妊娠したらどうなる? 基礎体温のグラフからわかること

2022.12.01

「妊娠すると体温が上昇する」という話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?
基礎体温を測定・記録することで、排卵がいつ起こるのか、排卵がきちんと起こっているのかを判断することができます。

また、不妊治療を始める際には、記録した基礎体温表を持参して受診すると、スムーズに治療を開始することができるので、妊活に役立てるためにも自分の身体の変化について知ることが重要です。

女性には低温期と高温期がある

女性の基礎体温は、排卵の時期に合わせて「低温期」と「高温期」の2つに分かれます。
これらの体温変化は、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌に大きく関係しています。

排卵が起こると低温期から高温期に切り替わり、月経が始まると高温期から低温期に切り替わります。
高温期と低温期の基礎体温の差は約0.3〜0.6℃です。

基礎体温とは

基礎体温とは、人が生命を維持するために必要な最低限のエネルギーを使っているときの体温で、簡単にいうと寝ているときの体温のことです。
基礎体温の測定は安静な状態で行う必要があるため、朝起きてすぐ、体を動かす前に測定する必要があります。
排卵が起こると黄体形成ホルモンが分泌され、体温が上昇し、その後約14日間の高温期が続き、妊娠が成立しなければ月経が起こり、低温期に移行します。

高温期は一般的に14日間と決まっていますが、低温期には個人差があり、この個人差が月経周期の違いを生んでいます。
そのため、毎日基礎体温を測定して記録しておくと、排卵日や次の月経開始日を予測することができます。

低温期について

月経から排卵までの期間を卵胞期といい、基礎体温が下がり、低温期と呼ばれる時期になります。
低温期には、卵巣から分泌される卵胞ホルモンの量が増え、卵胞の発育と子宮内膜が厚くなります。
低温期は月経開始から平均2週間ほど続きますが、卵子が育つまでの時間には個人差があり、低温期の長さによって月経周期が変わるため、低温期の長さには個人差があります。
低温期の長さは、月経周期の長さに影響します。

高温期について

排卵から月経が始まるまでの期間を黄体期といい、この間に基礎体温が上昇し、高温期と呼ばれる時期になります。
高温期には、子宮内膜を維持する作用のある黄体形成ホルモンの分泌が増加し、体温が上昇するのです。
排卵後は、黄体となった卵胞が黄体形成ホルモンを分泌するため、高温期が続き、この時期に妊娠しなければ14日ほどで月経が始まり、体温は低い値に戻ります。

基礎体温の変化からわかること

月経周期が一定であれば、高温期が14日間続き、その後低温期に切り替わるので、次の月経日を予測することができます。
また、毎月記録した基礎体温の折れ線グラフを見ることで、次の排卵日をおおよそ予測することができます。
これにより、妊娠しやすい時期を知ることができるので、妊娠を希望する方にも、妊娠を回避したい方にも有用な情報となります。

排卵後の高温期が2週間以上続く場合は、妊娠している可能性があり、妊娠している場合、高温期は胎盤が完成する14週目くらいまで続きます。

ただし、なんらかの病気が原因で発熱している場合もありますので、まずは産婦人科を受診し、妊娠でなければ内科を受診しましょう。
妊娠している場合、飲んではいけない薬もありますので、妊娠しているかどうかをはっきりさせてから受診した方が良いでしょう。

一方で、高温期が短い場合は、卵子が未熟であったり、黄体機能不全という病気であったりする可能性があります。
黄体形成ホルモンが正常に分泌されても子宮内膜が厚くならないため、受精卵が着床しにくく、不妊の原因になります。
妊娠を希望する場合は、治療が必要ですので、早めに産婦人科を受診されることをおすすめします。

低温期が長く続く場合は、疲労やストレス、睡眠不足、食生活の乱れなどにより、ホルモンバランスが乱れている可能性があります。
ストレスで体が危機的状況にあるときは、妊娠するタイミングではなく、排卵が起こらないと考えられています。

基礎体温の正しい測り方とは?

基礎体温は、一般的な体温計ではなく、専用の「婦人体温計」を使って測定します。
婦人体温計は、0.05℃刻みで基礎体温を測定できる経口体温計です。
舌下で測定する電子体温計が一般的で、基礎体温の微妙な変化を知るために欠かせない10秒で検温できる体温計もあります。

体温計の中には、測定した体温を記憶しておき、毎朝測定値を記録する必要がない便利なものや、スマートフォンのアプリと連動して、自動的に測定値を記録し、アプリ上で折れ線グラフを作成する体温計もあります。
便利な分、価格は少し高めですが、毎日体温を記録する自信がない方におすすめです。

体温を測る場合、朝一番に布団から出ずにベッドの上で測ることが必要です。
そのため、体温計は枕元など、起きたらすぐに手が届くところに置いておき、毎朝同じ時間に体温を測りましょう。
測定中は、じっとしていて、決して動かないようにしてください。
測った後は、忘れないようにメモをしたり、基礎体温表に書き込んだりしておきましょう。

グラフは折れ線グラフにし、毎日基礎体温の測定を続けることで、月経周期や排卵日を予測することができます。

基礎体温のグラフから読み取れること

基礎体温のグラフから予測できること、読み取れることは以下の通りです。

・次の月経が始まる日
・次回の排卵日
・妊娠しやすい時期
・妊娠の可能性
・未熟な卵子の可能性
・黄体機能不全の可能性
・ホルモンのバランス

これらを知るために、特に注意すべき点は以下の通りです。

・基礎体温が最も低くなる日
・低温期と高温期の長さ
・低温期と高温期の温度差

以上の3点を確認することで、排卵の有無、排卵日、月経開始予定日、月経周期を判断することができます。

より正確に排卵日を予測するためには、基礎体温をつける際に、体重の増減やおりものの状態など、体の状態をメモしておくとよいでしょう。
体の変化と基礎体温を組み合わせることで、より高い精度で排卵日を判断することができるようになります。

基礎体温を測って妊娠に役立てよう

一般的な妊娠検査薬は、早ければ生理予定日の約1週間後に陽性となりますが、基礎体温はより早い段階で妊娠の可能性を知ることができます。
早く妊娠の可能性を知ることで、胎児に悪影響を与える飲酒や喫煙、薬の服用などを控えることができます。
また、自身の月経周期や排卵日、ホルモンバランスなどを知ることで、不妊治療を始める際にも役に立ちます。
ただし、少しでも気になることがあれば、病院を受診し、医師に相談しましょう。

当院でも、基礎体温に関するアドバイスや指導を行なっていますので、ぜひお気軽にご相談ください。