病院へ行くべき? 不正出血の種類や原因、受診の目安について

2023.05.25

生理以外の時に出血をするという現象を経験したことがある女性は、多いのではないでしょうか?
その現象を「不正出血」といい、種類や原因、症状はさまざまです。

不正出血とは

不正出血は月経周期に関係なく起こる出血を指し、通常の月経とは異なり、出血量や期間、タイミングが不規則であることが特徴です。

単なる体調不良から重大な病気まで、さまざまな原因が考えられるため、自己判断せず医師の意見を求めることが必要です。

不正出血の種類

不正出血には、いくつかの種類があります。

器質性出血

器質性出血とは、子宮や卵巣などの生殖器官に異常があることが原因で起こる出血です。
主な原因として、子宮筋腫、子宮内膜炎、子宮頸がん、卵巣腫瘍などが挙げられ、症状が重いことが多く、適切な治療が必要です。

機能性出血

機能性出血は、生殖器官自体に異常がなく、ホルモンバランスの乱れが原因で起こる出血です。
ストレスや急激な体重変化、過度な運動などが原因でホルモンバランスが崩れた時などの生理不順や無月経、月経困難症などが機能性出血の代表例です。
生活習慣の改善やホルモン療法が効果的な治療法とされています。

中間期出血

中間期出血は、月経周期のほぼ中間に起こる軽度の出血で、排卵期に卵巣から卵子が放出される際に、わずかな出血が起こるものを指します。
中間期出血は通常無害で、特別な治療は必要ありませんが、持続する場合や出血量が多い場合は、専門医に相談することが望ましいです。

その他の出血

その他の出血には、妊娠初期や流産、子宮外妊娠などが原因のものや、避妊薬の副作用、感染症による出血などがあります。
感染症が疑われる場合は、適切な治療が必要ですので、速やかに医師の診断を受けましょう。

不正出血の原因

不正出血の原因は多岐にわたります。主な原因の内容として以下のようなものが考えられます。

生理不順

ホルモンバランスの乱れが原因で月経周期が不規則になり、不正出血が起こることがあります。

子宮筋腫

子宮筋腫は子宮の筋肉層にできる腫瘍で、30代以降に多く見られます。
不正出血以外の症状は、腫瘍の大きさや位置によって異なりますが、重い生理痛、腹部膨満感、便秘、尿の回数が増えるなどがあります。

子宮内膜炎

子宮内膜炎は子宮内膜の炎症を引き起こす病気で、症状としては下腹部痛、おりものの量や色の変化などがあります。

子宮頚がん

子宮頚がんは子宮頚部に悪性腫瘍が発生する、ヒトパピローマウイルスが主な原因の病気です。
初期の段階では無症状のことが多いですが、進行すると不正出血の他に下腹部痛が現れることがあります。

卵巣腫瘍

卵巣腫瘍は卵巣に良性または悪性の腫瘍が発生する病気で、初期の段階では無症状のことが多いですが、腫瘍が大きくなると腹部膨満感や腹痛、便秘、尿の回数が増えるなどの症状が現れることがあります。

その他の原因

上記の病気以外でも不正出血が起こることがあり、前述したように妊娠や避妊薬の影響、感染症が原因の場合もあります。

また、これらの原因が重なっているともあるため、自己診断せず病院で適切な検査や治療を受けましょう。

病院に行く目安や主な検査・治療

月経の出血が長く2週間以上続いている、通常の月経と比べて出血量が多い、生理痛がひどくなった、従来と異なる痛みがあるような場合は、病院を受診することをおすすめします。

病院での検査方法には、問診、婦人科検診、超音波検査、血液検査、子宮頚がん検査などがあり、検査の結果に基づいて適切な治療が行われます。
治療方法は原因によって異なりますが、ホルモン療法、止血剤、抗生物質、手術などです。

少しでも気になったら病院を受診しましょう

不正出血は多くの女性が経験する現象ですが、その原因や症状はさまざまです。
自己判断せず、病院で適切な検査や治療を受けましょう。
また、婦人科検診を定期的に受けることで、子宮頸がんや子宮筋腫などの病気を早期に発見し、適切な対応が可能となります。

生活習慣の見直しやストレスの軽減も不正出血の予防や改善になるため、健康的な食生活や適度な運動、十分な睡眠、リラクゼーションを心がけましょう。

当院でも、不正出血に関するアドバイス・指導を行なっていますので、ぜひお気軽にご相談ください。