した日常生活を過ごしてみてください。

朝食を抜かない

朝は朝食をとる時間がない方もいらっしゃるかもしれませんが、朝食を抜くとイライラや眠気などの症状が悪化する原因になりかねません。
軽くても構わないので、きちんと食べるようにしてみて下さい。

ビタミンとミネラルをとる

PMDDの原因の一つと考えられている「ビタミンとミネラル不足」を防ぐために、積極的に取り入れましょう。
特に玄米にはたくさんの食物繊維が含まれており、便秘解消や余分なコレステロールなどを排出する効果も期待できるのでおすすめです。

骨盤のゆがみを解消する

骨盤がゆがんでいると周辺の血流が滞るため、ホルモンバランスが乱れやすくなります。
ゆがみを矯正するストレッチなどを取り入れてみましょう。

半身浴とアロマで心からリラックス

半身浴をしながらアロマオイルの組み合わせはPMDDによる緊張がほぐれ、疲労やむくみの同時解消も期待ができます。

症状の日記をつける

PMDDの時期に症状を詳しく記録すると自身の管理や診察時に役立ちますので、カレンダーや手帳にメモをしておくと良いでしょう。
スマホで体調管理ができるアプリもあるので、それらを活用するのもおすすめです。
記録を続けているうちにPMDD期の長さや、症状、それに伴う自身の思考や行動パターンがわかってきます。
症状や生活の記録のほかに「生理の開始日と終了日」を記録すると、より細かく管理することができます。

まとめ

悩んでいた生理前の精神的不安定な状態がPMDDだとわかり、それを受け止めることによって気持ちが楽になる場合もあります。
PMDDは早めに受診をし、適切な治療が推奨されていますので、もし困った症状がある場合は一人で悩まずに医師に相談するようにして下さいね。

当院でも、PMDDやPMSに関するアドバイス・指導を行なっていますので、ぜひお気軽にご相談ください。