つわりの時期や症状は? 上手く乗り越えるための対処法

2023.11.07

妊娠は特別な時期で喜ばしいことですが、妊娠初期には「つわり」に悩まされる方も少なくありません。
つわりの期間や症状の程度は、人それぞれ異なります。

つわりとは?

つわりは、妊娠初期に現れる一連の症状を指し、主に吐き気、嘔吐、食欲不振などがあります。
これらの症状は、おおよそ妊娠の5週目以降に現れ、8週目前後に最も強くなり、遅くても16週目以降には軽減されることが一般的です。
持続的な吐き気や嘔吐は、体重の減少や脱水を引き起こし、生活に大きな影響を与え、健康上のリスクを増加させる可能性があります。

つわりの症状は多様で個人差があり、わずかな不快感があるだけで日常生活にほとんど影響がない方がいる一方で、妊娠悪阻(おそ)という重度の症状により日常生活が困難になり、入院治療が必要な方もいます。

つわりの症状と程度

つわりの原因は完全には解明されていませんが、妊娠中の急激なホルモン変化によって様々な症状を引き起こすとされています。

つわりの症状

つわりの症状は多岐にわたります。ここでは、妊娠初期に多くの女性が経験する主な症状を挙げていきます。

吐き気

つわりの最も一般的な症状が、吐き気です。
食事の前後に吐き気を感じる方が多く、一日中続くこともあり、食事の質やタイミングによって悪化することもあります。

嘔吐

嘔吐は、つわりのもう一つの典型的な症状です。
主に朝に起こる方が多いですが、日中や夜間にも発生することがあります。
頻繁な嘔吐は脱水のリスクを高め、さらなる健康問題を引き起こす可能性があります。

食欲不振

つわりによって、普段は好きな食べ物に対しても嫌悪感を持つことがあり、栄養不足の問題を引き起こす可能性があります。

過度な唾液分泌

口の中が常にベトベトしていると感じ、これが不快感や吐き気の原因となることがあります。

疲労感

つわりは体力を大いに消耗するため、普段以上に疲れやすくなり、日常の活動が困難になることがあります。

においに対する過敏反応

つわりの期間中、特定のにおいが不快に感じ、食事や日常生活において不便を感じることがあります。

つわりの程度

軽度のつわり

軽い吐き気や食欲不振などがあるものの、日常生活にはほとんど影響がなく、自宅での簡単な対処法で問題ない状態です。

中等度のつわり

中等度のつわりでは症状がより顕著であり、特定の食事や活動を避けたり、休憩を頻繁に取ったりする必要があります。

重度のつわり(悪阻)

悪阻は、つわりの中で最も重度の症状で、持続的な嘔吐と強い吐き気が主な特徴です。この状態が続くと、脱水や栄養不足が起こり、本人と胎児の健康に影響を与える可能性があります。

つわりが始まる時期と持続期間

つわりの症状は、一般的には妊娠5週目から16週目にかけて現れます。

つわりの開始時期

妊娠5週目あたりから軽度の症状が現れ、徐々に症状が悪化していきます。
この時期は突然の吐き気や疲れを感じることがあります。

つわりのピーク

つわりの症状は妊娠8週目から10週目頃にピークを迎えます。
この時期には症状が最も強く表れ、日常生活に大きな影響を与えることがあります。

つわりの終わり

妊娠16週目頃にはつわりの症状が軽減していきますが、まれに妊娠中期や後期にまでつわりの症状が続く方もいます。

つわりの対処法

つわりは時期や症状によって、対処法が異なります。
早い段階で対処法を見つけることで、つわりの症状を軽減し、妊娠中の快適さと健康を維持することができます。

食事と水分補給

つわりがひどいときは、1日3食を食べることは難しいこともあるため、食べられるときに少量ずつ食べることが重要です。
飴玉やガムは、いつでもすぐに口に入れることができ、ゼリーなどは喉越しが良く食べやすいためおすすめです。
水分補給は、炭酸水や酸味のあるドリンクが飲みやすく、栄養面ではスポーツドリンクや経口補水液が効果的です。

栄養補給

つわりによって食事から十分な栄養を得ることができない場合、サプリメントが役立ちます。
しかし、摂取量に注意が必要な栄養素もありますので、医師や専門家に相談してから利用しましょう。

心身の休息

つわりと上手に付き合うには、心身ともに休むことが不可欠です。
疲れやストレスはつわりの症状を悪化させる可能性があるため、必要に応じて家事や仕事を休むなど、パートナーや職場への協力を求めましょう。

カウンセリングや医療的な支援

サポートグループに参加することや、カウンセリングを受けることも精神的な支えとなります。
また、つわりの程度によっては医療的な支援が必要になることがあります。
食事や水分が全く摂れない、激しい嘔吐がある、体重が大きく減少するなどの症状がある場合は、すぐに病院を受診しましょう。重度の悪阻の場合は、入院の上、栄養補給の点滴を行なう場合もあります。

少しでも悩んだ時は相談を

妊娠初期のつわりは多くの女性が経験する自然なものですが、適切なケアと注意を払うことで、負担を軽減できます。
母子ともに健康を保つために、少しでも気になることがあれば医師に相談しましょう。

当院でも、妊娠期間の過ごし方に関するアドバイスや指導を行なっていますので、お気軽にご相談ください。