更年期が「声の老化」に影響を及ぼすことがある?

2022.04.13

年齢を重ねるにつれて訪れる更年期には、肌の乾燥やほてり、倦怠感やイライラなどといった症状が重ねて現れることがありますが、そのほかには「声がかすれてきた・低くなった」という「声の老化」を感じる方も多いのではないでしょうか?

加齢による声の変化は、一般的には認識されていませんが更年期に起こる女性ホルモンの低下に伴って感じやすくなる場合があり、声のハリを維持するためには日頃のトレーニングが重要になります。

更年期に「声の老化」が気になる原因は?

「声の老化」は、主に40〜50代で閉経前後の10年間に起こるといわれている更年期による女性ホルモンの急激な低下が原因の一つとなっていることがあります。

女性ホルモンが低下し血流が悪くなることで、喉の奥にある声帯がむくんで太くなり、「声がかすれる・低音化する」といった変化がみられるようになります。
ちなみに男性の場合は加齢とともに声帯が萎縮して硬くなるため、声が細くなり少し高くなる傾向があります。
また、加齢によって身体の筋肉が衰えるように、声帯の筋肉も衰えることで声に変化が生じるほか、肺活量の減少や喉の乾燥などが原因となっていることがあります。

「人から声が変わったと言われる」、「電話で声が聞き取りづらいと言われる」、「カラオケなどで同じキーで歌えなくなった」、「滑舌が悪くなった」、「声がかすれるときがある」といった変化がみられる場合は、声帯が老化しているサインですので注意が必要です。
さらに、声に違和感を感じやすくなるだけでなく、例えば「ペットボトルの蓋が開けにくくなった」などのちょっとした日常の動作で体に力が入りにくくなる場合もあります。
私たちは踏ん張ったり、体に力を入れたりするときは無意識に声帯が閉じられて全身の筋肉へと連動させています。そのため、声帯の筋肉が衰えてしまうと体に力が入りにくくなってしまうのです。

「声の老化」を予防する簡単トレーニング

「二度目の声変わりの時期」ともいわれる更年期ですが、日頃からトレーニングをしっかり行い、声を出すのに必要な筋肉を鍛えることで「声の老化」を改善したり遅らせたりすることができます。

ストロー発声法

「ストロー発声法」は気軽にできるトレーニングとして高齢者の方にも勧められています。
まずはストローを口に1本くわえて「ウー」と5秒以上声を出します。続けて「ウー」を低音から高音まで発声し、今度は高音から徐々に低音まで発声します。このときストローは噛まないように注意しましょう。
「ストロー発声法」はまずは1日50回、2週間継続して行ったあとは3~4ヶ月に1度のペースで1週間ほど行うことで声の老化を予防できます。

息こらえトレーニング

「息こらえトレーニング」は声を出さずに実践できる方法ですので場所を選ばず好きなときに行えます。
まずは胸の前で手を組み、大きく息を吸い込みます。次に両手を左右に引っ張りながら5秒間ほど息を止めて、力を抜きながらゆっくりと息を吐きます。
これを10回1セットとして朝昼晩に1セットずつ行います。
「息こらえトレーニング」は体に力を入れることで声帯筋や声帯周囲の首の筋肉が鍛えられ、かすり声が改善しハリのある声を維持できるようになります。まずは1ヶ月ほどを目安に継続して行い、効果をチェックしてみましょう。

「声」は、見た目と同じくらい人の印象を左右する大切な要素です。いつまでもハリのある生き生きとした声を保つためにも、声を出すのに必要な筋肉を鍛えるトレーニングを実践しましょう。

日常生活で行える「声の老化」予防

トレーニング以外にも、積極的に人と会話をしたり歌を歌ったりすることで声帯が鍛えられますので日頃から意識して「声の老化」を予防しましょう。
反対に話さなくなってしまうことが老化を招く一番の原因となってしまいますので、無理のない範囲で意識的に人と話す機会を増やし、難しい場合は本や新聞などを音読するのもオススメです。
また、マスクや加湿器を活用して喉の潤いを保ち、「声の老化」に悪影響を及ぼす喫煙や飲酒をはじめ、過労や寝不足といった日頃の生活習慣も見直しましょう。

当院でも、更年期障害や更年期の生活習慣に関するアドバイス・指導を行なっていますので、ぜひお気軽にご相談ください。